2008年1月 6日 (日)

志の輔らくご in Parco 2008

2008/1/6 日 志の輔らくご in Parco 2008 (14時からの部) Parco劇場

立川志の輔     「異議なし!」
立川志の輔     「ねずみ」
中入り
立川志の輔     「歓喜の歌」

妻を伴い、2008年の初落語。会場のビル7Fのサバティーニのカジュアルレストランで昼食後、会場へ。ネタバレがありますので、お嫌な方は以下を読まないでください。

「異議なし!」環境問題に関するマクラ。ネタは、老朽マンションの管理組合で、エレベータに防犯カメラの導入について話あうが、みんな導入することそのものには賛成だが、具体策では成案にならない。最後に次回また話し合うことを異議なく可決する。このあと、後ろの白いパーティションに、先日のインドネシアでの環境問題に関する国際会議の各国首脳が発言しているビデオを流して字幕として、デタラメな日本語訳(ブッシユが二酸化炭素排出量を50%削減を約束し、演台から降りてきて次の大統領は大変だぞとつぶやく等)を流す。これをみて、やっとネタが環境問題に関する国際会議で総論は賛成だが具体的対策を決められないことを揶揄したもので、マクラとつながっていることが理解できた。われながらニブイ。

「歓喜の歌」、マクラは、オリンピックネタ。「スポーツの世界は0.01秒を争うが落語はそうはいかない、たとえば小咄を第1のコース・・・」という正月のBSの落語研究会でみた「蜆売り」のものと同じ部分が多かった。ネタでは噺に引き込まれて、脳裏にありありと情景が浮かぶ。主人公の公民館の主任さんの部下の加藤君のキャラが最高である。基本的にはこの噺ような人情噺は苦手だが、志の輔だと素直に聴ける。このネタはDVDでみたことがあるが、やはりライブは格段にすばらしい。正月早々、よいものを見せてもらった。同行した妻も大感激だった。

2007年12月21日 (金)

立川流忘年会

2007/12/19 水 浜松町かもめ亭 立川流忘年会 浜松町メディアプラスホール

立川志ら乃     「反対イ車」
立川談笑      「金明竹」
立川文都      「壺算」
中入り
立川談春      「除夜の雪」

今月は仕事でストレスが多く、落語でストレスを解消する必要があるのに、忙しくてなかなか落語会に来られない日が続いたが、やっとくることができた。

志ら乃、「反対イ車」。マクラで幼稚園児対象に「つる」をやったときの噺。ネタは、今まであまり面白いと思ったことがなかったが、これは面白かった。

談笑、「金明竹」。マクラで、新幹線に談春、志ら乃といっしょに乗ったときの噺。「談春さんが」という言い方をしていたら、私服の談春がそでから登場し、「談春さん、じゃなくあにさんだろっ」とつっこんだ。ネタでは、おじさんが与太郎に「バカ、バカ、バカ」と連呼したり、おかみさんが、「チャクラが開いた」と訳のわからないボケ方をする談笑独特の壊しをやっていた。津軽弁バージョン。本日の一番。

文都、「壺算」。マクラがつまらなかったので、どうなるかと思ったがネタは後半に進むにつれだんだん良くなっていた。

談春、「除夜の雪」。ネタは米朝直伝と言っていた。寒い夜の雰囲気、噺の舞台がありありと脳裏に浮かぶ表現力はさすが・・・。

2007年12月17日 (月)

隅田川馬石独演会

2007/12/15 土 18:30 荒木町ぎやまん寄席 隅田川馬石独演会 ウィル

古今亭菊六       「時そば」
隅田川馬石       「干物箱」
中入り
古今亭菊六       「転宅」
隅田川馬石       「宿屋の富」

荒木町のウィルというピアノ・バー?での落語会。多くの方が会計をやっていた姐さんの知り合いのようでした。約40人で会場は一杯になっていました。

菊六、「時そば」、「転宅」。テレビのラップのコマーシャルで、落語家がそばを食べる仕草をしているのをみて、そばが見える、というセリフをいうのがあったが、まさにそばが見えるようだった。表情の変化が大きいのは、大げさ過ぎてちょっと興醒め。

馬石、「干物箱」、「宿屋の富」。隅田川馬石は故志ん生が一時、名乗っていた名前。馬石さんは、古今亭志ん生-金原亭馬生-五街道雲助-隅田川馬石とつながる志ん生のひ孫弟子で、金原亭一門だが広くは古今亭の一門。そのせいか、「宿屋の富」は志ん朝のCDとほぼ同じ演出だった。馬石さんは口跡もリズムも良く、本寸法の噺家と思う。これからも贔屓にしたい。

2007年12月16日 (日)

三遊亭遊雀勉強会師走会

2007/12/9 日 19:00- 三遊亭遊雀勉強会師走会 お江戸日本橋亭

三遊亭遊雀   あいさつ
三笑亭可龍   「宮戸川」
三遊亭遊雀   「締め込み」
中入り
三遊亭遊雀   「妾馬」

11月下旬から仕事が忙しくなり、久しぶりの落語会。

妻と、三井室町タワーの地下の関西風おでん屋(美味)で食事をして、2人でお江戸日本橋亭へ。日曜の夜なのに満席。

遊雀、「あいさつ」。約20分にわたり、大宮に出来た「てっぱく(鉄道博物館)」に行ったときの話。遊雀が本を出すほどの飛行機好きというのは知っていたが、「鉄っちゃん」だったとは知らなかった。てっぱくの来場者たちの生態をおもしろ可笑しく紹介していたが、生き生きとした描写ですごく面白かった。ネタ2席よりも、ぼくにとっては、これが本日の一番。

可龍、「宮戸川」。口跡良く、なめらかに進んでいた。

遊雀、「締め込み」。「宮戸川」に刺激されて、同じアパートの1階と2階に住んでいたという縁だった奥さんとのなれそめをマクラで話してからネタへ。

遊雀、「妾馬」。殿様から八五郎への、侍になれ、というオフアーがでる前に噺を切っていた。

2007年9月24日 (月)

SWAクリエイティブツアー

2007/9/24 月祝 SWAクリエイティブツアー 明治安田ホール 14:00~

春風亭昇太     私服で前説
三遊亭白鳥     「恋するヘビ女」
春風亭昇太     「夫婦に乾杯」
林家彦いち     「臼親父」
柳家喬太郎     「明日に架ける橋」

4席で11歳の少年タカシの還暦までの人生を綴る趣向。4席はすべて過去のSWAで演じられたもの。4席通しのタイトルは「明日の朝焼け」。

白鳥、「恋するヘビ女」。以前、聞いたときとくらべ、滑舌もなめらかで、ギャグもずいぶん良くなっていた。チエコ伯母さんのキセルの持ち方がヘンなので携帯電話を持っているようにみえたのはご愛嬌。ギャグでは、機動戦士チヤールズプロンソンの「うーん、ガンダム」が気に入った。

昇太、「夫婦に乾杯」。タカシの奥さんの仕草がよかった。一番、笑えた。

彦いち、「臼親父」。不覚にも意識がところどころ飛んでいた。さるかに合戦のような噺だったような・・・。

喬太郎、「明日に架ける橋」。喬太郎の性格を反映し、4席が続き物であることを判らせるくだりを随所に織り込んでいた。この性格を考えるとやはり喬太郎の順番はラストで正解。生ビールを飲むときの表情の変化がとても良かった。チエコ伯母さんの写真の前にビールを供えたのでチエコ伯母さんは故人になっていたと思ったが、91歳の伯母さんが登場、騙された。

全員、マクラなしでやったのと中入り無しだったので全部で2時間で終了。中身が濃かったので2時間でも満足できた。

 

2007年9月15日 (土)

志の輔らくご ひとり大劇場

2007/9/13 木 志の輔らくご ひとり大劇場 国立劇場大劇場

立川志の輔      「バールのようなもの」
立川志の輔      「妾馬」
中入り
立川志の輔      「政談 月の鏡」

「バールのようなもの」、ご隠居にものを教わって、その通りを家に帰ってやってみてうまくいかないという古典落語のパターンを踏襲した新作落語。おもしろい。「妾馬」、八五郎が士分にー取り立てられるのを断る、「八五郎出世せず」バージョン。どんどん、八五郎が酔っぱらっていくところに特徴があった。「政談 月の鏡」。円朝作。通常の落語は、ひとつのストーリーを追って行く形だが、これは、複数のストーリーが同時並行して進行して終末に向かってまじわってゆく形。節目、節目でアメリカのドラマのトゥウェンティ・フォーでやっているデジタルの時間表示と四分割の画像をスクリーンに投射していた。場面と登場人物がどんどん変わるところを見事に演じ分けていた。実験的な試みと思うが、帰路は凄い物をみたなぁ、と反芻しながら歩いた。やはり、志の輔は当代の噺家ではナンバーワンだと思う。

月例三三独演

2007/9/12 水 月例三三独演 内幸町ホール

柳家三三      「王子の狐」
柳家三三      「佃祭」
中入り
柳家三三      「竹の水仙」

マクラで、台風の日の伊豆下田の落語会の話。早くから来た大勢のお客用に過去のその落語会に来た志ん朝等の大看板の落語の録音を流していた。そのあとで自分が落語をやったのはメインディッシュの後で前菜を出すようなものだったのでやりにくかったとのこと。次は、昔は、橋のたもとで「放し亀」という商売があったという話、これはお客が亀を買い取り川に逃がしてやると後生が良いというもの。昔の世界へすうっーと連れて行かれた感じがして「王子の狐」に。いずれのネタも端正に丁寧にやっていた。うまい。

2007年8月11日 (土)

三遊亭遊雀勉強会葉月会

2007/8/8 水 三遊亭遊雀勉強会 お江戸日本橋亭

三遊亭遊雀       挨拶
笑福亭里光       「手水廻し」
三遊亭遊雀       「三方一両損」
中入り
三遊亭遊雀       「うなぎの幇間」

池袋演芸場昼席のあとカムクラでラーメン。お江戸日本橋亭へ。

遊雀、挨拶。浅草から銀座線でここにくる途上、浴衣を着た女子高生風の人に席を譲られた話。断って譲り合いになるのも嫌だったので座ったが、そのあと、遊雀は肩を敲いたり、「暑いのぉ」と言ってみたり、急に年寄りになった由。王子の宝泉という店での生ホッピーの話。これを飲んだ芸協のある師匠が「おれは昇太には負けない」と、ふだんそんなことを言いそうもない人が言った、というたいそう効き目のある生ホッピーとのこと。(遊雀は、その師匠の名前を前に名乗っていた亭号で言っていたのはなぜ?)

里光、「手水廻し」。フランス人は、マクドナルドのことを大阪人と同じマクドという略し方をするというマクラ。全体的に固かった。

遊雀、「三方一両損」。マクラは浅草演芸場でサゲ直前に帰った客の話。昔あったニューオータニ浅草での結婚式の司会のバイトの話。ネタはやたらと、江戸っ子の美学をひけらかす人々の噺。吉公と金太郎の双方の大家さんがケンカを喜んでいて面白かった。マクラも面白かった。

遊雀「うなぎの幇間」。マクラで文左衛門の前座時代のエピソードと小岩のサウナレインボーでやった落語の話。ネタで、傾いた鰻屋を評して「家が考え込んでいる」というフレーズが気に入った。

巡り合わせが悪く、遊雀になってからは今回が初。やっぱりとても好い噺家である。これから、もっとちゃんと遊雀を観るようにしなければ・・・。

2007年8月 9日 (木)

池袋演芸場8月上席昼の部

2007/8/8 水 池袋演芸場8月上席昼の部

柳家ろべえ       「皮いや」
花島世津子       奇術
柳家はん治       「背中で泣いてる唐獅子牡丹」
古今亭志ん輔      「野ざらし」
ロケツト団        漫才(不眠症対策の言い立て)
柳家喜多八       「鈴ヶ森」
柳家小袁治       「女天下」
柳貴家小雪       大神楽
入船亭扇橋       「道具屋」
中入り
柳家福治         「権兵衛狸」
春風亭一朝       「幇間腹」
林家二楽        紙切り
柳家権太楼       「笠碁」

今日は、休暇を取得。朝からウォーキング1時間、エアロバイク30分、サウナ。昼は夏バテ対策のスエヒロのステーキランチと中ジョッキ。池袋演芸場に行って、小三治休演を知る。少し迷ったが志ん輔、喜多八も出るのは魅力だったのでチケットを購入。

ろべえ、「皮いや」。隣家に根ある竹の子が生えてきた武士の家でそれを食べることに決めて一言、隣家に断りを入れるが・・・。初めて聴くネタだがよくできた面白いネタ。

はん治、「背中で泣いてる唐獅子牡丹」。任侠の世界も高齢化が進行し・・という噺だったような気がするがランチのビールが回りよくわからなくなった。「タマ(命)は取らない、香典をとられる。」

志ん輔、「野ざらし」。女のしゃれこうべを釣りにゆく男のノーテンキなところがうまく表現されていた。

喜多八、「鈴ヶ森」。自称、柳の宮喜多八殿下。「イーップシッ」というくしゃみが印象に残った。不思議な空気感を醸し出していた。

小袁治、「女天下」。「ガス燈が電気に。カカア殿下(電化)の世の中」

扇橋、「道具屋」。与太郎が良い味をだしていた。蛸が死んだが骨がないから遺骨がなくてタコのかあちゃん悲しんだという趣旨の「蛸の唄」を歌っていた。不思議な哀愁の唄。

福治、「権兵衛狸」。表情豊か。繰り返しが楽しかった。

一朝、「幇間腹」。口跡がうつくしい、

権太楼、「笠碁」。表情か゛ゆたかで楽しい。

2007年7月30日 (月)

ビクター落語会 第7回夜席

2007/7/29 日 ビクター落語会 第7回夜席 仏教伝道センター

春風亭一左        「牛ほめ」
入船亭扇遊        「垂乳女」(場内掲示のママ、「たらちめ」 のフリガナ付き)
瀧川鯉昇         「船徳」
中入り
瀧川鯉昇          「蒟蒻問答」
入船亭扇遊        「文違い」

妻といっしょに、「とらふぐ亭」で、焼きふぐのコースを食す。夏なので、ふぐちりをやめて、焼きふぐにした。〆は「ふぐ飯」といって、ごはんに、ふぐと生卵、山芋すりおろしを混ぜた物。まずまずおいしかったが、ふぐちりから雑炊で〆る方が好き。

会場の入りは6割くらい。番組はよいと思うが、日曜日の夜なので・・・。

一左、「牛褒め」。ちゃんとやっているのだが笑いは起こらず。「間」の問題のようだ。おじさんのところ娘のおみつを牛のほめ方(天角、地顔、いち黒・・・)でほめるくだりがあるバージョンで。

扇遊、場内の表示は「垂乳女」。母の枕詞が垂乳根だったと思うので、「垂乳根(タラチネ)」が正しいのではないか?マクラで神様が10月に出雲で集まって縁結びをする噺。宮戸川のマクラで聴いたことがあったくだりなので「宮戸川」かと思ったら「垂乳根」に。

鯉昇、「船徳」。連日の「船徳」。夏なのでしょうがない。いつもの、北海道のニシン法、沖縄の三シン法のマクラ。新聞紙のじゅばんの噺。ネタに入ると、おかみさんが居候について主人に愚痴をいうので始めは「湯屋番?」と思った。若旦那はお金儲けの方法として、お酒につけたお米と南京豆の枕で雀を一網打尽にするアイデアを語っていた。このアイデアは枝雀が「鷺取り」でやっていたのと同じもの。導入部を初めとして、きのう、志ん輔が「シロクマさん」でやっていたところが、クマさん、はっつあん、「クマンバチ」、という所とか昨日とは演出が違うところがずいぶん多い。鯉昇の、親方が、小さく固まっている船頭たちに「ほぐれろ」というところと、徳が片手でハチマキをするところが好きである。サゲは、「質屋か、それで客まで流した。」

鯉昇、「蒟蒻問答」。いろはにほへと、でも言いようでお経に聞こえる。問答シーンのジャスチャーは大きく派手でよかった。

扇遊、「文違い」。登場人物の描き分けがクリアで、感情表現も鮮やかなもの。見事な芸の冴えをみせた。本日の一番。

2007年7月28日 (土)

ビクター落語会 第6回夜席

2007/7/28 土 ビクター落語会~蓄音機の犬 第6回 夜席 三田仏教センタービル

春風亭一左      「つる」
柳家三三       「夏泥」
古今亭志ん輔     「宿屋の富」
中入り
五明楼玉の輔     「蛙茶番」
古今亭志ん輔     「船徳」

一左、「つる」。声はよくでていた。もう少し上下をはっきり切った方がよいのでは?

三三、「夏泥」。マクラで、今日は両国の花火なので浴衣姿の男女が多いという話しから、男の浴衣の着付けが一様に帯を締める位置が高く、丈が短いのでバカボンの集会かと思った噺。ネタはたぶん、三三で聴くのは2回めと思うが前回よりずっと面白かった。特に、泥棒と、住人が「殺せ」から逆転し泥棒が際限なくお金をとられてゆくところは本当に笑えた。中でも「おかずがねえとご飯が食えねえ」といっておかず代もせびりとるところ。

志ん輔、「宿屋の富」。マクラで、会場の近くの第一京浜と日比谷通りの丁字路あたりに薩摩藩邸があり、勝・西郷の江戸城開城の談判をしたという話の紹介。へ~え。ネタは、2等の500両当たる予定の男の妄想シーンがよかった。「子の1365番」が耳についてしまった。

玉の輔、「蛙茶番」。マクラで「忠臣蔵五段目」素人芝居で皆が勘平をやりたがるので舞台に勘平が36人並んだ、「観兵式」ってギャグが古すぎ。

志ん輔、「船徳」。船頭が舟を漕ぎながら舟唄を歌っているシーンから噺に入る。上方の「三十石」のように情趣豊かである。歌っている船頭から声を掛けられる岸にいる船頭は前夜に若旦那に奢ってもらったことを見破られる。そのころ若旦那は居候先の船宿の親方に船頭になりたい理由を熱く語る。若旦那は、吉原で花魁が船頭にあこがれているので船頭になりたいのであった。とてもなよなよした若旦那。志ん輔は、比較的、師匠の志ん朝を踏襲しているイメージだったので演出が志ん朝のCDとは大きく違ったのが意外だったが良かった。

志ん輔は、期待通りよかったが、三三は期待以上によかった。三三の成長には畏るべきものがある。

2007年7月21日 (土)

飛切落語会第312夜

2007/7/20 金 飛切落語会第312夜 イイノホール

前座    
立川志の吉     「金明竹」
桂小米朝       「天災」
三遊亭楽太郎    「船徳」
中入り
林家きくお      「へっつい幽霊」
立川志の輔     「みどりの窓口」

志の吉、「金明竹」。立川流の噺家は、みな「おれの噺を聴いてくれ」という強い気を放射しているが志の吉にはそういうものを感じない。家元は将来、彼を真打ちにするだろうか?

小米朝、「天災」。マクラで米団治襲名の噺。ざこばの勧めによるもののようだ。「天災」を上方で聴くのは初。ガラッパチなキャラが主人公の噺は、小米朝のニンにあわないと思ったが、なかなか楽しく聴けた。

楽太郎、「船徳」。円楽が引退して名前が空くが襲名の話はない、と話を始める。船頭たちがお向かいのタマを食べてしまったというエピソード入りは初めて聴いた。

きくお、「へっつい幽霊」。マクラで9月の親子ダブル襲名の話。ネタは、意外といっては失礼ながら面白かった。きくおには不思議なフラがあるようだ。

志の輔、「みどりの窓口」。マクラは大銀座落語祭で聴いた富山空港でのエピソード。ネタは「みどりの窓口」。前から聞きたかった噺。さすがに志の輔、十分に会場に沸かせた。

2007年7月19日 (木)

大銀座落語祭2007(8)

2007/7/16 月祝 小佐田定雄の世界Ⅱその二 JUJIYAホール

都丸・小佐田      対談
林家花丸        「お父っつぁんは魔法使い」
桂都丸          「鶴亀捕物帳」
桂雀三郎        「G&G」

対談。都丸が三枝に「鯛」の稽古をつけてもらった話。三枝門下はそれまで、比較的自由に三枝の創作落語をやっていたが、都丸がきちんと稽古をつけてもらった上で「鯛」をやったのでそれ以降、三枝門下もちゃんと稽古をつけてもらった上でやるようになったとのこと。

花丸、「お父っあんは魔法使い」。いつものまんじゅうのマクラ。借金返済を迫られる息子の父親は魔法使いで、絵に描いてあるものに命を吹き込む「抜け雀」の魔法を使って借金取りの追求をかわそうとするが・・・という噺。

都丸、「鶴亀捕物帳」。初見。スッポンの亀五郎親分の子分に、大店の質屋の若旦那の鶴松がなる噺。鶴松は江戸で銭形平次の子分をやった経験があり、銭の代わりに小判を投げ、悪党が小判を拾っているところを捕まえる。サゲは「猫に小判は通用せんがな」。面白かった。本日の一番。

雀三郎、「G&G」。じいさんたちがロックバンドをやる噺。後半はギターで伴奏しながら「どうにも止まらない」、「昔の名前で出ています」、「お馬の親子」、「宇宙戦艦ヤマト」の替え歌。

これで、大銀座落語祭も終わり。

2007年7月17日 (火)

大銀座落語祭2007 (7)

2007/7/16 月祝 究極の東西寄席Gブロック 銀座ブロッサム

加藤武       朗読、吉川英治「宮本武蔵」 宍戸梅軒のでるところ
小沢昭一      朗読、永井荷風「榎物語」
中入り
米朝・小沢     対談
中入り
柳家小三治     「天災」

小沢昭一は、出囃子にラジオ番組「小沢昭一的こころ」のテーマ曲を使用していたが、幕が開いたら釈台を前に座っていた。木魚とか、鉦も用意しこれらを適宜たたいて、時にはお経のように、時には講談のようにと言う風に調子を変えながら朗読していた。

米朝・小沢の対談。共通の師である正岡某の噺他。

小三治、「天災」。マクラを30分、ネタを30分という配分。マクラでは、5月の浅草のトリで「茶の湯」をやったときに、隠居所の場所の地名「根岸」が出てこなかった、また、隠居さんが饅頭をつくる件を忘れて噺を進めて後で困ったという話。「こうなって、志ん生になってゆくのかなあ。文楽だったら勉強し直してまいります、と言って今ここにはでられない。」いつもより、マクラでのノリは悪かったようでとりとめのなさが目だったが、ネタはさすがに、しっかり聴かせてくれた。

2007年7月16日 (月)

大銀座落語祭2007 (6)

2007/7/15 日 小佐田定雄の世界Ⅱ その一 十字屋劇場

小佐田・雀松      対談
笑福亭三喬       「月に群雲」
桂九雀          「産湯狐」
桂雀松          「磐若寺の陰謀」

対談では、富士火災に勤務するサラリーマンだった小佐田氏の処女作「幽霊の辻」を枝雀に書いたいきさつの紹介。毎月1席、新作をつくって披露する会をやっていた枝雀がネタができずに困り、落語会で自分がやりたい新作落語のイメージを説明し、観客に新作落語を創作し自分に送るように呼びかけたのに対して、小佐田氏が「幽霊の辻」を書いて枝雀に送ったとのこと。また、雀松のためにつくった「マキシム・ド・ぜんざい」は、雀松が事前のネタ出しで「ぜんざい公社」を出したものの当時、公社の民営化の時代なのでネタが古いので、小佐田氏がマキシム・ド・ぜんざいを急遽、作成したとのこと。

三喬、「月に群雲」。マクラで、NOVAうさぎとカメスンの小咄。雀々評によれば、落語の登場人物ににあう上方落語家は、若旦那は小米朝、丁稚は雀々、泥棒は三喬。というわけで、故買屋での泥棒たちと故買屋の主人のやりとりが噺の中心のネタに。ちなみに「月に群雲」は泥棒が、盗品を買ってもらうときに言わなければならない合い言葉。主人は、「花に風」と答えることになっているのだが、答える前にもったいをつけて、ゆっくりキセルでタバコを吸うしぐさをしてから答えていたところに笑えた。三喬は先日の東京での独演会のときより今日の方が面白かった。

九雀、「産湯狐」。マクラで、台風4号に妨害されながらの東京への移動の苦心談。これはすごく面白かった。ネタは、狐がでてくる民話風の噺。

雀松、「磐若寺の陰謀」。初見。雀松は、市役所の課長さんといった風貌。ネタは参拝客あつめのために、この寺の池から「龍の天上」するといううわさを流すとこれが大成功して参拝客が増えるが・・・・という噺。

三席とも、上々の出来。2時間足らずの短時間の会であったが大満足。マクラでは九雀が、ネタでは三喬がよかった。

大銀座落語祭2007 (5)

2007/7/15 日 究極の東西寄席Eブロック 銀座プロッサム

三遊亭白鳥      「スーパー寿限無」
柳家喬太郎      「中華屋開店」
昔昔亭桃太郎     「結婚相談所」
中入り
清水アキラ       綾野小路きみまろ風
中入り
桂三枝         「おかんとぼくの品定め」
林家正楽        紙切り
桂三枝         「内緒話」

オーガニックレストラン泥武士で、おかずが8品もつく「二の重弁当」を食してからブロッサムへ。

白鳥、「スーパー寿限無」。健康落語体操から「スーパー寿限無」へ。落語体操も、このネタも初。楽しめた。たぶん、白鳥はプログラムからみて、客層は自分を見に来る客ではないと判断した時に、落語体操で客をほぐして、一般客に受けやすいこのネタや、「おばさん部隊」をかけているのではないか。開口一番として100点満点の仕事をした。

喬太郎、「中華屋開店」。ストーリー展開がわかりにくく意味不明のところが多かった。喬太郎はぼくが最も好きな落語家のひとりで、おそらく20回や30回はみていると思うが、今日の出来はダントツの最悪。たぶん、ネタおろしだったと思うが、ネタがまるで練れてなかった。喬太郎でも、こんなことがあるのかとびっくり。

桃太郎、「結婚相談所」。ぼくには、単に冴えないオヤジギャグを連ねているだけにしか聞こえないが・・・・。「十人いれば気は十色」なんてことを申しますようにひとの好みは人それぞれなので。

清水アキラ、チケット購入時のチラシには、「ものまねオンステージ」と書いてあったのに、ものまねをほとんどやらず、客いじりをしながら漫談のようなものをやっていた。ものまねを期待してチケットを買ったのに、がっかり。中入りで、近くにいた客も同じ不満を述べていた。

三枝、「ぼくとおかんの品定め」、「内緒話」。三枝の自作の落語で、前者が181作目、後者が182作目とのこと。大銀座落語祭のためにつくったという、くちぶりからすると今回がネタおろしかもしれない。SWAで新作のネタおろしを聴いて、その後、同じ噺を何回か聴くと、落語家がじょじょにネタを練り上げていっていることがよくわかるが、今回の三枝の2席が、もしネタおろしだとすると驚異的な完成度の高さである。特に2席目はオチも鮮やかで、さすがと思わせる出来であった。

       

2007年7月15日 (日)

大銀座落語祭2007 (4)

2007/7/14 土 爆笑新作らくご会 博品館劇場

笑福亭瓶成        「いらち車」(車の文字は、にんべんに車)
春風亭栄助        「新・生徒の作文」
笑福亭たま        「ドーベルマン刑事」
林家彦いち        「掛け声指南」
中入り
月亭遊方          「戦え、サンダーマン」
桂三象           「アメリカ人が家にやってきた」
三遊亭歌之介       「お父さんのハンディ」
中入り
林家しん平         「鬼の面」
笑福亭福笑         「葬儀屋さん」

瓶成、「いらち車」。初見。東京の「反対車」の上方バージョン。激しい動き。キャリア6年目でこれだけできれば立派。でもこのネタって新作なの?

栄助、「新・生徒の作文」。色々なヘンな小学生の作文を読み上げる形式の落語。内容は、岸朝子(料理記者歴50年)風、江原ひろゆき風、変態風とバラエティ豊かだったが、作文を次々読み上げていたのでやや単調。

たま、「ドーベルマン刑事」。上方の新作落語会の「できちゃった落語」メンバー。マクラで中田カウスのネタ。ショート落語「銃撃戦」「健康飲料」「ローマ法王のデコピン」、「ドリアン」等。ネタは警察犬シナモンが主人公?の噺。本日の一番。

彦いち、「かけ声指南」。東京の新作落語会「SWA」のメンバー。マクラで、格闘家のどこにでも座れる「自由席」ネタ。訪問販売のセールスに「お母さんいる?」と聞かれた話。この人のマクラはおもしろい。「かけ声指南」は3回目。ずいぶん、噺がすっきりして判りやすく、不自然なところがなくなってきた。

遊方、「戦え、サンタ゜ーマン」。「できちゃった落語」メンバー。スーパーでキャラクターショーをやっているところに警察に追われている強盗犯が逃げてきて観客の子供を人質にとる噺。キャラクターショーのシーンを恥ずかしそうにやっているところが微笑ましかった。バカハカしくてよかった。

三象、「アメリカ人が・・・」。初見。51歳とのことだがもっと老けて見えた。ネタのセンスが古い感じがした。

歌之介、初見。飛行機の話のマクラ。言ってはいけないことを言ったり、すべったりしたときに、扇子で正面から自分のおでこをたたく習性をもつ。独特のクセのあるリズム。ネタは息子の高校受験に願掛けのためにゴルフ断ちをしたお父さんの禁断症状の噺。マクラもネタも面白かった。歌之介を知ったのは今日の収穫。

しん平、「鬼の面」。初見。金髪。次は水色にするとのこと。ネタは、きちんと構成された古典風の新作。しん平の自作ならば大したストーリーの構成力である。ネタをきっちり端正にこなした後、消灯しブラックライトを使った「ガイコツかっぽれ」を踊る。このチンチンのついたガイコツ衣装と踊りのバカバカしさに「林家の芸風、おそるべし」、と感嘆。

福笑、「葬儀屋さん」。マクラは参議院選挙ネタ。登場人物がボケとツッコミに分かれて、漫才のような掛け合いをやるいつもの福笑落語。常套句を城東区(大阪市)でボケたのは、どこまでこれが通じるか試したかった由。当初、城東区内の地名らしきものを次々挙げられてボケられても全く、理解できずポカンとしたがこの解説を聴いて場内爆笑。

来年は、上方の「できちゃった落語」メンバーと東京のSWAメンバーを全部揃えてまとめてみてみたい。やってくれないかなあ。

17時開演で予定では20時20分終演だったが、各演者が長くやったので21時終演となった。昼に3時間半、夜に4時間の落語はさすがにつかれた。

大銀座落語祭2007 (3)

2007/7/14 土 親子そろって受賞の会、平成18年度芸術祭受賞者の会 ギンザ・コマツアミュゼ

第一部
(柳亭市朗?) 
三遊亭金時       「掛取り」
三遊亭金馬       「淀五郎」

第二部
ロケット団        前半、四字熟語・英語ネタ、
              後半は地震の時の心構えの言い立て
桂文生          「青菜」
金原亭伯楽       「宮戸川」
林家染丸        「胴乱の幸助」

3回目のトライでやっと予約のとれた宮崎牛の店「みやちく」で11時からステーキ・ランチ3000円を妻と食す。ステーキはロースと赤身が60グラムずつでる。ロースがとてもおいしい。コックさんに急いでもらうがデザートを食べ終わったのが12時5分すぎ。偶然、「みやちく」はコマツアミュゼの隣のビルだったので12時10分に少し遅れて入場。客の入りは8割くらいか。

金時、「掛取り」。初見。マクラの途中で入場。きっちりとやっていた。ケンカが趣味の魚屋とのやりとりが印象に残った。

金馬、「淀五郎」。初見。ライブでは初めて聴くネタ。忠臣蔵4段目の「由良の介は?」「まだ参上つかまつりません」のところで切腹する殿様の役がうまくできずに悩む役者の淀五郎が中村仲蔵のアドバイスでうまく演じられるようになる噺。ぼくは歌舞伎はほとんどみたことがない。落語には歌舞伎、特に忠臣蔵を材料にしたものが多いので、忠臣蔵は見ておいた方が落語の楽しみが増すに違いないと思う。

文生、「青菜」。初見。自分の頭がハゲた由来をマクラで紹介。妙な愛嬌のあるおじいちゃんであった。

伯楽、「宮戸川」。終始、ニコニコしながらやっていた。終わりのところは、「この先どうしましょう。テレビだったら失楽園でやっていたように裸の女の人が出たりするんですが、落語ではそうはいかないんですよ。」。噺が終わると着物姿のお姐さん方が10人以上席を立って帰ってしまった。多分、伯楽さんが呼んだ粋筋か、唄か踊りかなんかのグループだと思うが染丸を聴かずに帰るなんてもったいない。

染丸、「胴乱の幸助」。ライブでは初めて聴くネタ。江戸落語では観客が、芝居(歌舞伎)をみていることが前提になっているが、上方落語ではそれが浄瑠璃に置き換わっているようだ。この噺は「おはんちょう」と呼ばれている心中ものの浄瑠璃を知っていれば、より楽しめるかもしれない。

歌舞伎や浄瑠璃の素養に欠ける現代の観客に向けて、これらに題材をとったネタをやる噺家は、説明しなければならないことが多くて大変である。金馬の忠臣蔵四段目の切腹シーンはビシ゛ュアルにイメージできたし、染丸の「おはんちょう」のややこしいストーリーの説明も理解できた。さすがにベテランである。

値段、顔付けを考えたら空席があったのが不思議だったが、同時に銀座の7会場で落語会が開催されているので、供給過剰が生じているということに思い当たった。

2007年7月14日 (土)

大銀座落語祭2007 (2)

2007/7/13 金 第一部 仁智・小春團治 新作二人会、
              第二部 この人この噺、  博品館劇場

第一部

桂春菜       「ぜんざい公社」
桂小春團治    「アルカトラズ病院」
笑福亭仁智    「源太と兄貴」
中入り

第二部
柳家三三     「五目講釈」
林家染二     「天神山」
笑福亭鶴二    「稽古屋」
立川談春     「小猿七之助」

春菜、「ぜんざい公社」。初見。開口一番として無難な出来。欲をいえば「ぜんざい公社」のような古典化した新作ではなく、自作の新作をかけて欲しかった。

小春團治、「アルカトラズ病院」。入院した患者を閉じこめて外へ出さない悪徳病院に入院してしまった男の噺。このネタを聴くのは2回目。あいかわらず、面白い。

仁智、「源太と兄貴」。初見。マクラは野球解説者の話。ネタはしのぎである高利貸しがうまくゆかず貧乏なやくざの源太とアニキが金もうけをたくらみ、伝書バト、徳川埋蔵金探し、競馬等に手を出しては失敗する噺。最後はマジメに甲子園のアルプススタンドでアイスクリーム売りをしようとするが「氷菓子(高利貸し)はもうからん」と落とす。爆笑につぐ爆笑。仁智を見ることができたのが今日の収穫。

三三、「五目講釈」。ネタは導入部は「湯屋番」そっくりな「五目講釈」。働けと言われた居候の若旦那は、講釈師になると言いだし、長屋の人々を集めて講釈をやるという噺。

染二、「天神山」。ぼくの好きな上方噺。とくに後段の主人公である「胴乱の安兵衛」まのやさしいキャラが好きである。染二はいつも通りのハイテンションで。

鶴二、「稽古屋」。初見。マクラで枝雀が「猫の忠信」のCDのマクラでやっていたいたのと同じ稽古屋の師匠の生徒の褒め方(声、節回し)の紹介をやっていた。ネタの稽古屋の師匠の雰囲気はよくでていた。

談春、「小猿七之助」。出てきて座るときなぜかペロッと舌を出していた。惚れ惚れするような心地良いリズムに噺をのせて、観客を物語の世界に魅きこんでゆく。最後の方で唐突に、「ここからが面白くなるが」と講釈の終わり方をして、地に戻り、そのあと芝居の口調でひとくさり。最後の方がよくわからなかったが、談春の凄い技術は堪能できた。

本日の一番は、談春。

2007年7月12日 (木)

大銀座落語祭2007 (1)

2007/7/12 木 究極の東西寄席 Aブロック 銀座ブロッサム

ザ・ニュースペーパー・スペシャルライブ
中入り
桂雀々     「代書屋」
桂南光     「ちりとてちん」
桂ざこば    「遊山船」
中入り
立川志の輔  「柳田格之進」

大銀座落語祭初日。平日18時スタートはややきつい。5分くらい遅れて入場。

ニースペーパーは、小泉・安倍晋三・安倍昭恵・久間・東国原のマネ、社保庁ネタのコント。やはり小泉前首相のマネは出色。期待以上に面白かった。

第2部は、枝雀の弟子の南光(元べかこ)、雀々、弟弟子のざこば(元朝丸)と枝雀ゆかりの上方勢で。座布団返しの前座は瀧川鯉斗だったようだ。

雀々、「代書屋」。マクラで客に拍手の強要。少し押しつけがましい。ネタは枝雀のDVDとよく似た演出。ただし、主人公の職業が枝雀のは河太郎(ガタロ:河の中から物を拾う廃品回収業)だが、雀々のはポン(米とザラメでつくるポン菓子屋さん)。いつも通り大汗をかいての熱演。

南光、「ちりとてちん」。ライブでは初見。特徴のある声。腐った豆腐を騙して食べさせるという後味の悪さを緩和させるために、旦那に色々言い訳を言わせていたことで少しくどい感じがした。

ざこば、「遊山船」。登場したらすぐ羽織を脱ぐ。曰く、「すぐにぬぐんやったら、着てこーへんかったらええのに」。鳴り物入りで賑やかに。川遊びの情景が目に浮かぶような描写力はさすが。

志の輔、「柳田格之進」。富山空港でみた品格がない男の話をマクラに。このネタは志ん朝のCDで聞いたが、ライブで聞くのは初。50両のお金をとったと疑われた格之進が役人に調べられるのを恥じて切腹すると考えた娘が自ら吉原に身売りをして50両をつくると言い出す、というストーリー展開は違和感なく説得力があった。格之進のセリフをささやくように言っていた演出は格之進が感情を押し殺していることをよく表現していたと思う。やはり、志の輔は凄い。久しぶりに良いものをみせてもらったと反芻しながら家路についた。

2007年6月 2日 (土)

熱海五郎一座

2007/5/26 土 熱海五郎一座 狼少女伝説「TOH!!」 昼の部 天王洲銀河劇場 

作: 妹尾 夫   構成・演出: 三宅裕司
出演: 三宅裕司、渡辺正行、ラサール石井、小倉久寛、春風亭昇太、東貴博、南原清隆、   関根あすか

東南アジアのジャングルで発見された狼少女をめぐる2つのテレビ局の話。

主演女優は多分、元体操選手だと思う。舞台上に小さなトランボリンを置き、跳んだり、回ったり派手な動きに目を奪われる。

出演者が舞台上でさかんにアドリブを仕掛けている様子だが、どこまでが台本でどほこまでがアドリブか境目がわからない。爆笑につぐ爆笑。

昇太の滑舌の悪さを利用して、早口言葉をやらせるシーンがあった。改めて、昇太の滑舌の悪さを確認した。

チケット入手困難な芝居だが、次回も是非行きたい。

2007年5月19日 (土)

第1回笑福亭三喬東京独演会

2007/5/18 第1回笑福亭三喬東京独演会 深川江戸資料館小劇場

笑福亭喬若      「動物園」
笑福亭三喬      「ちりとてちん」
柳家さん喬      「そば清」
笑福亭三喬      「我家のアルバム」
中入り
笑福亭三喬      「花筏」

早めに着いたので、会場の向かいにある「深川宿」でみそ味、醤油味の2種の深川飯のセットを食す。両方とも素朴な味。ややみそ味の方が好み。会場は8分の入り。

喬若、「動物園」。自分でも言っていたが風貌はレッドソックスの松坂似。全体に堅い。虎が歩くシーンに拍手を求めるが今ひとつ。

三喬、「ちりとてちん」。46歳の三喬は、芸が伸びるという40代、50代なので、東京で10年間独演会を続けるチゃレンジをするとのこと。本日が第1回。「ちりとてちん」は、においを嗅いで顔を背けるシーン等は、昇太の「ちりとてちん」よりも控えめ。客席の空気もまだ堅くてやや淡々としたものになった。

さん喬、「そぱ清」。笑福亭松鶴と柳家小さんの仲が良かったので笑福亭一門と柳家一門は仲が良いとのこと。弟子の喬太郎が三喬と二人会をやっている縁があり、ゲストで呼ばれたようだ。ネタでは、清兵衛さんが「どぉ~も~」という挨拶する声が節々に入り、これが耳について離れない。そばを食べるところ、そば湯を飲むところの所作は見事だし、全体に端正なのだが笑わせるところではちゃんと笑わせてくれるメリハリは見事。噺のあとは、踊り披露。手ぬぐいを捻っておいて、それが戻る力を利用して、パッと一瞬で頭に巻いたワザは手品のようだった。踊りも粋なものだった。ネタも踊りもまことに結構なものでした。

三喬、「我家のアルバム」。三喬の2人子供の学校での話を中心に家族を題材にした漫談風のもの。鶴瓶や、露の都がよくやっているようなパターン。さん喬が空気を十分に柔らかくした後だったせいか、先ほどまでの堅さはとれて本来の持ち味が出てきた様子。面白かった。

三喬、「花筏」。地噺をよどみない名調子で。

三喬は初めて。笑福亭なので福笑のような爆笑系を予想していたが、古典二席を聴いてみると端正に聴かせる噺家であった。「我が家のアルバム」はほのぼのとしていて楽しかった。三喬は良かったが、さん喬が凄かったので食われてしまった感は否めない。

2007年4月28日 (土)

白鳥大全集4巻

2007/4/26 木 白鳥大全集4巻 東京芸術劇場小ホール

三遊亭白鳥、「ぼくはこうして」真打ち編
神田茜    「張り扇いろいろ」
三遊亭白鳥 「黄金餅」
中入り
神田茜    「あの頃の夢」
三遊亭白鳥 「双蝶々」(長吉とメルヘンの森)

後方に空席がかなりあり。今月4回シリーズでやる独演会の最終回。

白鳥、「ぼくはこうして」。うしろ幕の真ん中のファスナーを開けて登場。うしろ幕は白鳥が真打ちになるときにファンが手作りしてくれたもの。三遊亭白鳥という字はマジックテープではずれるようになっていて、次回襲名披露をするときに再利用できるようになっている、というようなことを紹介。

茜、「張り扇いろいろ」。いままで作った張り扇の数々を披露。昔、白鳥と地方公演に行ったとき、水着着用の混浴の露天風呂に白鳥と入った。白鳥は水着を着用していなかったが、「カゲの薄い下半身」なので誰もそれに気づかなかったとのこと。

白鳥、「黄金餅」。主人公は例によって池袋のびっくりガード近くの外人ばかりが住んでいるアパートの住人である、噺家の金銀亭Q蔵。隣の部屋に住む北朝鮮工作員のばあさんが金をトックにくるんで飲んで死んでしまう。麻布までの順路の言い立ては池袋近辺の順路で代用。

茜、「あの頃の夢」。サラリーマンの富永室長代理が宝くじで2億円当てる噺。

白鳥、「双蝶々」。家出した長吉が迷い込んだ家でみた、「マッチ売りの少女」と「ヘンゼルとグレーテル」の幻。よい子でいると「マッチ売りの少女」のように死んでしまうが、悪い子になれば「ヘンゼルとグレーテル」のように生き残る?
とても、よくできた噺だったし演じ方も滑らかで十分楽しめた。

第5回朝日いつかは名人会

2007/4/25 水 朝日いつかは名人会 浜離宮朝日ホール

柳亭市朗       「子ほめ」
三遊亭天どん    「   」新作、入院している小学生と前座の噺家のはなし
春風亭栄助     「お血脈」
中入り
天どん、栄助、喬太郎  トーク
柳家喬太郎     「一日署長」

天どん、「  」。小道具に手作りのバットのおもちゃ等を使う円丈一門らしい技をだす。天どんを聴くのは、たぶん3回目だが今日のが一番面白かった。

栄助、「お血脈」。先日、内幸町ホールで聴いたときは意識がもうろうとしたが、今回はちゃんと面白く聴けた。このネタ自体を聴くのが初めてだったので、栄助のアレンジ部分がどこなのか判らなかった。

喬太郎、「一日署長」。今日の屋形船をジャックする犯人は市朗だった。東京ホテトル音頭、東京イメクラ音頭の歌付き。

第1回新橋落語会瀧川鯉昇独演会

2007/4/23 月 第1回新橋落語会瀧川鯉昇独演会 レッドペッパー

瀧川鯉之助    「替り目(酔っ払い)」
瀧川鯉昇      「湯屋番」
中入り
瀧川鯉昇      「御神酒徳利」

会場は新橋のジャズ喫茶。

鯉之助、「替り目」。

鯉昇、「湯屋番」、マクラで、落語ブームが3年続いたので税務署に噺家というものが存在することが気付かれてしまった。ネタは湯屋番。前半の居候先のおかみさんと若旦那の確執が丁寧に描かれていた。風呂にいる人が番台の若旦那の様子に気をとられて軽石で顔をこすってしまうところまで。

「御神酒徳利」、今まで神奈川の宿でのエピソードで終わるものしか聴いたことがなかったが、今日のはお稲荷様の霊験で大阪の鴻池のお嬢さんの病気を治すところまで聴けた。

志の輔らくご21世紀は21日(4月)

2007/4/21 土 志の輔らくご21世紀は21日 明治安田ホール

立川めんそーれ    「道具屋」
立川志の輔       「御神酒徳利」
松元ヒロ         今日のニュース
立川志の輔       「五貫裁き」

めんそーれ、「道具屋」。前座としては上出来。

志の輔、「御神酒徳利」。正蔵の申告洩れの噺から自分が受けた税務調査の噺をマクラで。ネタは、徳利が出てきてからの宴会での善六の酔態がよかった。
「五貫裁き」。マクラで志の輔が若い時から大ファンだった井上陽水との対談の噺、陽水はサングラスをとると陽水だと気づかれないらしい。マクラが長く漫談で終わりかと不安になったところでネタに。ネタは、毎日1文ずつ商人経由で奉行所に届ける裁きがあり、商人が困る噺。(われながら、ひどいストーリー紹介である。)

2007年4月15日 (日)

「楽橋亭」瀧川鯉昇独演会

2007/4/11 水 「楽橋亭」瀧川鯉昇独演会 内幸町ホール

瀧川鯉斗    「ん廻し」
瀧川鯉橋    「粗忽の釘」
瀧川鯉昇    「味噌蔵」
柳貴家小雪   大神楽曲芸
瀧川鯉昇    「佃祭」

楽橋亭とは、明治大学の落語研究会で楽橋を名乗った初代から三代目までの人でつくった会とのこと。鯉昇は、明治大学出身とのこと。

鯉斗、「ん廻し」。最初みた時は、TOKIOの長瀬似と思ったが、今回はずいぶん落語家らしい風貌になっていた。楽しげで良かった。

鯉橋、「粗忽の釘」。マクラで、一門に滝川クリステルを加える噺。夜のニュースのように高座も斜を向いてやる。口跡よくリズムも良し。

鯉昇。いつもながら柔らかい語り口でなごむ。「味噌蔵」、ワサビが効き過ぎた時の様子や、イモを食べる様子は絶品。「佃祭」、鯉昇のこの噺を聴くのは2回め。噺の中で葬式は近所の人が仕切っていた。先日、伯父が亡くなり通夜に参列したのだが、田舎の方では未だに近所の人が葬儀を仕切っているのを思い出した。

2007年4月 1日 (日)

昇太ムードデラックス

2007/04/01 日 昇太ムードデラックス(昼の部) 本多劇場

春風亭昇太     前説
神田山陽      「長短槍試合」(豊太閤一代記より)
春風亭昇太     「長命」
春風亭昇太     「空に願いを」
中入り
春風亭昇太     「崇徳院」

昇太、前説。プロジェクタ故障で、恒例の「携帯電話切ってね」のビデオ上演ができず。2月のSWAの時にも同じことを言っていた。そろそろ買えば・・・。「新しい家族ができた」というので結婚か?と思ったら山陽が家の2階の一番良い部屋に住みついてしまった、とのこと。でも、本当は弟子をとったのを家族ができたと言いたかったのではないかなぁ・・・。

山陽、「長短槍試合」。山陽の古典は初めて聴く。所々で、正調の講談の名調子を披露。耳に心地良し。もっと、講談の正調の部分が聴きたかった。

昇太、「長命」。マクラで、高知空港で胴体着陸をやった機長の話。会社からの期待が大きい機長が、伊丹・高知便を飛んでいる訳ない、というのは鋭い洞察。ネタは笑志に習ったとのこと。自分には合わない噺と言っていたが、察しの悪い男の表現が抜群に良く、本日のベストだった。

昇太、「空に願いを」。高座上で、SWAの着物にナマ着替えしてマクラで昇太の先祖は富士川の支流のマツノ川の川渡しだったという噺をして、雨乞いの家系のネタに。SWAでやった時はイグレシアスが山から落ちてゆくシーンがあったのが今回は省略。落ちてゆくシーンを視線で表現するところをまた観たかったのに残念。

昇太、「崇徳院」。八っあんが、上野の清水寺の茶屋のお菓子が好きというのが普通の演じ方だが、昇太は、茶屋の娘がおもしろくて好きという。また、短冊にお嬢さんが崇徳院の短歌の上の句を書いて渡すのでなく、桜の木に結んであった崇徳院の歌を書いた短冊がヒラヒラと落ちてきたのをお嬢さんが拾って若旦那に渡していた。歌を短冊に書くのはお嬢さんの性格からすると積極的に過ぎると思うので、こちらの方がリアリティがある。八っつぁんが、お嬢さんが、消え入る声で言ったせりふを「アリババ40人の盗賊」と聞き違えるところとか、この歌を聴いて、「やっぱり呪文だ。」というところとか、住んでいる三軒長屋をもらったら家賃が遅れた時に自分が自分に言い訳をすることになる、とかオリジナルと思しきクスグリも満載。

終演後は、梅ヶ丘の美登利寿司本店で食事。驚異的な安さの美登利寿司で2人で18000円も食べた。おなかいっぱいで大満足の日曜日だった。

第19回YEBIS亭

2007/3/31 土 第19回YEBIS亭  恵比寿ガーデンプレイス/ザガーデンルーム

初花・王楽      なぞかけコーナー
喬太郎・白鳥        オープニングコント
柳家喬太郎    「東京タワーラブストーリー」
喬太郎・白鳥・上妻宏光・まあくまさこ  トーク
中入り
三遊亭白鳥    「たちきり」

初花・王楽のなぞかけコーナーは、会場からお題もらってやったのだが、不発。お題には「さくら」といういかにもこの季節のものもあったのだから、もうちょっとなんとかならないか。

喬太郎、「東京タワーラブストーリー」。落語協会が一般公募した新作落語台本の中の一本。喬太郎らしくキチッとまとめる。

まあくまさこの仕切るトークは相変わらず、「そういう白鳥さんなんですけど」と強引に話をまとめて進めてゆく。まあくまさこは、白鳥に匹敵するマイペースな人のようである。ここでも、なぞかけコーナーがあったが喬太郎、白鳥は、会場からのお題にもうまく対応していた。

白鳥、「たちきり」。噺の舞台を白鳥の出身地の新潟県の上越に移し、小糸は青森出身という設定。終末近くの三味線が鳴るシーンは上妻宏光の津軽三味線の演奏付き。白鳥が珍しく元の噺をほとんど壊さずにしんみりと演じた。前回のイイノホールといい、今回といい、白鳥の噺で、以前はしょっちゅうだった言い間違いや、噛んだりが出なかった。このところ、ちゃんと稽古をして高座に上がっているようだ。上妻宏光の三味線もすばらしく、これがナマで聴けたのもラッキーだった。

終演後は、恵比寿駅前の鉄板焼の「芯」で、色んな焼き物を。美味。

2007年3月24日 (土)

第53回 「春らんまん 福袋」

2007/3/21 水 第53回 「春らんまん 福袋」  池袋演芸場

柳家ろべえ     「浮世床」
春風亭朝也     「片棒」
桂笑生        「小田原相撲」
中入り
三遊亭天どん    「千早ぶるー」
古今亭志ん公    「花見の仇討」

ろべえ、「浮世床」。マクラでろべえの名前の由来。師匠の喜多八は、東海道膝栗毛からとったものなので、弥次郎兵衛にしようとしたが半人前なので、「ろべえ」となったとのこと。

朝也(チョーヤ)、「片棒」。新真打ちの柳朝の弟弟子。

笑生、「小田原相撲」。ズボンのチャックの小咄。ネタは谷風や雷電が登場するもの。

天どん、「千早ぶるー」。千早ぶる・・・の歌のデタラメな解釈部分を天どん流に改作したもの。これはよいアイデア。タイトルの「千早ぶるー」は実は「千早ブルー」。

志ん公、「花見の仇討」。声が大きくハリがある。発声も明瞭。

客席はほぼ満席。しかし、客席は終始、重くてあまり沸かない。ぼくもあまり笑えなかった。つい先日の深夜寄席とは全く対照的。客は笑いに来ていて、噺家は笑わそうとするのに、うまくかみあわない。まあ、こんな日もあるさ。

2007年3月18日 (日)

菊朗、大爆発

2007/3/17 土 深夜寄席(3月第3週) 新真打卒業公演 末広亭

柳家喬之助      「寄合酒」
五街道佐助      「火焔太鼓」
柳家太助       「廓火事」
古今亭菊朗      「湯屋番 ときどき鈴ヶ森」
春風亭朝之助     「鹿政談」

まもなく、新真打ちとなる5名の「二つ目」卒業公演。21時すぎに行くと長蛇の列。超満員となった。これで、「卒業公演」は、福袋演芸場、鈴本早朝寄席に続き3回目。それぞれの新真打ちの特徴がつかめた気がする。

喬之助、「寄合酒」を丁寧に。喬之助は、真面目で誠実な人柄であるように感じられた。

佐助、「火焔太鼓」。道具屋を軽妙に演じていた。貞吉が太鼓をはたく時の動きや、演り方がオリジナルだったのではないかと思う。お屋敷に呼ばれた時のおかみさんの脅し方も面白かった。やはり、五助の落語の技術は優れている。

太助、「廓火事」。高座で寝そべったところが昇太の、また、噺の中に、前に出た人のネタを取り込んだ(「火焔太鼓、買ってこい」)ところが喬太郎の影響を感じた。太助からはミョーなフラを感じる。

菊朗、「湯屋番、ときどき鈴ヶ森」。3/21からの新真打披露興行のチラシを着物の胸に貼り付けて登場。

今日の深夜寄席は、インターネット落語用に収録されているが、事前にネタ出しを求められ、司会の三之助、ぼたんの演目紹介が先に収録されているとのこと。菊朗が事前に出したネタは「鈴ヶ森」なのだが、高座に上がってみたら「鈴ヶ森」ではなく別の噺がしたくなったという。ここで会場からは大きな拍手があったことにも励まされ、「噺の中に鈴ヶ森という言葉を入れればいいや」、と「湯屋番」へ。

若旦那は、幇間のようなしゃべり方をする若旦那。男風呂の中にいる2人の男の会話を聞いてみると、鈴ヶ森での追いはぎの相談をしており、「鈴ヶ森」の中の一節をひとくさり。

客席は大受けに受けた。菊朗のこのセンスはすばらしい。

朝之助、「鹿政談」。菊朗の大受けのあとで始めはやりにくそうだった。金正日のジョークをやって受けていたが、ソ連のブレジネフ書記長にかかるジョークを金正日に変えただけのもの。端正な落語。真面目な好青年。

今日は、菊朗の日であった。菊朗は、これまで、「二つ目」の会だけでなく、夕刊フジ主催の会でも観て、数回みているが、これまではちょっとやんちゃな印象はあったが普通だった。今日は、今までとは比較にならないおもしろさだった。こういうことがあるのでライブ通いは止められない。

2007年3月17日 (土)

月例 三三独演

2007/3/14 水 月例 三三独演 内幸町ホール

柳家三三      「転失気」
柳家生ねん     「一目あがり」
柳家三三      「花見の仇討」
中入り
柳家三三      「ろくろ首」

三月のこの時期は仕事がピーク。それなのに月曜日の白鳥・喬太郎二人会と水曜日のこの会とウィークデイに2つも落語会のスケジュールを入れたのは無謀であった。以後気をつけよう。

女性客の割合が高い。昇太と比べるとやや年齢層が高い。正統派のじじくさい芸をみせる三三になぜ女性ファンが多いのかは疑問。

当初は「一目あがり」をやるつもりだったが、昔のこの会でやったことがあるのを想い出したので「転失気」に変更。このネタは前座がよくやるネタ。三三がやるとさすがに違う。実力のある人が前座ネタをやるのを聞くのはよいものだ。

生ねん、「一目あがり」。三三の代わりに、座布団返しの生ねんが演じた。まあまあ聞けた。

三三、「花見の仇討」。寄席では、花見の噺は、正月の初席が終わればシーズンインとなるとのこと。六部がおじさんにつかまって酒を飲むあたりでは少しダレた。

三三、「ろくろ首」。主人公の松公のキャラは単にバカなのではなく、甘えた料簡をもつどうしようもないヤツというのがよく表現されていた。

三遊亭白鳥 柳家喬太郎 二人会 デンジャラス&ミステリアス

2007/3/12 月 三遊亭白鳥 柳家喬太郎 二人会 デンジャラス&ミステリアス イイノホール

白鳥・喬太郎    トーク
柳家喬太郎     「蝦蟇の油」
三遊亭白鳥     「給水塔の幽霊」
中入り
三遊亭白鳥     「与太郎カーナビ」
柳家喬太郎     「竹の水仙」

喬太郎・白鳥のトーク。白鳥の師匠の円丈が最近、古典をやっているのは「円生を継ぐ布石、目の上のたんこぶも引退したし・・・・」

喬太郎、「蝦蟇の油」。四六の蝦蟇のシロクを言うのに、花緑でも志らくでもない四六ですと言っていたのには笑えた。

白鳥、「給水塔の幽霊」。このネタを聞くのは2度め。ずいぶん滑らかになっていた。

白鳥、「与太郎カーナビ」。2月のSWAで聞いたばかり。こちらもずいぶん、滑らかになっていた。ガンガン受けるので白鳥は気持ちよさそうにやっていた。

喬太郎、「竹の水仙」。噺の舞台は、鳴海宿のおおまつ屋。鳴海はぼくの実家のある所。おかみさんが、顔をピクピクさせて凄むところや、宿役人が前屈みになって「すいません、この人悪くないんです。」というシーンは最高。本日の一番。

2007年3月12日 (月)

鈴本早朝寄席(3月第2週)

2007/3/11 日 鈴本早朝寄席  鈴本演芸場

柳家太助     「千早ぶる」
五街道佐助    「締め込み」
柳家喬之助    「長短」
春風亭朝之助   「真田小僧」

3/21に真打ち昇進する4人の早朝寄席の卒業公演。先月、池袋の福袋演芸場での卒業公演では、開演30分前に行って立ち見になったので今日は1時間前に行く。すでに5-6人並んでいた。開場前に、朝之助さん、喬之助さんと本日は出演しない栄助さんが私服のまま、入場者に渡すちらしをセットする作業をしていた。着物を着ていないと一般人にしか見えない。

太助、「千早ぶる」。無気力すもうは問題だが、無気力落語は力が抜けていて良いと言われることがある、というマクラからネタへ。終末付近で、千早が井戸に飛び込んだくだりでは、「一丁、二丁・・・」と豆腐の数を勘定。そして地に戻って曰く、「このまんま、お菊の皿に入るのかと思いました。」 とにかく随所で笑えた。本日の一番。

佐助、「締め込み」。オチまでやらなかったせいか、「間抜け泥」の一席でございました、と言って頭を下げて引っ込んでいた。間の取り方や演じ分け方等、話芸の技術ではこの人が新真打ちの5名で一番うまいように思う。

喬之助、「長短」。喬之助の早朝寄席への初出演は、当日の朝6時半に三太楼(遊雀)から電話で代演を頼まれてやったもの、という思い出話。ネタは長の方が、以前誰かがやったのと比較して短かった。

朝之助、「真田小僧」。金坊が、からだを半分かくして立っているのを、「古葉監督」みたいと評するいうくすぐりを入れていた。ぼくには面白かったが広島カープの古葉監督は古すぎないか?

新真打ちの前途を祈る。

別キャラ亭

2007/2/17 日 別キャラ亭 劇小劇場 16時からの部

SWAメンバープラス二楽が、別のキャラに扮して落語から題材をとった宴会芸のようなものを次々に披露する会。

たとえば以下のような次第。

白鳥が、チベットの僧の扮装をして魚の名前の由来を話す魚根問いをやり、会場から「うなぎ」を問われ、「これは古典落語にあります。うなぎはもとはニョロといいいまして・・・(絶句)。忘れてしまいました。勉強し直して参ります。」と頭を下げて引っ込む。

楽しい時間を過ごすことができた。

2007年2月26日 (月)

春風亭昇太 「春に歌えば」

2007/2/24 土 春風亭昇太 「春に歌えば」(夜の部) 「劇」小劇場

春風亭昇太   歌 「バスストップ」~舞台上でディナージャケットから着物に着替え
春風亭昇太   落語 「松竹梅」
春風亭柳好   歌 「有楽町で会いましょう」
春風亭昇太   落語 「愛犬チャッピー」
国本武春    浪曲 「(仮)巌流島の戦い」
春風亭昇太   落語 「愛宕山」
春風亭柳好   歌、 題名不詳
中入り
ポカスカジャン  ロッキー、アフリカの大伴家持、津軽弁のボサノバ、永六輔、フラメンコ等
昇太、武春   歌、昇太(アメリカの大正琴?)、武春(三味線)

開演前に、割烹「あきつ」で、からすみ、白子ポン酢、若竹煮、鯨のハリハリ煮、蕗の薹のてんぷら等で熱燗をやる。大変に美味。

昇太、「松竹梅」。松公が「じゃになった」というところが、とても不思議なリズムと音階で記憶に残った。

昇太、「愛犬チャッピー」。やっと初めて聴けた。面白い。やはりこれは、昇太の代表作である。ぼくは、「吉田さんの携帯」、「ときそば」とこの「愛犬チャッピー」が、昇太のベストスリーであると思う。

国春、「(仮)、巌流島の戦い」は、楽しく聴けた。

昇太、「愛宕山」。江戸落語でこの噺を観るのは初めて。上方では芸妓のビラビラのついたかんざしが揺れる様子を扇子を使って表現する等、やたらと賑やかな演出をするが、昇太の演出は醤油味でさっぱりと。

ポンスカジャンを初めて観た。3人とも芸達者でものすごく楽しいショウだった。ポカスカジャンがメインの会があればぜひ行きたい。

テーマの「春に歌えば」にちなみ、落語より歌がメインみたいな会だったがとても楽しかった。柳好さんを初めてナマでみて変なオーラも感じることができたし大満足。

2007年2月24日 (土)

SWAリニューアル

2007/2/22 木 SWAリニューアル 「劇」小劇場

全員          「若者たち」の替え歌
柳家喬太郎      路地裏の伝説
神田山陽       シマフクロウの城
春風亭昇太      空に願いを
三遊亭白鳥      江戸前カーナビ
林家彦いち      掛け声指南

4日連続公演の最終日。堀井憲一郎氏、夢枕獏氏の顔もみえた。それにしても女性客の割合が落語会としては異常に高い。中入りなし。

喬太郎、「路地裏の伝説」。子供のころにはやった、「風邪引くなおじさん」を巡る都市伝説の思い出話をしていたら意外な真相が判るという噺。

山陽、「シマフクロウの城」。廃校寸前の先生と生徒が1名ずつの山奥の学校に転校生がやってきて・・・。独特な山陽の語り口にピッタリの噺。

昇太、「空に願いを」。主人公の雨宮降り太が、運動会に雨を降らせるためにイグレシアス爺さんと雨乞いをする噺。龍神様の社にゆくために山を登るシーンでイグレシアス爺さんが落ちてゆくところを視線の動きでうまく表現していた。

白鳥、「江戸前カーナビ」。4000円で買った中古のスバルに、性格が与太郎なナビ太郎というカーナビがついていて・・・。帯を小道具に使った表現には大爆笑。

彦いち、「掛け声指南」。去年の8月に聞いたときと比べてすっきりと判りやすくなっていた。

4日目ということもあり、みんな滑らかにやっていた。演者に余裕がありすぎて、いつもSWAで感じる失敗するかもしれないというドキドキ感には欠けた。

2007年2月14日 (水)

柳家喬太郎独演会~「もったいない愛」

2007/2/14 水 柳家喬太郎独演会~「もったいない愛」 なかのZERO小ホール

柳家喬之助     「徳ちゃん」
柳家喬太郎     「転宅」
中入り
ペーソス       ミニライブ
柳家喬太郎     「鬼背参り」

19時半開演なので少し時間があったので「青葉」でつけ麺を食べる。つけ麺は、麹町の「二代目つじ田」の方が好みと食べてから判る。今日のお囃子は恩田えりさん。今日は前座を呼んでないので、喬之助の出囃子の時の太鼓は喬太郎が叩いていたとのこと。

喬之助、「徳ちゃん」。初めて聴く廓噺。そつなくきちんとやるが何かが足りない。

喬太郎、「転宅」。さんぼうのマクラから、古典の小咄をふたつやってからネタに入る。どろぼうの、間抜けで純情なところと、お妾さんのしたたかさがよく描写されていた。本日の一番。

ペーソス、今日は全部新曲だったようだが、前回の歌と同じような雰囲気。不思議なおかしさがある。

喬太郎、「鬼背参り」。2006/9のSWAでやった夢枕獏原作の怪談。去年より練られていたようで惹き付けられた。

19時半開演で21時半ころ終了する短い会だったが、濃い内容の会で満足。

2007年2月13日 (火)

福袋演芸場 2007新真打・卒業公演

2007/2/12 月 福袋演芸場 2007新真打・卒業公演 池袋演芸場 

柳家喬之助     「三人無筆」
春風亭朝之助    「寝床」
古今亭菊朗     「調合」
五街道佐助     「夢金」

混雑を予想して開演30分前に行ったが、すでに満席で立ち見になってしまった。客数は169名だったとのこと。

喬之助、「三人無筆」。そつなくこなす。

朝之助、「寝床」。マクラで故柳朝師匠が持ち時間5分で「饅頭怖い」をやった噺。柳朝師匠は、いきなり「おめえはいったい何がこわいんだよ?」「まんじゅう」とやったと紹介し、短縮版の「寝床」に。ぼくの好きな提灯屋だの、豆腐屋だのの義太夫の会に来られない言い訳のところが省略されてしまいもの足らなかった。残念。時間がないなら「寝床」でなく短い噺をかけて欲しかった。

菊朗、「調合」。初めて聞く噺だが、ネタだしで題名が判っていたので、オチがかなり早い段階で判ってしまった。まずまずだが、講釈が長く続き、聞いていてダレた。

佐助、「夢金」。しっかり聞かせてくれた。もうすぐ真打ちに昇進するとはいえ、まだ二ツ目でこれだけできるとは。本日の一番。

2007年2月 4日 (日)

柳家喬太郎独演会~前座噺特集(2)

2007/2/2 金 柳家喬太郎独演会~前座噺特集(2) 横浜にぎわい座

柳家喬太郎   「寿限無」
柳家小ぞう    「掘之内」
柳家喬太郎   「子ほめ」
中入り
柳亭左龍     「百川」
柳家喬太郎   「松竹梅」

バーミヤンで、餃子2人前、麻婆豆腐、ビールを掻き込んで駆け込む。このごろ餃子ばかり食べている。チケットを直接、「にぎわい座」で買わず、「ぴあ」で買ったため、にぎわい座のポイントがゲットできなかった。

喬太郎、「寿限無」。マクラは弟弟子の紹介。ネタは最初、寿限無をやりそうだと思ったら、噺の流れはいったん子ほめに変わった。その後、再度、寿限無にもどった。噺は、コブがひっこんでも終わらず。大きくなった寿限無の名刺はB5版だった。寿限無が子供に名前をつけて終わり。噺を延ばした割に展開は今ひとつ。

小ぞう、「掘之内」。前座でこの噺がこれだけできれば上出来。

喬太郎、「子ほめ」。熊さんが名前をご隠居につけてもらって帰ったすぐあと、八っつぁんが、タダの酒を飲みにご隠居さんを訪ねたという設定。ほめ方を教わって、通りに出て通る人を褒めようとして声をかけた相手が「掘之内」の主人公で、お祖師さまへの道順を尋ねられてしまったというところは、いかにも喬太郎。この噺も、普通に終わらず、「タケの子は、生まれながらに重ね着て」という祝いの上の句に、八っあんが「育つにつれて、裸にぞなる。」という縁起の悪い下の句をつけて、下げた。

左龍、「百川」。田舎者の演じ方が可笑しくて、たぶん、今まで5~6席、聞いた左龍の噺の中でベスト。早とちりの魚河岸の初五郎の口調もそれらしく聞こえて良かった。独演会で、ぼくは、目当ての噺家の弟子や弟弟子が出てくるのには抵抗を感じるが、今日の左龍くらいに聞かせてくれれば文句はない。

喬太郎、「松竹梅」。ご隠居に手紙を読んでもらいに3人が来たところから始まる。これもウメさんの「亡者になった」で下げず、ご隠居に報告に行ったところが変わっていた。ご隠居は、3人が来た後、雨具の断り方(「道灌」)や首長鳥がつるになった由来(「つる」)を教えたので疲れたと言っていた。確かに前座噺はご隠居さんに何かを教えてもらう噺が多い。

終了は21時47分であった。都内の会ならまだしも、横浜から東京まで帰るのは辛いが金曜日なので良しとする。

2007年2月 3日 (土)

第21回 東西落語研鑽会

2007/1/31 水 第21回 東西落語研鑽会 よみうりホール

桂かい枝       「堪忍袋」
春風亭昇太      「お見立て」
笑福亭鶴光      「袈裟御前」
中入り
春風亭小朝      「七段目」
桂三枝         「誕生日」

開演前にチャオチャオ餃子であわただしく定食を掻き込んで会場へ。

かい枝、「堪忍袋」。マクラで、まず振り込め詐欺の話題で簡単に騙される人が多いという話をしてから、携帯電話の注意等の事務連絡。今日は今年最初の研鑽会なので抽選で手ぬぐいが当たるという話。パンフレットの間に緑のカードが入っている人が当選と言って、みんなにパンフをチェックさせてから、「ほーら、みんな簡単に騙される。」って、それは反則攻撃だろっ。反則技ながら関西の噺家らしい強いインパクトあり。ネタは「堪忍袋」。メリハリが効いた良い高座。

昇太、「お見立て」。入院のくだりは、喜瀬川とキスケの会話の中だけで、「お見舞いにゆく」という話になるのでボツにしていた。今日は、ぼくが昇太に対して持っている期待レベルには達しなかった。

鶴光、「袈裟御前」。高尾山神護寺を再興した文覚上人の噺。あいかわらず、独自のギャグ(ex.暗闇にライス国務長官)を満載にしながらの名調子。ぼくは鶴光では地噺しか聞いたことがないような気がする。ベタだけど心地良いところがある。

小朝、「七段目」。勘三郎が勘九郎と云っていた時代に聞いたという芸談をマクラに。このマクラは20年以上前のテープと同じマクラである。ある意味、感心する。ネタの演出も、細かいところは別にして昔のテープと同じ。でも、とても楽しく聞けた。本日の一番。

三枝、「誕生日」。おじいさんの米寿のお祝いに、長男が一族を集めパーティをする噺。昨年、ぼくは、父の喜寿のお祝いで一族のお祝いの会を開催したので身につまされた。噺のオチが気に入った。

2007年1月13日 (土)

第4回 朝日いつかは名人会

2007/1/12 金 第4回 朝日いつかは名人会 浜離宮朝日ホール

立川こはる      「道灌」
立川志ら乃      「崇徳院」
立川笑志       「寝床」
中入り
談春/笑志/志ら乃 トーク
立川談春       「紺屋高尾」

こはる、「道灌」。推定身長150㎝、推定体重40㎏。とてもちっちゃくて若く、見た感じは高校1年生くらい。初高座。立川流も、柳家なので最初は「道灌」を習うのか?初高座ならば上出来。

志ら乃、「崇徳院」。志ら乃は、なんとなく日本テレビの羽鳥アナに似ている気がする。崇徳院の歌に「短っけぃドドイツですね。」、「都々逸じゃないよ。」「じゃあララフランスですかぃ?」というやりとりには笑えた。また、熊さんが、中間報告に行った時の大旦那がエキセントリックで良かった。キャリア10年とのことだがとても良い噺家だと思う。

笑志、「寝床」。笑志は初見。マクラで、バラバラ殺人事件の噺。「ワインの瓶で殴ったところがセレブ。これが一升瓶ならば黄桜ゴン。」不二家の期限切れ牛乳を原料にしていた噺。「幹部がペコペコしていた。ニュースではペコちゃんばかりが映っていた。ポコちゃんはどうしたんでしょうね。まさかポコちゃんはペコちゃんにバラバラにされていたりしていて・・・・。」と最新のニュースを自在に料理。「寝床」は、長屋の人が事前に旦那に義太夫の演目を聞きに行くシーンがあり、このシーンは初めてだった。笑志は、歌舞音曲がヘタらしく、談志が立川流の真打ちとして認めないが、十分、真打ちの実力を持つと思う。

談春、「紺屋高尾」。いきなり、「I Love You. を、あなたとならば死んでもいい、と二葉亭四迷が訳した、そんなころのお噺です。」といってネタに入った。紺屋の親方のおかみさんがふてぶてしい、しぶとそうなキャラで良かった。

志ら乃、笑志は、「二ツ目」としては、トップレベル。満足できる会であった。

2007年1月 9日 (火)

志の輔らくごin PARCO 2007

2007/1/8  祝 志の輔らくごin PARCO 2007 パルコ劇場

立川志の輔    「七福神の新年会」
立川志の輔    「メルシーひな祭り」
中入り
立川志の輔    「中村仲蔵」

落語ライブ初体験の友人を連れてパルコ劇場へ。パルコ劇場の志の輔の会を観るのはぼくも初めてである。この会では、前座を使わず落語をするのは志の輔だけと決めているとのこと。

「七福神の新年会」、新年会でやる隠し芸に悩むサラリーマンに七福神が隠し芸を教える噺。ロープを使ったマジックやスカーフを使ったジャグリングを志の輔が見せる色物的要素が含まれていた。楽しかった。

「メルシーひな祭り」、フランス人に、ひな祭りをみせて喜ばせようとする成田空港の近くの「歴史はあるが未来はない」町の住民たちの噺。町内会長のフランス人を喜ばせようとする暖かい心根が心地良く、また志の輔が表現する町内会長のキャラがよかった。

「中村仲蔵」、約1時間、噺に完全に引きこまれた。志の輔の技術は凄い。

チケット代5500円は、今までの落語会で一番高かったが、目を楽しませてくれるショーアップされた趣向もあり大満足。落語初体験の友人にも喜んでもらえた。2007年はよい高座からスタートできた。幸先よし。

2007年1月 7日 (日)

2006年下半期 記憶に残った高座

新年になってしまったが2006年下半期の記憶に残った高座を記載したい。

7/16 小春團治「さわやか侍」 大銀座落語祭 十字屋ホール

7/19 鯉昇   「船徳」 TBS落語研究会 国立劇場小劇場

7/22 福笑   「浪曲やくざ」 福笑独演会 シアターχ

8/2  円丈   「悲しみは埼玉に向けて」 8月上席夜の部 新宿末廣亭

8/5  染丸   「うかれの屑より」 林家染丸一門会 昼の部 横浜にぎわい座

8/20 白鳥   「明日に向かって開け」 SWAクリエイティブツアー 明治安田生命ホール

9/8  坊枝   「船弁慶」 五代目文枝追善公演 イイノホール

9/9  志ん輔  「唐茄子屋政談」 気軽に志ん輔 お江戸日本橋亭

9/16 喬太郎  「死神」 丸善丸の内寄席 丸善丸の内本店

10/9 花丸    「幸助餅」 花のお江戸に出没!ラクゴリラ お江戸日本橋亭

11/1 小三治  「道具屋」 柳家小三治独演会 鈴本演芸場

11/21 小米朝  「フィガロの結婚」 銀座らくごアーベント第2夜 銀座みゆき館劇場

12/26 昇太   「吉田さんの携帯」 SWA大辞典 明治安田生命ホール

12/27 あやめ  「落語男」 できちゃった落語 in Tokyo 「劇」小劇場

2007年も良い高座に巡り会えますように。

2006年12月29日 (金)

できちゃったらくご in Tokyo

2006/12/27  できちゃったらくご in Tokyo  下北沢 「劇」小劇場

出演者全員        前説
旭堂南湖          「波照間島」
桂あやめ          「落語男」
桂三金            「奥野君の結婚式」
桂遊方           「ゴーイング見合いウェイ」
中入り
笑福亭たま         「Myselves」
桂三風           「待つわ」
出演者(南湖以外)    後説、(たま、ショート落語のリベンジをして受けず拗ねる)

前日のSWAでもらったチラシで、この会があることを知り、下北沢へ。

出演者は全員が今回初見である。「できちゃったらくご」は、上方落語の情報収集に利用させてもらっている山葵さんのブログで存在を知り、いつかは行ってみたいと思っていた会である。

久しぶりに来た下北沢は、活気に満ち、冬だというのにストリートミュージシャンが、そこここで声をはりあげている。会場は100人くらいのキャパで、客は20人強といったところ。

南湖「波照間島」。いわゆる講談調の語りはなく、ネタは漫談風に。

あやめ、「落語男」。「電車男」の落語版パスティーシュ。落語会で酔っ払いをうまく退場させた青年がネット掲示板上で、落語家入門志望を明らかにしてみんなに励まされる噺。でてくるキャラでは、なぞかけをやって「サイナラー」と去ってゆくおっさんに惹かれた。もの凄く面白かった。本日の一番。

三金、「奥野君の結婚式」。三金は独身であるが、想像上の自身の結婚披露宴をネタに。途中で、披露宴の余興としてバルーンアートの実演を披露。

遊方、「ゴーイング見合いウェイ」。会社の掃除のおばちゃんが、見合いを勧める噺。

たま、「Myselves」。キティちゃん柄の着物。マクラでショート落語。すべる。ネタは、20歳ニートの男の前に10年後の自分、20年後の自分・・・という風に次々に未来の自分や、過去の自分が登場する。昇太が作りそうなストーリーである。本日の二番。

三風、「待つわ」。都会に行った息子が、婚約者を連れて農業をするために田舎に帰る噺。

十分満足できる会だったが客の入りは寂しかった。

これは、事前告知の不十分さによるところもある。チラシも前日のSWAでしか見なかったし、電子チケットピアにも出てなかった。

また、会場が下北沢というのは、交通の便は悪くないが都心からはずれるため、心理的な距離が遠く、平日の夜に足を運ぶのには躊躇する。日程も二日間の興行だったが、SWAの二日間の興行と重なってしまった。これだけの悪条件で20人強の集客はむしろ立派というべきかもしれぬ。

これに懲りず、ぜひ、また東京で「できちゃったらくご」を開催して欲しい。

2006年12月 9日 (土)

夕刊フジ平成特選寄席

2006/12/08 金 夕刊フジ平成特選寄席 赤坂区民センター

立川志らべ       「持参金」
古今亭菊之丞     「元犬」
立川志らく        「天災」
中入り
立川志ら乃       「火焔太鼓」
柳家喬太郎       「うどん屋」

志らべ、「持参金」。前座としては上出来。

菊之丞、「元犬」。菊之丞は、老成した雰囲気。見た目はどこか、上方の花丸に似ている。落ち着いた高座。

志らく、「天災」。相変わらず、高い声ですごい早口。「天災」は、八五郎が前半で習い覚えたことを、後半で無理矢理に他人にやってみせる。この噺の構造は「道灌」、「青菜」と同じ構造。実は、ぼくは、志らくの声の高さと、テンポの早さに馴染めなさをこれまで感じていたのだが、今日はうまく噺にのれた。八五郎の狂躁的な様子が猛烈に早い志らくのテンポによくマッチしていた。もしかして、ぼくも、志らくの「八五郎ネタ」ならうまく聴けるかもしれない。

志ら乃、「火焔太鼓」。噺のマクラで、現在出演中の国立演芸場の楽屋で、志ら乃がみなにジェームズと呼ばれている噺を紹介し、ネタの中でなぜ、彼がジェームズと呼ばれているかのタネ明かし。

「300金とは、どのような300金で?」「小判だ」「ジェームズ?」という、俳優のジェームズ・コバーンにひっかけたシャレを志ら乃がネタの中でやっているためにジェームズと呼ばれていると判る。映画俳優が出てくるシャレを言うところが志らくの弟子と感じさせる。

太鼓をお屋敷にもっていこうとする主人に対して、おかみさんが、よくない想像をするシーンがおもしろかった。特に、主人が煙り玉を使って姿を眩まそうとしているのに、おかみさんが煙を吸ってしまうところ。

喬太郎、「うどん屋」。喬太郎のこのネタは先月聴いたばかかり。前回より季節が寒くなっていることを反映してか、冬の夜の表現がやや大げさになっており、より冬の寒さを感じさせた。

本日の一番は、志ら乃。

2006年11月30日 (木)

にっかん飛切落語界 第308夜

2006/11/29 水 にっかん飛切落語界 第308夜 イイノホール

三笑亭?        「道灌」
古今亭志ん太     「きゃいのう」
林家たい平       「二番煎じ」
桂歌丸          「井戸の茶碗」
中入り
桂快治          「笠碁」
立川志の輔       「ディアファミリー」

開口一番、「道灌」。名前は聞き取れなかったが、「道灌」は口調もハキハキと良い出来だった。

志ん太、「きゃいのう」。マクラで、きくおの5人抜きの真打ち昇進で抜かれるうちのひとりが自分であることを紹介する自虐ギャグ。きくおの昇進が芸の力ではないことが誰がみても明らかなのでギャグにもしやすい。ネタは初めて聴くネタ。志ん太の声はアニメの声優のよう。

たい平、「二番煎じ」。冒頭、客席から「一番だけでも歌って。」という声が飛ぶ。それに対し、「大変、伝統のある落語会なんで、そんなことをしたら楽屋で何を言われるか判らない。」。ネタの終盤の猪鍋を食べた侍が何のダシか尋ねられ、やむなく「フンドシ」と答えたら、「本だしか」と侍が納得するシーンは判っていても笑えた。

歌丸、「井戸の茶碗」。歌丸らしい名調子で語る。

快治、「笠碁」。ふたりの男を表情豊かに演じる。おもしろかった。この人の別のネタを聴くのが楽しみ。

志の輔、「ディアファミリー」。このネタは、先日、東西落語研鑽会聴いたばかりだが随所で笑えた。さすがに志の輔である。

本日の一番は、志の輔だが快治、「笠碁」が聴けたのは収穫だった。「きゃいのう」も初めて聴けたし、満足な会であった。

2006年11月23日 (木)

第2回 落語 東へ西へ

2006/11/23 木 第2回 落語 東へ西へ 赤坂区民センター

桂 吉坊   「宿屋町」
内海英華   女道楽
桂春団治   「高尾」
中入り
古今亭志ん公 「湯屋番」
ニューマリオネット  操り人形
古今亭志ん輔 「お直し」

吉坊、「宿屋町」。マクラで米朝一門約10名が新大阪駅で、新幹線を待つ間、米朝のおごりでみんながソフトクリームを舐めていたら、ヤクザに「なめとったらあかんぞ」と言われた、とのこと。ソフトクリームを食べるところまでは実話か?それとも最初から全部ネタか?

英華、女道楽。3度目だが過去2回とは違うネタ。声が高く、語尾の調子が可愛らしい。最後のタヌキという歌は長すぎ。

春団治、「高尾」。初めて聴く噺。たぶん江戸落語の「反魂香」と同じ噺。といっても、ぼくは江戸の「反魂香」も聴いたことがない。いつものふんわりとした雰囲気で。

上方勢は、ぼくが最も大阪らしいと思っている「押しまくる技」の人は今回はおらず、東京で受け入れられやすい人が選ばれたか?

志ん公、「湯屋番」。歯切れ良く、聴き取りやすい。番台から落ちてはい上がってゆくところまでで、客の下駄がなくなってしまう件はなし。

志ん輔、「お直し」。マクラで、冷やかしも三年たてばマブのうち、という川柳を紹介。各登場人物が表情豊かに演じられ堪能。本日の一番。

2006年11月19日 (日)

第18回YEBIS亭

2006/11/18 土 第18回YEBIS亭 恵比寿ガーデンプレイス/ザ・ガーデンルーム

初花・喬之進              前説・小咄

【歌謡ショー】
柳家喬太郎               東京ホテトル音頭   
林家たい平               芝浜ゆらゆら
デーモン木暮閣下             ?

林家たい平               「SHIBAHAMA」
まさこ・喬太郎・たい平・デーモン  トークショー
中入り
柳家喬太郎               「うどん屋」

ランチは、赤坂7丁目のイタリアンのラ・スコリエーラで小皿料理7品、パスタ、ワイン。小皿料理がどれもすごくおいしかった。

たい平、「SHIBAHAMA」。「芝浜」の粗筋紹介から「SHIBAHAMA」へ。クリスマスのネタをやるつもりだったが、今、直前にデーモン閣下のファンはクリスマスが嫌いと聞いてネタを替えたとのこと。このネタを聴くのは、この半年で3回め。ストーリーもよく練れていて、口演もうまいと思う。しかしながら、CDを出した歌、「芝浜ゆらゆら」といい、このネタをしょっちゅうかけていることといい、たい平は「二枚目」の線の出し過ぎが鼻につく感じがする。

トークショーは、いつものようにデコボコと進む。後半、デーモン閣下が積極的に話しをリードするようになってからトークが円滑に転がるようになった。

喬太郎、「うどん屋」。マクラで座布団のり縫い目に関する蘊蓄。偶然にも一昨日の扇遊のマクラでの噺と一致。コロッケそばの噺からネタへ。酔っ払いの客のたちの悪さはは、志ん輔のものとくらべ控えめに感じた。喬太郎が、うどん食べる仕草は、箸でのかき回し方、すすり方で、そばではなく、うどんを食べていることが判るすばらしいものだった。サゲの直前のうどん屋の期待に満ちた表情も生き生きとしていて、サゲとの落差をうまくつけられた。

デーモン木暮閣下の歌が聴けて、いつものYEBIS亭よりもお徳な感じだった。

2006年11月18日 (土)

第20回 東西落語研鑽会

2006/11/16 木 第20回 東西落語研鑽会 よみうりホール

笑福亭銀瓶     「書割ぬすっと」
入船亭扇遊     「廓火事」
立川志の輔     「ディアファミリー」
中入り
桂小米朝       「つぼ算」
笑福亭鶴瓶     「立ち切れ線香」

一般発売日にピアの窓口まで行きチケット入手。苦労したが、東西落語研鑽会に初参加。一度、参加すると次回の先行予約ができる仕組みになっており、翌日に次回2007/1/31の開催分チケットが簡単にゲットできた。

座席は、堀井憲一郎さんの斜めうしろ。堀井さんは、さかんにノートに何やらメモをとっていた。

銀瓶、「書割ぬすっと」。銀瓶が開口一番とはやはりこの会は顔付けが豪華。壁に描かれたタンスを泥棒がさわるところをパントマイムで表現していたのは良い工夫。泥棒が槍でさされて倒れて「死んだつもり、おわりでございます。」と切っていた。「だくだくっと、血がでたつもり。」で終わるのに慣れているので妙な感じ。

扇遊、「厩火事」。まくらで、座布団についての蘊蓄。座布団の四辺には縫い目のない辺が一辺だけあり、そこを客席に向ける。お客との「縁の切れ目がないように」という意味がそこに込められているとのこと。まくらからネタに入るところで、離婚騒動の渦中の中村獅童、と竹内結子をタイムリーに取り上げて。ネタは口跡もリズムもよく聴かせた。

志の輔、「ディアファミリー」。マクラで高校の履修単位不足問題。最初に問題になったのが富山県の高岡南高校。富山出身の志の輔は、「富山が日本をリードしているのがめったにない」と誇らしげに語る。ネタは、題名は知っていたが初めて聴く噺。鹿の頭の置き場に困って、クリスマスのリースみたいに玄関の扉に取り付けるのが視覚的なイメージとして頭にこびりついてしまった。これまでなんとなく、ディアファミリーのディアはdearと思いこんでいたが、噺の内容からすると鹿のdeerなんだろうと判る。噺に登場する勤続30年のおとうさんのキャラはとても良い。

小米朝、「つぼ算」。マクラで米朝が、水虫の薬を目薬と間違えて目に注した噺。「つぼ算」は、ぼくは枝雀のCDで聴き込んでしまっているので、違和感が多かった。CDを聴き込んでいると、ライブでそのネタを聴いたときに比較してしまって噺の世界にうまく入れないことがよくある。

鶴瓶、「立ち切れ線香」。マクラで、昔はお茶屋さんで線香で時間を計ったことの説明。線香1本が燃え尽きるまで25分かかるとのこと。芸妓の位には、「おちょぼ」、「半玉」、「芸妓」の三段階あり、「芸妓」になってはじめて、線香で時間を計るようになるのでこれが「一本立ち」の語源となったとのこと。ネタはしみじみと。

鶴瓶の「立ち切れ」は、決して悪くはなかったが、ぼくが勝手に伝説の高座になるような期待をしていたので、期待が大きすぎた。本日のぼくの一番は、志の輔でした。

2006年11月12日 (日)

気軽に志ん輔

2006/11/12 日 気軽に志ん輔 お江戸日本橋亭

古今亭志ん八     「元犬」
古今亭朝太      「出来心」
古今亭志ん輔     「うどん屋」
中入り
古今亭志ん輔     「文七元結」

通路もなくして椅子をびっしり並べて超満員。熱気が凄く11月なのに冷房を入れていた。

志ん八、「元犬」。二つ目になりたてとのこと。坊主頭がよく似合い、大きな声でハキハキとやっていた。

朝太、「出来心」。マクラで寄席文字が隙間がないような字体で書かれているのには、客席にできるだけ隙間ができないようにという思いがこもっている、という蘊蓄をひとくさり。知らなかったので素朴に感心した。ネタは、一軒目に空き巣に入った後、下駄を忘れてきたところまでで切り、2軒目の花色木綿は省略。

志ん輔、「うどん屋」。マクラで、山本周五郎の「かあちゃん」のストーリー紹介。言いたかったのは、話の中で銀と銭の交換比率が変わることを知った息子から、「今のうちに銀を銭に替えておけば儲かる」と勧められた母親が息子に「おカネは額に汗して稼ぐものだ」と諭した話があり、それをホリエモンに言ってやりたかったということ。ネタでは、酔っぱらってロレツがまわらない様子や「なべや~きうどん」という少しダミ声の売り声、うどんの食べ方等もすばらしくってよかった。

志ん輔、「文七元結」。佐野鎚のおかみの説教、吾妻橋での長兵衛と文七とのやりとり等聴き応えがあった。吾妻橋での理屈の通った長兵衛の説得に耳を貸さない文七が理解できない。この噺は、ストーリーがあまりに不自然で好きじゃないが、志ん輔はリズムが良く聴いていて心地良かった。

志ん輔はやはり、芸の水準が凄く高い噺家であると思った。さすが志ん朝の弟子である。

2006年11月 5日 (日)

第11回 上方落語会(昼の部)

2006/11/3 金・祝 第11回 上方落語会(昼の部) 横浜にぎわい座

桂吉坊       「東の旅」
桂米左       「七段目」
笑福亭仁嬌    「天狗裁き」
桂きん枝      「不動坊」
中入り
内海英華      女道楽
桂春團治      「お玉牛」

吉坊、「東の旅」。いつもの自分の若く見える風貌の話をマクラに。見せ物は、いたち、クジャク、とったりみたり。

米左、「七段目」。歌舞伎の掛け声、「音羽屋!」がうまい。

仁嬌、「天狗裁き」。繰り返しの噺なので噺に乗り損なうとだめだが、ぼくは、うまく乗り損なった。客席の受けは悪くなかったので、演者の問題ではなく当方の問題か。

きん枝、「不動坊」。いきなり、3バカが、幽霊で脅かす相談を始めるシーンでスタート。よって、大家がリキチに結婚の件をもちかけるシーンや風呂のシーンは省略。これらの内容は、3バカの相談の中で、要領よくまとめられていた。

英華。構成は前にみたのと全く同じ。相変わらず、華やかで楽しい芸。

春團治、「お玉牛」。羽織を脱ぐ仕草に注目していたが、脱ぐというよりしゅっと後ろに落としているように見えた。ネタは独特なふんわりとした語り口で「お玉牛」。手つきがいやらしくてよかった。

2006年11月 1日 (水)

第57回 柳家小三治独演会

2006/10/31 火 第57回 柳家小三治独演会 鈴本演芸場

柳亭こみち     「やかん」
柳家禽太夫     「片棒」
柳家小三治     「長短」
中入り
柳家はん治     「ぼやき酒屋」
柳家小三治     お尋ね下さい、お答えします。
柳家紫文      三味線漫談
柳家小三治     「道具屋」

こみち、「やかん」。川中島合戦の講談はリズムよくできた。

禽太夫、「片棒」。カラクリ人形が動くところがもうひとつ物足らなかった。

小三治、「長短」。マクラで「砂山」(山田耕筰)を歌う。石井よし子のシャンソンのコンサートでなんでもいいから一曲歌えと言われたので、「砂山」を歌うと言ったら、シャンソンじゃなきゃだめだったとぼやく。ネタは、特にゆっくりの人の表現がうまく、思わず短気な人に共感してしまった。

はん治、「ぼやき酒屋」。はん治は二度目だが、二回とも「ぼやき酒屋」。せっかく新作をやっているのだから、ミニモニは何か新しいものに替えるべき。

小三治、中入りに回収した会場の質問アンケートに回答。なぜ、独演会のトリネタが「道具屋」なのか説明。4代目小さんは「道具屋」でトリをとったのでマネをするとのこと。また、なくなった元TBSプロデューサーの白井さんから、小さいネタだけで会をやったらよいという示唆を受けていたとも。

「道具屋」は客を感心させるのは難しいネタである、いずれ「道具屋」の小三治がよいと思える客になって欲しいとのこと。「向こうの家に囲いが出来たよ。」「へー」という小咄も、自分は、会話している二人の関係や、家までの距離感が客に伝わるようにやっている。また、「道灌」のご隠居と八っあんの冒頭の「誰かと思えばはっつぁんかい。」というセリフも奥から隠居が、出てきて八つぁんにじょじょに近づきながら言っているようにやっているとも。ここのところは、談春独演会での三三の「道灌」のマクラで言っていた小三治からつけてもらった稽古の話に符合する。また、「客は笑ってしまうもので、笑わせるものではない」とか芸談をたっぷり。小三治は芸人というよりアーティストという感じ。

その他は、来年で鈴本の独演会は終わりにするとか、小三治が小さんを襲名しなかった理由とか、落語界の二代目たちについてどう思っているかとか、高校の必修単位履修不足問題の話題。

紫文、いつもの「火付け盗賊改め方、長谷川平蔵が・・・」のネタ。お答えしますのコーナーで少し固くなった客席の空気を紫文が巧みにほぐしてゆく。見事なものである。

小三治、「道具屋」。確かに今まで聴いたことがないほどの「道具屋」。絶妙の間と目線の動き。すごい。

8月に池袋演芸場でみた小三治があまり良くなかったので、もうダメなのかと思っていたが、今回は別人のように、気力がみなぎり声にもハリがあった。やはりすごい噺家であったのだった。18時半開始で終わったのが22時15分。時間が長すぎて少し疲れた。

2006年10月30日 (月)

たい平・喬太郎 二人会

2006/10/29 日 林家たい平・柳家喬太郎 二人会 なかのZERO小ホール

春風亭栄助      「桃太郎DV」
柳家喬太郎      「小言幸兵衛」
中入り
鏡味正二郎      太神楽
林家たい平      「二番煎じ」

栄助、「桃太郎DV」。マクラでいつもの回転寿司屋の外人職人の小咄。前半は普通に桃太郎をやり後半は、米国の桃太郎で所々が英語になる「スプラッタ桃太郎」。「おめえも、コーナーにはおけないヤツだな」、「The Day Before Yesterday に来やがれ」とか一部分だけを英語にするクスグリ満載。期待を上回る面白さ。

喬太郎、「小言幸兵衛」。マクラでモノマネを交えた志ん馬師匠の思い出話。志ん馬を知らないのでモノマネは似ているかどうか判らず。 「小言幸兵衛」は喬太郎らしくなく普通にやった感じ。

たい平、「二番煎じ」。マクラで小金治、木久蔵の話。最近出したCDの「芝浜ゆらゆら」のジャケット写真の撮影やプロモーションビデオ撮影の話。ネタは、ふんどしが鍋の汁を吸ってしまったので、しぼって鍋へ戻すシーンや、その鍋を食べてなんの出汁か尋ねる侍にやむなく「フンドシ」と答えると、「ホンダシ」かと侍が納得する演出は初めて聴いた。この演出は秀逸。

2006年10月12日 (木)

三遊亭白鳥 柳家喬太郎 二人会 デンジャラス&ミステリアス

2006/10/11 火 三遊亭白鳥 柳家喬太郎 二人会 デンジャラス&ミステリアス イイノホール

白鳥・喬太郎        対談
三遊亭白鳥         「鬼ころ沢」
あした順子・ひろし     漫才
柳家喬太郎         「子別れ」

三度めの二人会。ぼくは皆勤賞。会場は満席。

白鳥・喬太郎、対談。今日のテーマが「コンビ」である旨を発表。昔の寄席芸人のフジマツ(三味線)・たけお(アコーディオン)の話。喬太郎は、あさって、この会場の東京落語会で小三治の前に出る予定。東京落語会のお客は今日の客と違う。曰く、「明後日はここで玉砕します。」

白鳥、「鬼ころ沢」。最初に白鳥落語のお約束として ①イキとか江戸前を求めない、②個人名、団体名はフイクションである、を説明。ネタは、「鰍沢」を骨格とした「鬼ころ沢」。たこ焼き職人の兄弟分が雪山で遭難しそうになり、一軒の家にたどりつく。そこには浅草の伝法院通りで買った緋ぢりめんのイブニングドレスを着た○○姉妹の姉の方がいた。○○姉妹の姉は、主人公のたこ焼き職人の姉弟子(ただし、整形後)であった。続きは概ね「鰍沢」に似たストーリー展開。キイワードは、「秘技、うずしお返し」。先代が明治天皇から下賜された金串で、火のついてない炭を突き刺し空中でクルクル回すと火がつくという技。相変わらずの力業を連発して会場を笑いの渦に。

順子・ひろし、漫才。あいかわらずの漫才。今日の客にはよく受けていた。

喬太郎、「子別れ」。マクラで先日、朝日名人会に出る予定だったが山形県のカワニシというところから帰京する新幹線が5時間遅れたため出られなかった話。喬太郎の「子別れ」は9月に丸善で聴いたばかり。前半の理屈っぽいくだりによるフリ(2006/9/17当ブログ参照)は今回はなかった。亀のキャラは前回より更にパワーアップしてマセガキというよりはオッサンキャラが濃くなっていた(ex.父親の八五郎に対し「どうでした?吉原は。」、「旦那、別れた女房が来ましたぜ。」等とオッサン口調で言っていた)。しばしば、父親に皮肉を言ってやりこめていた。偶然、亀に遇う場面では、ストーリーがご都合主義だと自分で突っ込んでいた。また、酒を止めたという八五郎の息を嗅いだ亀に「オッケーです。」と言わせ、地に戻り、「これは古典なのか、新作なのか。そんな境目はどうでもいい」と言い会場の拍手を受けていた。確かに、古典の「子別れ」を喬太郎の新作のやり方でやっていた感じ。最後の3分間は、完全に古典口調で本寸法の人情噺に。全体的に前回とは違うところ多く、この噺を練り上げていることを感じた。サゲは前回と同じ。

この二人会はすべて聴いているが、いつもこの会の客は、何にでも良く笑う客。ぼくは今日はうまく乗れず。もともと「子別れ」というネタが好きじゃないせいか・・・。

2006年10月11日 (水)

花のお江戸に出没!ラクゴリラ

2006/10/9 月 花のお江戸に出没!ラクゴリラ(第9回) お江戸日本橋亭

桂ひろば      「兵庫船」
桂こごろう     「向う付け」
桂つく枝      「悋気の独楽」
中入り
笑福亭生喬    「豊竹屋」
林家花丸      「幸助餅」

神宮球場の中日・ヤクルト戦とどちらにしようか少し悩むが、ラクゴリラへ。客の入りはざっと60人くらいか。

ひろば、「兵庫船」。たぶん、初見。寄席文字だと「ひろば」は一見、「むちば」と読める。マクラで、「むちば」でなく「ひろば」だと説明していた。

こごろう、「向う付け」。初見の噺家、初めて聴くネタ。無筆の二人が葬式に来た人の名前を記録する係を引き受ける噺。マクラでは、東京は緊張するというようなことを言っていた。

つく枝、「悋気の独楽」。マクラで、師匠文枝にもおかみさんに言えないようなことがあった、自分は弟子として、師匠は絶対なので黙っていたが、日頃、おいしいごはんをつくってくれるおかみさんを裏切っているようでつらかった、このネタは登場人物のうち丁稚に感情移入してやります、と宣言。小朝のカセットテープで聴いたものと、オナゴシ(女衆)のオタケどんが登場する点がちがう。まんじゅうをおいしそうに食べる演技は絶品。

生喬、「豊竹屋」。初見の噺家、初めて聴くネタ。生喬は容貌魁偉。口をへの字にするとガラモンに似ている。マクラで、上方の落語家に階級制度がない話。学校寄席をアレンジする会社が東京の真打ちには移動にグリーン車を使わせるが自分たちは普通車。ところが先日、自分にグリーン券が送られてきて、めでたく真打ち扱いとなったとのこと。ネタは、みたり、聞いたりしたものを義太夫のフシで語る、豊竹屋フシエモンという男の話。義太夫のくだりが少しくどい感じがした。

花丸、「幸助餅」。初めて聴くネタ。相撲取りのイカズチに入れあげて身代をつぶして、妹を女郎屋に売り、30両を手にするが、また、イカズチに遣ってしまう男を主人公とする人情噺。花丸は、イカズチの様子を描写する地噺のところも巧かった。しっかり聴かせてくれた。噺が終わったときに泣いてる客もちらほら。本日の一番。これまで花丸で聴いた中でも一番。胸がホコホコした状態で家路についた。

2006年10月10日 (火)

福袋演芸場 襲名記念・小さんばなし

2006/10/9 月 福袋演芸場 襲名記念・小さんばなし 池袋演芸場

入船亭扇里       「道灌」
柳家初花         「゛大工調べ」
柳家右太楼       「湯屋番」
三遊亭きん歌      「ちりとてちん」

客席は、ほぼ満席。

扇里、「道灌」。固くなっている感じ。ネタへの入り方は、「ご隠居さん、こんちは。」ではなく「若い者が集まりますと・・・」から、みんながご隠居さんをどろぼうと言っている、というところから。前日の三三のものと異なる点多し。同じ柳家系でも全く同じに習うのではなさそう。

初花、「大工調べ」。棟梁の啖呵で、同じ所を何度か繰り返していた。意味不明。

右太楼、「湯屋番」。マクラで、呆けないための三箇条紹介。①毎日最低10分間家族以外の他人と話す、②毎晩、寝る前にその日の出来事を3つ想い出す、③毎日、一回、腹の底から笑う。落語を聞いて笑ってくれとつなぐ。ネタの「湯屋番」はまずくはないが、腹の底から笑うに至らず。

きん歌、「ちりとてちん」。マクラで、近日中にきんか後援会を立ち上げるので、入会のすすめ。入会金1万円だが、友人を入会させればもれなく5000円キャッシュバックのマルチ商法方式採用とのこと。受けた。ネタも楽しく聞けた。

2006年10月 9日 (月)

談春七夜 追加公演 「山吹」

2006/10/8 日 談春七夜 追加公演 「山吹」 東京芸術劇場小ホール2

立川談春      前説
柳家三三      「道灌」
立川談春      「紙入れ」
中入り
立川談春      「木乃伊取り」

七夜連続公演は、売出日に旅行中で、戻ってから買おうとしたらすでに売り切れ。今日の追加公演しか買えなかった。東京芸術劇場の小ホール2はキャパが320くらいのホールなので、売り切れていたのには納得。

談春が立ったまま、マイクを握り前説的に話をする。バカな落語家のエピソードをふたつ紹介。勢朝から聞いた金時の話、志の輔から聞いたきくおの話。ネタにされた2人はともに落語家2世。2世には天然ボケの発現率が高いのか?

三三、「道灌」。マクラで、前座のときのシクジリばなしから、師匠小三治につけてもらった唯一の稽古の話。万感を込めて「ご隠居さん、こんちは。」と言えと、教えられ一時間ずっと、「ご隠居さん、こんちは。」をやらされたとのこと。ネタは、「ご隠居さん、こんちは。」から「道灌」へ。「ご隠居さんは、将来に対するぼんやりした不安なんてのはないんですか?」と言わせていたのは面白かった。落ち着いた安定した高座。「山吹」=「お金」でなく植物の「山吹」がでてくる絵が噺に登場。

談春、「紙入れ」。マクラで前の三三のはなしを受けて、談志がつけてくれた稽古の話。扇子を横にして置くのは、客の領分と噺家の領分を分ける結界をつくる意味があるとのこと。やはり理屈っぽい教え方。ネタは「紙入れ」。演出は、談笑のものと異なりオーソドックスなもの。談笑の演出は立川流のものか談笑独自のものか判らなかったがどうやら談笑独自のもののよう。談春の「紙入れ」はおかみかみさんのしたたかな太いキャラ、と新吉の頼りなさがうまく表現されていた。

談春、「木乃伊取り」。初めて聴く噺。カシラのキスケがしゃべる時の早口はすごい。よく舌が回るものだと感心する。談春のやるカシラ系の人々は見事。また、ばあさんが、しぶとそうなばあさんであった。談春の人物の表現はキャラを見事に表現していてうまい。飯炊きのセイゾウの酒を飲むときに、ミョーな擬音を立てておりその擬音が笑いを誘う。じょじょに酔っていくセイゾウの様子の描写もよかった。なお、セイゾウが母親から勘定が足りなかった時用に託されたお金の描写で「山吹」色が出てきた。ちなみにぼくは、テーマ「山吹」から演目を「黄金餅」と予想していた。

談春はやはり、噺の技術が高いことを再確認した高座であった。終演後は妻と銀座に行き、美登利寿司銀座店へ。16時40分だというのに店の前には長蛇の列。約1時間待ちとなったが、やはり食べて納得の味と値段だった。いい高座が観られ、おいしいものを食べて満足な一日。

2006年10月 6日 (金)

銀座落語アーベント 10月第4夜

2006/10/5 木 銀座落語アーベント 10月第4夜 銀座みゆき館劇場

三遊亭王楽        「お菊の皿」
三遊亭白鳥        「牛丼晴れ舞台」
桂文華           「阿弥陀池」
中入り
笑福亭鶴瓶        「廓火事」
林家花丸         「三十石」

会社を5時半に出て、美登利寿司銀座店で、カツオの刺身、鮪トロのネギ間焼き、光り物セット(8カン)、生ビール。美味かつ、これだけ飲み食いしても約2400円という勘定も安い。店を出るころには激しい雨なのに外に行列ができていた。行列してもここで食べる価値はあると思う。

王楽、「お菊の皿」。初見。好楽の息子。二ツ目。この会は小朝が始めたので、2世の落語家が優先起用されている模様。二ツ目として可も不可もない出来。

白鳥、「牛丼晴れ舞台」。マクラで師匠の円丈の話。円丈は水木しげるの描く日本兵にそっくり、というのには笑えた。ネタは、牛丼屋の「牛野家」を舞台にした噺。「飯盛り3年、つゆ8年」といって一人前の牛丼屋になるためには長い厳しい修行をつまなければならない。終盤で、自作の牛丼晴れ舞台の歌をカラオケ付きで歌う。歌いながら客席、最前列の客と握手して回る。相変わらずの大暴れである。

文華、「阿弥陀池」。白鳥の後でやりにくいみたいなことを言っていた。(確かに白鳥のやり方は落語会構成上のオキテ破りであろう。しかし白鳥はそういうことを気にしないのが持ち味である。)元は東京の「新聞記事」と同じ。「体をひらりとかわす。」というところのタイがでてこず、東南アジアの国、首都はバンコクとか一生懸命説明する。同様に「心臓をぶすりと」のゾウが出てこず、動物で鼻がながくてパォーパォーと説明していたのが可笑しかった。

鶴瓶、「廓火事」。マクラでは、テレビ番組の「キラキラアフロ」で共演しているオセロの松島の天然ボケぶりを披露。「廓火事」は、おサキさんの演技が以外にうまい。「麹町のサル」は舞台が大阪なので、「嵐山のサル」になっていた。なお、モロコシの孔子は、モロコシの「子牛」。落語会構成上のオキテに従い、トリでないので抑えめの演技。

花丸、「三十石」。この顔ぶれで、鶴瓶でなく若手の花丸がトリ。導入部で、「おまんじゅうを2ケずつ袋に入れて、皆さんがお帰りになるときにお渡しするというように・・・・しといたらよかったなあ。」というクスグリで爆笑をとり、うまく客席をつかんだ。これは師匠、染丸が横浜の一門会で同じネタをやった時と同じ演じ方である。染丸には及ばない(染丸の三十石は絶品である)が船の漕ぎ方も、舟歌もちゃんと出来ていて、ちゃんと淀川の船旅に連れて行ってくれた。トリとして十分、合格点があげられる出来だったと思う。

2006年10月 5日 (木)

桂雀々落語のひろば VOL.14

2006/10/4 水 桂雀々落語のひろば VOL.14  内幸町ホール

桂吉坊       「商売根問」
桂雀々       「不動坊」
中入り
立川志の輔    「買物ブギ」
雀々・志の輔   対談
桂雀々       「蛸芝居」

会場は満席。上方落語の東京での人気を考えれば上々。前回のゲストの昇太が対談でネタにしていた志の輔が今回のゲスト。

吉坊、「商売根問」。初見。伊丹名物「こぼれ梅」を使用した雀捕獲作戦までは「鷺取り」と同じ。その後、三つ葉の行商の噺とガタロ(河童)捕獲作戦の噺を加えて終わる。

雀々、「不動坊」。出だしからハイテンションで早口。マクラで米朝の近況。退院してタバコと酒をしきりにやっている話。ネタでは、幽霊役を演じるときに、ぶら下げられて姿勢が安定せず激しく、ヨタヨタ、フラフラしながらやっていたのが特徴的。サゲは、「よう、あんた、こんなこと手伝いましたなぁ」「私も幽霊、たいぶ迷いました。」

志の輔、「買い物ブギ」。マクラで先日亡くなった俳優の丹波の思い出話をモノマネを交えながら。志の輔の話とは関係ないのだが、志の輔を観ながら、先日のSWAの昇太のネタで、志の輔がプチッとつぶされてたのをつい想い出してしまった。ネタは、薬局に買い物にきた男が、店員を質問攻めにして困らせる話。

雀々・志の輔、対談。雀々、モノマネを交えて師匠である枝雀の話、談志と名古屋の仕事でいっしょになり2時間付き合わされた話。志の輔、モノマネを交えて談志の話。志の輔曰く、「買い物ブギ」の主人公の男は談志で、店員が志の輔とのこと。3月の第15回のゲストに談志を呼びたいという話になった。雀々は勇気があると思った。9月に雀々の入門30周年記念の6夜連続公演を内幸町ホールでやるとの発表あり。

雀々、「蛸芝居」。商家の主人、丁稚、出入りの魚屋、魚屋が持ってきた蛸まですべてが芝居好きで、何をやっても芝居のマネになってしまう。芝居のマネや蛸のアクションが大きく表情も豊かに演じた。ぼくは歌舞伎の素養に欠ける。歌舞伎に詳しければもっと楽しめたと思う。

2006年10月 3日 (火)

第2回大・上方落語祭 渋谷繁昌亭 【夜の部】

2006/10/1 日 第2回大・上方落語祭 渋谷繁昌亭 【夜の部】

林家染左        「のめる」
桂小春團治       「ちりとてちん」
露の都          「金明竹」
林家染丸        「子別れ」
中入り
小春團治(司会)     抽選会
月亭八方        「軒付け」
桂三枝         「鯛」

昼の部終了後、TSUTAYAで時間つぶし。映画のDVDが安いと思ったので4枚5000円で購入。去年やった投資が少し含み益になっているので気が大きくなっている。われながらスケールの小さい無駄遣いである。

夜の部は最後列も空席なし。最前列にも急遽、椅子を増設した模様。昼の部はB列で前から2列目、夜の部はA列でも2列目になってしまった。最前列にはなぜか小学生くらいの子供づれが5組くらいいた。

染二、「のめる」。初稿記載時、記憶がはっきりしなかったが想い出したので加筆する。お互い口癖の「つまらん」、「一杯のめる」をくちにしたら相手に罰金を払うという賭をした男が、相手に「つまらん」といわせるために甚兵衛さんの知恵を借りていろいろ工夫する噺。

小春團治、「ちりとてちん」。マクラで、珍味として、アヒルの水かき、鹿のアキレス腱、ブタのチンチンを順に挙げる。ひとつ紹介するたびに、「アヒルの水かきなんてものは大してうまいことないです。アヒルやったら他に食べるとこあるやろ、水かき以外のとこはどないなっとんねん、水かきのないアヒルがうまいこと泳げんようになって苦労してると思うと、胸が痛い、痛い。」のパターンを繰り返すのがおかしくて、おかしくて爆笑。ネタではちりとてちんを食べる男は、なんと二口めも食べて、さんざん、えづいたあと無理矢理、「うま~い」、と言っていた。

都、「金明竹」。例によって長いマクラ。もの忘れしないため発芽玄米を食べている噺、しゃべるお釜の噺。時間経過を伝えるお囃子さんのカネの音の後も、ネタに入らなかったら二度目のカネを鳴らされ、唐突に「サダ吉、サダ吉。」とネタに入る。噺は、主人ではなく、御寮人はんと丁稚の会話で進む。丁稚が、雨宿りの人に貸すカサはルイヴィトンのカサ。主人は、「マタにタビを履かせて、柱にくくりつけてある。」ことになっており、それを他の商家の番頭が店に帰り、報告するところまでで噺は終わり。関西弁の口上のところを上方ではどうするのかと思ったがそこまで噺は行かなかった。マクラもネタも面白かった。

染丸、「子別れ」。息子が結婚したいという娘は、実は息子の異母兄妹だから、結婚できないという父親。息子がそれを母親に打ち明けると、母親が異母兄妹ではないので結婚できるという小咄がマクラ。この小咄は受けていた。マクラで鎹と玄翁の説明した上で、「子別れ」(子は鎹)へ。子供の名前は、亀吉ではなくトラ吉。決して悪いわけではないがぼくは、染丸を聴くならお囃子のいっぱい入る「三十石」、「屑より」みたいなものを聴きたい。

抽選会。なにも当たらず。時間かけすぎ。

八方、「軒付け」。マクラもネタも昼の部と同じ。残念。

三枝、「鯛」。噂に聞いていた名作の「鯛」。弱った鯛の泳ぎ方の形態模写もうまかった。ストーリーも、口演も十分に練れていて大満足の一席。

昼の部は、2時間45分だったのに、夜の部は3時間40分。抽選会の時間を掛けすぎ。

ぼくの前の最前列にいた小学生は、ごそごそするは、漫画を読むは、でこちらも集中できず。それに加えて後ろの席のおばさんは、噺の途中でボソボソ話しをしているし・・・。八方は同じネタをやるしで、夜の部は昼の部と比べて満足度は低かった。

2006年10月 2日 (月)

第2回大・上方落語祭 渋谷繁昌亭 【昼の部】

2006/10/1 日 第2回大・上方落語祭 渋谷繁昌亭 【昼の部】

林家染左       「うどん屋」
桂小春團治      「アルカトラズ病院」
露の都         「初天神」
桂春團治       「親子茶屋」
中入り
月亭八方       「軒づけ」
林家染丸       「掛け取り」

鈴本早朝寄席のあと、スポーツジムでエアロバイクを漕ぎサウナに入り、恵比寿ガーデンプレイスへ。会場はEBIS亭をやっているホールの隣のホール。最後列付近は空席。

染左、「時うどん」。江戸の「時そば」が、上方では「うどん屋」ではなく「時うどん」。(ぼくは「うどん屋」と間違えて記憶していたが、権太郎さんの指摘により間違いが判明。)初日は二人連れで、二日目は一人でゆくが、前日と全く同じにやらなければ気が済まない男の様子が面白い。

小春團治、「アルカトラズ病院」。素行不良の患者の吹きだまりの病院。外には出られず、まるで刑務所のよう。この病院では、「カワチオンドレ」という病原菌を患者に感染させようとする。感染すると「おんどレ」「ワレ、いってまうド」というようにしゃべると語尾にドレミファソラシドのいずれかがついてしまう恐ろしい病原菌。それを知った患者たちは脱走計画を進める。福笑の新作に通じるテイストを感じた。大笑いした。小春團治の新作は、大銀座落語祭の「さわやか侍」でも大笑いしたので2打数2安打。

都、「初天神」。いつものように長いマクラというか、よもやま噺。鶴瓶噺にならい、都噺と呼ばれている。ぼくは、このおばちやんの声も、話し方も、キャラも、可愛らしく思えて好きである。「初天神」の子供の名はトラ。マセガキで、父親が外出に連れて行ってくれないと、向かいの家のオッチャンに両親の閨房のようすを報告に行ってとして脅す。ダンゴの蜜を父親が舐めた後、再度、浸けて、それをトラが舐めて父親のマネをして蜜にまた浸ける。これでもかと、押してくる笑い。マクラもネタも面白かった。

春團治、「親子茶屋」。春團治は初見。駘蕩たる雰囲気を持つ噺家。昔の大阪の茶屋遊びの世界に連れて行ってもらった。満足。

八方、「軒付け」。マクラで阪神の噺、今シーズンは何遍も死んだとおもったが生き返った。けど昨日の負けでこんどこそ死んだとの託宣。熱烈な阪神ファンの八方があきらめてくれたようなので、中日ファンのぼくはホッとした。八方の「軒づけ」は、後段に出てくる三味線弾きの男の「頼りなさ」の表現が不足している感あり。オチにつなげるため、前半で、ヘタな義太夫はミソを腐らすという喩えをきちんと説明していた。実際に義太夫をうなるシーンが多かった。ぼくは、義太夫も、歌舞伎も本物よりずっと多く、落語家が噺の中で真似るのをみている。

染丸、「掛け取り」。さすがに染丸の浄瑠璃、歌舞伎のシーンは見事。浄瑠璃を褒められた男は、『「軒付け」で鍛えたぁる。』と応え、喬太郎みたいに先に出た出演者の噺を取り込んで笑いをとる。

それにしても、ぼくは、義太夫も、歌舞伎も本物よりずっと多く、落語家が噺の中で真似るのをみている。

一番よかったのは、小春團治でした。

鈴本早朝寄席(10月第1週)

2006/10/01 日 鈴本早朝寄席

柳家太助     「宮戸川」
入船亭扇里    「ざこ八」
鈴々舎馬るこ   「牛ほめ」
五街道弥助    「親子酒」

太助、「宮戸川」。早合点したおじさんの「やったね、半坊」というときの表情が良かった。

扇里、「ざこ八」。初めて聴く噺。

馬るこ、「牛ほめ」。ギターを持ち込んで自作の「落語協会の歌」を歌う。マクラで小咄をいくつかおるがあまりうけない。NHKの新人賞に応募して落ちた時のネタという注釈付きで「牛ほめ」へ。自作のくすぐり(ex.畳は備後のうすべりで→畳はビンラディンのコスプレで)が随所に織り込まれ、これまで聴いた「牛ほめ」の中では最も客に受けていた。

弥助、「親子酒」。話芸の技術の高い二ツ目。息子は酒を飲むと人の嫌がることを言うので、商売に触ることを危惧した親父が、一緒に禁酒をしようと持ちかけるところ、親父がばあさんに酒をねだるところで、泣いて頼んだり、おだてたりしていたところが、今まで聴いたものと異なった。

2006年9月29日 (金)

春風亭小朝独演会

2006/9/27 水 みなと毎月落語会 春風亭小朝独演会 赤坂区民センター

林家きくお          「新聞記事」
春風亭小朝         「思い出の品?」 父親の葬式に来た若い女と父は漫画を共著。
春風亭小朝         「親子酒」
中入り
五明楼玉の輔        「紙入れ」
春風亭小朝         「ヴィンテージオブ1985」
春風亭小朝         「カラオケ葬?」 葬式でカラオケをする噺

落語をよく聞く客ではなく、年に1回くらいは小朝を観てみようという客(かつてはぼくもそうだった)が中心。

きくお、「新聞記事」。マクラは先週の飛切落語会と同じ。マクラもネタもカミカミなのでリズムが悪い。最近、二ツ目を集中して聴いているが、たぶん、きくおは他の二ツ目に比べ稽古が足りないのでないか?妻は、BS笑点をみてきくおに母性本能をくすぐられるというが、キャラも高座に十分生かされてない。

小朝、「思い出の品」。マクラは、先週の飛切落語会と同じ。ただし小咄は少なめ。親子をテーマにした噺ということで続けて「親子酒」へ。

玉の輔、「紙入れ」。演出は、先週の早朝寄席で聴いたものと同じ。先週のと比べて噺にメリハリがあり格段に良い。やはり、真打ちは違うと思わせた。

小朝、「ヴィンテージオブ1985」。2週連続。やはり、このネタがきた。続けて「カラオケ葬?」へ。小朝、機嫌良く歌いまくる。

今日は小朝の新作を3題聴いた。いずれも、ストーリーの完成度も高く、照明や効果音を含めた口演もうまいと思うのだが、何かが足りない。小朝にも、客席にもSWAの時のような熱を感じない。

小朝は、廓なんて客も噺家も行ったことがないので、古典落語の廓噺をいつまでもやっていてはダメみたいな趣旨のことを言っていた。カセットテープに残る小朝、数年前までの小朝は、古典に現代的なくすぐりを入れて、面白く聴かせてくれていた。ぼくは、新作の小朝より、古典の小朝が好きだである。近年、路線が変わったようなので独演会に来ていなかったが、小朝の見事なプロデューサーぶりをみて久しぶりに、演者としての小朝をみるため独演会に来てみた。今日は、路線変更をはっきりと確認させられた。残念。

2006年9月27日 (水)

二ツ目勉強会

2006/9/26 火  第174回 二ツ目勉強会 池袋演芸場

柳家小ぞう      「小町」
鈴々舎馬るこ     「ちりとてちん」
柳家喬四郎      「イヴの夜に」
古今亭菊六      「転宅」
中入り
柳家右太楼      「お見立て」
三遊亭歌彦      「寝床」

歌彦、馬るこを目当てに、冷たい雨の中を池袋演芸場へ。観客は30人程度。

小ぞう、「小町」。前座による開口一番。カミシモを大きくきっていた。

馬るこ、「ちりとてちん」。食べ物を褒める方の男はなぜかイラン人のサラミさん。イスラム教をお休みにして、北海道地ビールを飲む。ちりとてちんは先週から鍋の中にある麻婆豆腐。ちりとてちんは、イランの食べ物で、「ちり」は、チリソースの「ちり」、「とてちん」はイランの言葉(ペルシア語)でどろどろしたものの意味。ちりとてちんを食べた後の表情はうまく表現できていた。ものすごい汗をかきながらの口演。ぼくの評価は前回の鈴本早朝寄席の半分くらい。馬るこに対する期待が大きすぎるのか?

喬四郎、「イヴの夜に」。前回の鈴本早朝寄席でみたときよりは、ストーリーにまとまりがあった。ただし、ストーリーに、惹き付けられるほどの力はないし、随所のシャレもとってつけたよう。(ex. 栗と酢とマスをつかって料理する。クリトストマス→クリスマス。この組み合わせでどんな料理をつくるのか?と思っていたが話題は次に移ってしまい、フォローなし。)SWAのような、同業者に敲いてもらいながら噺を練るプロセスが不足しているのではないか?

菊六、「転宅」。喬四郎の目が鋭かったせいか、菊六の目は可愛くみえた。どろぼうが翌日、近所のたばこ屋で前日のどろぼうの話をきく所でどろぼうの声が裏返っていたのがうまかった。うまいのだけど笑いは薄い。

中入り。携帯電話の電源等の注意事項のアナウンスに、パチンコ屋のアナウンスのような妙なフシがついていた。声からすると多分、馬るこが遊んでいてたのだと思う。

右太楼、「お見立て」。杢兵衛が、「喜瀬川が死んだのは2ヶ月前のみそかの日」だろうと言いだす演出、お墓のシーンで2回目に墓の中の喜瀬川に話しかけるところで、以下同文と言ったくすぐりは初めて聴いた。右太楼のオリジナルならたいしたものだが・・・。右太楼もうまいのだけど笑いは薄い。

歌彦、「寝床」。木村剛を太らせたような風貌。古今亭以外の「寝床」を聴くのは初。噺の流れは同じだが、ぼくの頭の中にある「寝床」とは異なるところが多かった。長屋の人の義太夫の会に来られない言い訳の中に、小林のせがれは襲名披露で忙しい、池袋ではいついつやります、という小さんの本名を織り込んだくすぐりを入れていた。いったんやめることにした義太夫をおだてられてやることにした時の旦那の微妙に嬉しそうな表情は抜群にうまかった。歌彦は落語雑録でスーパー二ツ目として紹介されていた逸材で、ぼくもその評価に同意する。

2006年9月26日 (火)

SWA 獏噺の会

2006/9/24 日 SWA 獏噺の会(夜の部) 国立演芸場

夢枕獏、彦いち、白鳥、昇太、喬太郎 「座談会」
林家彦いち    「史上最強の落語」
三遊亭白鳥    「カニの恩返し」
中入り
春風亭昇太    「ウルトラマンはどこですか」
柳家喬太郎    「鬼背参り」

(喬太郎の噺で会が終了したと観客に思わせておいて、客席から登場)
神田山陽      「安倍晴明化鼠退治」

チケット発売日にチケットセンターに1時間電話し続けて、やっとチケットがゲットできた会。今回は、ある特定の団体会員にチケットが先行販売されたためチケット入手が困難だったものと判明。その結果、客層もSWAは初めてという年配客の割合が普段より格段に多かった。堀井憲一郎さん、高田文夫さんを会場で見かけた。

夢枕獏を交えた座談会。彦いちが長良川河口堰反対のイベントで、獏氏と知り合いになったとのこと。初回のSWAの打ち上げに獏氏が参加して、酔っぱらった獏氏がSWA用の落語を創ると言い出したのが今回の企画の始まりだった。白鳥は、夢枕獏著のキマイラ、魔獣狩り等のファンだとカミングアウト。今回の演目は、落語台本が本になっており、会場で販売されていた。

彦いち、「史上最強の落語」。彦いち用に格闘技風味たっぷりの噺。新宿末広亭の地下にある秘密の会場で、最強の落語を決める会が開かれるという。負けると得意ネタを取られてしまう。「川柳川柳はこの会でネタを取られてしまって歌しか残っていない。」というくすぐりには笑えた。噺の終盤で、観客に目をつぶらせてオチへとつなげる。彦いちは、慣れない観客のせいか、このオチがうまく観客に受けないことを心配しながらこのネタをやっていた感じで全体的に固かった。オチはいかにも作家が創ったオチという感じで、不発に終わった。

白鳥、「カニの恩返し」。噺の骨格は、上方落語の「天神山」の後段と同じで、狐がカニに変わったもの。やはり、動物が出てくる噺は白鳥用。肝心な一人ツッコミのところで何度も噛んでしまい出来が今ひとつ。オチが3段構成でよく考えられているのだがシモネタで観客が引いてしまい撃沈。

昇太、「ウルトラマンはどこですか」。地球を侵略しにきた宇宙人が怪しい光線を浴びせると主人公の男が巨大化して東京タワーを破壊したりして東京の街を破壊する。光線の音が「ミョンミョンミョン」という擬音で表現されていたのが可笑しかった。また、巨大化した男が、世田谷に行き志の輔をアリをつぶすように指先でプチッとつぶしたのにも大笑い。彦いち、白鳥が今ひとつで今日はダメかなと思いかけていたが昇太で、大爆笑。ぼくの本日の一番。

喬太郎、「鬼背参り」。夢枕獏がいつも普通に書いている人が鬼になる小説を落語台本に仕立てたもの。怪談噺として喬太郎が見事に演じた。死んだ女が夜、訪ねてくるシーンで、扉を開けると最初は、白鳥の噺ででてきたカニがいたのには爆笑した。せっかく観客を噺に惹き付けて怪談を聴く空気が出来ているのを自分で壊してしまった。次に鬼となった女を登場させて、すぐに再度、客席の空気を変えたのは見事。

てっきり、これで終わりかと思ったら神田山陽が、客席の後ろから釈台をかついで登場。神田山陽を観るのは初。いったん、終わりだと思ったせいか、山陽の滑舌が悪いせいか、それともぼくが講談口調になれてないためか、ところどころ、ストーリーの展開についてゆけなくなってしまった。芸風は把握したので次回はちゃんとついてゆけるだろう。 

今回は、小説家が創った落語ということでやりにくい面も多かったのではないか?昇太、喬太郎がおもしろかったので苦労してチケットをとった甲斐があった。終演後、巨牛荘でおいしいと評判のケジャンとプルコギを食す。世評ほど旨いとは思えず。   

2006年9月25日 (月)

鈴本早朝寄席

2006/9/24 日 鈴本早朝寄席  鈴本演芸場

金原亭馬治       「紙入れ」
台所鬼〆         「かんしゃく」
鈴々舎風車       「三井の大黒」

落語雑録で、鈴々舎わか馬とともに、スーパー二つめとして紹介されている三遊亭歌彦を目当てに行くも休演。地方から東京に向かう新幹線の中から「間に合わないから休演」の電話があったとのこと。もしかしたら、単なる朝寝坊?かなりがっかり。

鈴本演芸場は、夜の部で、六代目小さんの襲名披露をやっていたので、舞台には小さんの幕、脇には小さんの提灯が飾られている。

馬治、「紙入れ」。落語家口調が板についている。マクラで、中古車ディーラーに車の購入を仲介し謝礼をもらう「スーパー銭湯」の小咄は秀逸。ネタは、翌朝の旦那とのやりとりは、全く旦那が気づいてないことがわかる演出。談笑がやる、旦那が気づいていてとぼけているのか、気づいていないのかが判らないまま新吉が一喜一憂する演出の方がよいと思う。

鬼〆、「かんしゃく」。珍しい噺をやるというので、先週聴いた「鈴振り」をまたやるのかと心配になったが、「かんしゃく」。歌彦の休演連絡が入ったため、予定時間以上にやらなければならなくなり、たどたどしいマクラを苦労して引き延ばしていた。

風車、「三井の大黒」。滑舌良好で練れた噺ぶり。

2006年9月24日 (日)

桂吉弥独演会

2006/9/23 土 桂吉弥独演会 深川江戸資料館

桂 紅雀      「子ほめ」
桂 吉弥      「書割盗人」
三増紋之助    曲独楽
桂 吉弥      「不動坊」
中入り
桂 吉弥      「肝つぶし」

開演前に、深川江戸資料館を覗く。両国の江戸・東京博物館と同じく、屋内に江戸時代の町並みが造ってある。各戸とも4.5畳、6畳の狭い部屋に不相応に大きく立派な神棚がしつらえてあるのが印象に残った。「富久」の富くじを入れておいた神棚もこんなだったのかと思った。

会場は300名程度のキャパシティで7割~8割の入り。吉弥が大河ドラマの新撰組に出ていたせいで、若い女性の割合が高い。比較的全国区の知名度を持つ吉弥でも300人の会場を満席にできないとは、東京・横浜での上方落語の集客力は今ひとつ。

関東での上方落語は、観客に正当に評価されていないように思う。常時テレビに出ている数人の噺家を除けば、知名度が低いのは関東でも上方でも同じであり必ずしも知名度の問題ではないように思う。

ぼくは、関西に住んだことはないが両親がともに関西出身で、親類はみな関西人なので小さい子供だった頃から関西弁は耳になじんでいる。もしかしたら、生粋の関東人にとっては上方落語を楽しむ上で、関西弁が障壁になっているのか?

紅雀、「子ほめ」。去年の国勢調査のマクラ。1週間の就労時間の実績を書かなければならない。仕事があったのは調査対象期間のうち1日で、就労時間は落語一席の15分間のみ。よく注意事項を読むと30分間未満切り捨てと書いてあった、という噺。面白かった。

吉弥、「書割盗人」。「青い山脈」の出囃子で登場。(以降の出番は違う出囃子)
「書割盗人」は江戸落語の「だくだく」と同じ噺。マクラで、米朝の入院生活の噺。検査室へ行くのにストレッチャーで移動する際、米朝とわからぬように顔に布を乗せて隠していたら、行き会う人に合掌されたとのこと。ネタっぽく本当の話ではないと思うが面白かった。

紋之助、曲独楽。紋之助は初めて観る。芸が上手くできた後に、いちいち見得を切りガッツポーズするのがほほえましい。客席の間を移動しながら、立てた棒の先で、独楽を傾けた状態にする風車の芸は、独楽が落ちそうでハラハラして大受け。綱渡りでは、トトロのぬいぐるみを独楽の軸に取り付け、独楽の上のトトロの人形が回転しながら渡ってゆく。ぼくは、曲独楽は地味なので好きじゃなかったが、演出の仕方でこんなに楽しいものになることにビックリ。吉弥の落語もよかったのだが、紋之助がぼくにとっての本日の一番。

吉弥、「不動坊」。仕返しに利吉の所へ行って「3人でイーしよ。」と提案するところ、鐶を持って太鼓をぶらさげた状態で、ヒモを結ぶための鐶を手探りでみつけようとするところにユウさんのキャラがよく表現されていた。

吉弥、「肝つぶし」。初めて観る噺。サゲをまず創って、そこからストーリーを構成したような噺。ストーリーの展開は強引さが否めない。いくつかあるドキドキするような場面で、観客を噺に引きこむテクニックは見事だった。

2006年9月23日 (土)

飛切落語会

/2006/9/21 木 にっかん飛切落語会 第307夜 イイノホール

金原亭駒春      「転失気」
林家きくお       「幇間腹」
林家いっ平      「星野屋」
春風亭小朝      「ヴィンテージオブ1985」
中入り
立川志の吉      「初音の鼓」
林家木久蔵      「蛇含草」

開演前に虎の門、「みその」でビーフかつ定食。

今日のプログラムは、親子の木久蔵、きくお。義兄弟の小朝、いっ平。三代目三木助の孫の駒春、といかにも、小朝好みの落語家ファミリー勢揃いにしたプログラム。

駒春、「転失気」。昨年12月の飛切落語会でみたときと比べてずいぶん良くなっていた。若々しく、楽しそうに話すところに好感が持てた。

きくお、「幇間腹」。きくおの落語は3回め。今年、ドイツでのワールドカップサツカーの「日本対オーストラリア」を観に行った話をマクラに。「幇間腹」は、小朝の若い時のカセットテープに残っているものとほとんど同じ演じ方。セリフにキレがなくベチャベチャした感じ。いつも、BS笑点で仲間の落語家がきくおの落語のヘタさかげんがバカにするのを観ると傍らの妻に、「きくおの落語はいうほどヘタじ゜ゃない」とぼくは説明していたのにこんな出来では困る。

いっ平、「星野屋」。いつもの、正蔵はあわてるとこぶ平になる話。ちんぴらが正蔵の胸ぐらをつかみ「おんどれ、金ださんかい。」に、正蔵「ぼく、金田さんじゃありません。」。
「星野屋」は、これも小朝カセットテープのものと同じ演じ方。いっ平は、セリフが大げさで、間を必要以上にとって見得をきるように首を動かして客席を眺め回していた。まるでクサい芝居である。

小朝、「ヴィンテージオブ1985」。20年ぶりにサークルの同窓会で会った男女の話。「あの素晴らしい愛をもう一度」をバックに流しながら演じた。昇太、喬太郎あたりがやっても全く違和感のない新作。マクラでは、林家三平流の小咄を多数披露。ネタは話も良くできているし、演じ方にも文句なし。最近、このネタをよく掛けているらしいが、9/27の独演会でもこのネタをかけるような予感がする。嫌いなネタではないが、また、すぐに聞かされるのは嫌だなあ。

志の吉、「初音の鼓」。たぶん、志の吉を観るのは5回目くらいだが、今日がベスト。ぼくにとっての本日のベストでもある。鼓の音もリズム良く、スッポン、スッポン、スポポンポンというのが心地よく耳に残っている。楽しい噺だった。

木久蔵、「蛇含草」。マクラは、森永乳業に勤務していた時の思い出話。当初、研究所に配属され乳酸菌の培養実験をやっていたが、サービス精神から顕微鏡で見える以上に乳酸菌を書いて報告したら、短時間にこんなに増えるわけがないと叱られ、研究所から洗瓶課に左遷されたとのこと。「蛇含草」は、先週聴いた弟子の久藏のにやり方と、少し違っていた。久藏は別の師匠にこの噺を習った可能性が大きい。木久蔵のセリフは、読んでいるように聞こえた。木久蔵に「昭和芸能史」をやられるよりはよかったので良しとする。

2006年9月19日 (火)

旗日限定!福袋演芸場

2006/9/18 月 福袋演芸場 「根多帳補完計画~まだまだあるよ。こんな噺~」

三遊亭金兵衛    「恋根問」
台所鬼〆       「鈴振り」
鈴々舎わか馬    「馬大家」
林家ぼたん     「金魚芸者」
桂笑生        「鉄拐」

祝日の朝10時から開催される池袋演芸場での二ツ目の会。ほぼ満席。「鉄拐」以外は初めて聴く噺。

金兵衛、「恋根問い」。隠居がどういうのが女にもてるか、(ex.様子がいい)というのを一から十まで、列挙してゆくもの。「稽古屋」の序にあたる噺とのこと。ネタそのものが延々とこういうのがもてるという説明であり単調さは否めなかった。

鬼〆、「鈴振り」。ばかばかしい噺なので面白かった。

わか馬、「馬大家」。ウエブサイトの落語雑録http://homepage2.nifty.com/Curious-G/starthp/subpage78.htmlでスーパー二ツ目として紹介されているだけのことはある。滑舌も、リズムも良し。チャンスがあればまた見たい。

ぼたん、「金魚芸者」。女性の噺家にあった噺だと思う。女の子に化けた金魚が可愛らしくてよかった。

笑生、「鉄拐」。ネタの舞台は中国の北京であるが、雰囲気は江戸であるところが落語らしくて楽しかった。陶淵明が李白と並び称されるような酔っぱらいとは知らなかった。面白いばかりでなく、ためになった。この人もわか馬に劣らずうまかった。

この間から、二ツ目の噺を集中して聴いているが期待以上にうまい人の割合が高い。将来が楽しみである。

2006年9月18日 (月)

瀧川鯉昇 at 市川市

2006/9/17 日 寄席清華亭 中山文化村清華園

志村葵      講演
瀧川鯉橋     「道灌」
瀧川鯉昇     「佃祭」

鈴本早朝寄席の後、アメ横の屋台みたいな店で、うに丼900円を食し、京成線で中山に向かう。時間が余りそうだったので、時間つぶしに途中下車し、柴又へ。柴又駅前には寅さんの銅像があった。歩いてすぐの商店街は、映画のセットみたいにみえた。頭の中を寅さんのテーマ曲が流れる。まるで、パブロフの犬である。観光客でにぎわっており、食事処は行列ができていた。帝釈天を参拝し「矢切の渡し」へ。野球をやっている河川敷の川縁に桟橋があっただけ。

会場は、京成の中山駅からすぐ。市に寄付された古民家の座敷。客は40-50人。近所に住んでいる老人が主体。

志村葵、「ユーモアについて」と題した講演。ウィット、コミック、ユーモアの違いを自作の小咄等で表現するとこうなるみたいな話。マジメな講演っぽかったが、随所で笑いをとろうとして、ことごとくすべる。下ネタの自爆もあり。ぼくも30分間、つらい思いをした。客の中には、携帯メールを打って電子音をたてる者もいて、終盤には客席の空気が最悪に。

鯉橋、「道灌」。初見の二ツ目。小野の小町の部分+道灌の部分のフルバージョンを初めて観た。自分が住んでいる雑司ヶ谷のアパートの話。貧乏で家賃が払えず2ヶ月分溜めてしまったので、師匠に相談しにいったら野宿の心得を教えてくれたとのこと。さすが、鯉昇師匠である。鯉橋は、固まった客席の空気を、うまくほぐして師匠につなぐ仕事を十分にこなした。噺もうまかった。

鯉昇、「佃祭」。マクラは、人間ドツクがスピードアップしているのはコンピュータの進歩のおかげ、という話から、お馴染みの「二進法」の小咄へ。ファイト一発のコマーシャルで、元気な若者を登場させるのはおかしいという見解の披露、ネパール人の風習等たっぷりのマクラ。「佃祭」は、どうして、この噺がこんなに楽しく笑える噺になるのかというほどの面白さ。声の調子も噺のリズムも柔らかく心地良い。落語は、一般に聴く者に集中力を求めるように思う。集中していないと、場面が転換したことに気付かず頭が混乱するときがある。ところが鯉昇の落語には、ぼんやりと心地好く浸れるような気がする。

鯉昇の噺が心地好く聞けたので、千葉県まで遠征してよかったと思った。終了後は東山魁夷記念館(施設は良いが、展示作品数は小品中心でわずか27点でがっかり)を見てから帰る。

鈴本早朝寄席

2006/9/17 日 鈴本早朝寄席 鈴本演芸場

三遊亭あし歌       「金明竹」
川柳つくし         「権助魚」
三遊亭金翔        「ぞろぞろ」
柳家喬之進        「粗忽の使者」

あし歌、「金明竹」。初見。マクラで、真打ちになったばかりの時に糖尿病で片足を切断した兄弟子、歌雀の話。手術の後、見舞いに来た円歌師匠に、「これが本当の一本立ち」、とシャレを言ったとのこと。さすがは、噺家という逸話。あし歌の松公の声は、アニメの声優みたいに聞こえた。関西弁の言い立ては、流暢でみごと。

つくし、「権助魚」。初見。川柳川柳師匠の話題をマクラに。川柳師匠を知らない人のために、川柳師匠の似顔絵を披露。よく似ていた。権助が魚屋で魚をみつくろう時の驚きの声が、ギョ、ウォッ、フィッシュと変化。アクションを伴うので、驚きの声がフィッシュでも違和感がないのがおかしかった。

金翔、「ぞろぞろ」。EBIS亭でたい平がでた時にみたので2度目。2002年の入門なのに、達者なしゃべりでベテランの安定感を感じた。

喬之進、「粗忽の使者」。喬太郎の会で、観たことがある人。可もなく不可もなく。でも、ぼくには、噺が長く感じた。

2006年9月17日 (日)

花形演芸会

2006/9/16 土 花形演芸会 国立演芸場

古今亭駒次    「真田小僧」
春風亭栄助    「強情灸」
The Geese    コント
BBゴロー      漫談
林家久藏      「蛇含草」
中入り
なぎら健壱     漫談と歌
南海キャンディーズ  漫才
柳家一琴      「片棒」

栄助、「強情灸」。栄助は、32歳で入門した二ツ目。22-32歳は米国にいたとのこと。自作の外人の回転寿司屋の職人に「湯飲み」を頼む小咄をマクラに。チャンスがあればまた、聴いてみたい二ツ目さん。

The Geese のコント。触ったものを、会話の途中でも必ず口にする男が主人公のコント。耳の検査のコント。とてもおもしろかった。この会で観た中で一番よかった。

BBゴロー。稲川淳二のマネ。ネタが客層にあわず苦戦。今日の客は小学生、若者、中年、老年とバラバラ。お客の目当ても落語ファン、なぎらファン、南海キャンディーズファンとバラバラ。フォーカスが、どこにもあわせられず。最後は下ネタで自爆。今日みたいな客層の時は、持ち時間が十分あれば噺家がよくやるように、客の反応を探りながら相応しいネタを決めることもできるかもしれないが・・・。

久蔵、「蛇含草」。木久蔵ラーメンのマクラ。餅を食べる演技にはリアリティあり。

なぎら健壱。明治時代、大正時代の歌。ペーソスと似た雰囲気が漂う。

南海キャンディーズ。しずちゃんは、やはりでかい。芸というより、2人のキャラで勝負している。特に、しずちゃんは、不思議なフラをもっている。チャらい感じの山ちゃんとのキャラの組み合わせがよいので売れたのだろう。

柳家一琴、「片棒」。マクラで、栄助から2000円で買ったという、スピード違反で捕まった男が同乗していた奥さんとの会話でどんどん深みにはまってゆくという小咄。(栄助の噺をつくるセンスは良いと思う。) お馴染みの「三ぼう」のマクラから「片棒」へ。お囃子の口三味線(笛、太鼓でも口三味線でよいのか?)、カラクリ人形の動きかぜ素晴らしい。

丸善・丸の内寄席

2006/9/16 土 丸善・丸の内寄席 丸善・丸の内本店 日経セミナールーム

柳家さん作     「つる」
柳家喬太郎     「死神」
中入り
柳亭左龍      「棒鱈」
柳家喬太郎     「子別れ」

ふだんは経済セミナーなどをやっている部屋での落語会。演者の動きによって高座がギシギシと鳴るのが気になった。

さん作、「つる」。声もきちんと出ているし好感のもてる前座。

喬太郎、「死神」。

喬太郎は、このところ10日間ほど九州・中国地方を巡業。ほとんどの公演が、小学生~高校生向けのもので、喬太郎は、さわやかなホワイト・キョンキョンと化していたとのこと。演目も「初天神」ばかりだった由。会場が丸善ということから、喬太郎がかつて勤めていた書店と丸善の比較の話。かつて勤めていた書店では、棚が空いていて、本が斜めになっていたが、丸善は高いところまで棚があるのに、しっかり本が並べられていて本が斜めになってないと褒める。「牛ほめ」ではないが書店のほめ方を学んだ気分!?。喬太郎の丸善の店員である今日のスタッフに対するサービス精神の顕れか?。

「死神」は、死神の演技が、前のめりの姿勢で、上目遣いをして、ポソポソとしたしゃべり方ですごく、感じがでていた。喬太郎の演じるキャラで、初めてみるキャラであった。呪文は、「アジャラカモクレン、ヤエスグチ、アラ、ギャクダッタ(手拍子)」と、丸の内所在のこの会場の限定版。

【以下には、サゲのネタバラシを含むので、知りたくない方は読まないでください。】

サゲは、ろうそくの火を移すのに成功して、大きなため息をついて前に倒れるサゲ。好演だった。死神のキャラはとても気に入った。他の噺でこのキャラが出るのが楽しみ。

左龍、「棒鱈」。左龍も喬太郎も通風であるというマクラから「棒鱈」。田舎の侍の雰囲気が左龍の雰囲気にぴったり。

喬太郎、「子別れ」。

お徳と別れるときのケンカで、「直る」というのは、「以前は吉原に行かないような人間が、吉原に行くようになり、その後、行かないような人間になれば、これが直るだ。俺は、ハナッから吉原にゆくような人間なので直るとは言わない」というやりとりあり。喬太郎は、サゲを通常の「玄翁」ではなく、言葉の厳密な遣い方を巡るものに変えたので、伏線としてこのやりとりが必要だった。ここで、地に戻り「理屈ぽっいですね。まるで○○○みたいですね。」と言って、落語マニアの多い今日の観客にバカ受け。それから「言い過ぎた、また、ネットに書かれる」とぼやいてた。(今日の落語会のハイライトなので書かないわけにはゆかない。)

亀が、主人公の男を皮肉っぽく責める子供で、お徳が、喬太郎がよく演る、生活にちょっと疲れたOL風になっていた。これにより、この「子別れ」は他の人がやるものとテイストが異なり、喬太郎流のテイストになっていたし、サゲも新しいものにしていたが、ぼくはあまりよい「子別れ」とは思えなかった。喬太郎に対するぼくの期待度は、他の噺家よりも大きいので、評価のハードルが高いのである。

2006年9月11日 (月)

獅子舞 by志ん橋

2006/9/10  日 九識の会 お江戸日本橋亭

柳家小きち      「初天神」
五街道雲助      「壺算」
柳家喜多八      「笠碁」
中入り
古今亭志ん橋     獅子舞
小泉ポロン       マジック
古今亭志ん橋     「火焔太鼓」
雲助・喜多八・志ん橋 三本締め

2日連続のお江戸日本橋亭。九識の会の十周年記念の会。ぼくは、初めてだが、お客の多くはこの会の常連さんという雰囲気だった。

小きち、「初天神」。蜜つぼにダンゴを突っ込むところまで。最初にアメを買ってやるところが、簡単に買ってやりすぎという感じがした。

雲助、「壺算」。水瓶に「しび」が入ったと言うところが、江戸っ子らしい。一荷入りの壺を買ったあと、二荷入りのものの値段交渉の段で、一荷入りを3円50銭から3円に値切られていたので、2荷入り7円のものが半ば自動的に6円になってしまった。雲助はここで番頭に「お手の込んだことですなあ」と感心させていた。この番頭が本来は、なかなか抜け目のない男であることを、このセリフで表現していた。これにより、この後の騙し役の男の詭弁の見事さが強調された。

喜多八、「笠碁」。声が小さく、後ろから2列めの席では聴き取りづらかった。小さな会場なのに・・・・。何気ない表情の変化と間の取り方で観客を笑わせる技はさすが。しかし、この人を大きな会場で後ろの方から観たら全然、楽しめないかもしれない。

中入り後、志ん橋が、獅子舞を披露。志ん橋は、獅子舞用にパッチをはいていると、鳶の親方にみえる。最後は客席に入ってきて踊った。お札を祝儀として差し出すと、獅子が口で咥えて飲み込んでゆく。みんながそれを面白がって、次々に千円札を頭の上に乗せて差し出していた。獅子は祝儀を食うとお礼に、その人の頭を噛んでいた。

志ん橋、「火焔太鼓」。なんでも鑑定団の話のマクラ。CDで聴く志ん朝の「火焔太鼓」とかなり細かいところまで一致。確か、CDで志ん朝は、「今度、損したらおマンマをたべさせないよ」と言っていたところを、志ん橋は、「ご飯をたべさせないよ」と言っていた。観客には、すごく受けていたが、ぼくはうまく噺に乗れなかった。

最後の三本締めでは、雲助と喜多八はすでに私服に着替えていた。雲助は、休日の大企業の常務クラスという風貌に見えた。喜多八はなんと短バン着用というカジュアルぶり。志ん橋の音頭で3本締め。

2006年9月10日 (日)

発見!鈴々舎馬るこ

2006/9/10 日 鈴本早朝寄席  鈴本演芸場

柳家さん弥    「夏どろ」
柳家喬四郎    「船巡礼」
春風亭朝之助  「鹿政談」
鈴々舎馬るこ   「まんじゅう怖い」

日曜朝の二ツ目勉強会。全員初見。来年、3月に真打ちに昇進し、柳朝を襲名する朝之助が目当てで観にきてみた。出演者が出囃子をやるのだが、これがヘタ。今まで、出囃子について、注意して聞いたことはなかったが、これだけヘタだと聞いていて不愉快。出演者の鳴り物の勉強会という意味もあるのにだろうが、いやしくも客の前でやるのだからもっと練習してからやって欲しい。

さん弥、「夏どろ」。二ツ目なのに風体からは若々しさを感じない。鬼平犯科帳での、本寸法の泥棒三箇条である「犯さず、殺さず、貧乏人からは盗らず」を噺に織り込んで受けをとっていた。やはり落語ファンは、ぼくに限らず時代小説ファンと重なっているようだ。

喬四郎、「船巡礼」。師匠のさん喬に似た?(福山雅治+小池てっぺい=)福山てっぺいをさらって船で東京湾から新潟のじゃがいも王国のマリーインターネットのもとに連れて行く噺。人物も何人出てきたのかも、ストーリーもさっぱり判らなかった。面白くもないし、客としてもいたたまれなかった。古典なら、もとネタがよく練られているのでヘタでも、作品の力でなんとか聴けるが、二ツ目の自作の新作はネタが十分練られないのでハンデをしょっているのに、演者の未熟さも相まって客にとってキツイ。でも、白鳥とかも二ツ目のときは、もしかしたら同じようなものだったかもしれない(ぼくは観てないが・・・)。長い目で見なければ・・・。

朝之助、「鹿政談」。まず、声が良いし、発声が明瞭で聞き取り易い。噺家を褒めるときに、「口跡が良い」という表現をみて、どういうのが「口跡が良い」に該当するのか疑問に思ったが、もしかしたら朝之助みたいなのを表現したものか?もし、これを読んで、こういうのを「口跡が良い」というのを知っている人がいたら教えて欲しい。朝之助は、若々しいのに、江戸前であり、三三とともに本寸法の噺家としての成長が期待できる。

馬るこ、「まんじゅう怖い」。5月に二ツ目に昇進したばかり。キャリアはまだ3年とのこと(脱走していた期間を除くと更に短い)。それにもかかわらず、聞き慣れたネタなのに、オリジナルな新鮮なクスグリもほとんどないのに(※)(もしかしたらまんじゅうの種類を次々挙げる時に、チェホンマンを挙げたのはオリジナル?)、おもしろくて、笑わせてくれた。これは多分、希有なことと思う。真打ちは大抵、技術的にうまいが、観ていて気持ちよく笑わしてくれる噺家は以外に多くない。楽しく笑わせることができるか否かは、多分、天賦の才によるものであろう。分析的に表現しようとしても、馬るこのどこが良いのか、わからない、表現できない。ただ、自分が楽しく笑わしてもらえた、という事実のみ。うまく成長してくれれば凄い噺家になるかもしれないという期待をもった。

朝之助はまずは、期待通りだった。馬るこは知らなかったので期待してなかったせいもあるかもしれないが、うれしい驚きだった。

(※)他の人のブログでは、この馬るこの口演でオリジナルなくすぐりがいっばい出ていたという趣旨のレポートあり。
当日の口演で、四つ足のものならなんでも食うと豪語していた男が、コタツを持って来られたときには「俺は、あたるものは食わねえ。」といったところで会場から拍手が出た。これに対し、馬るこは、「ここで拍手をもらっても・・・。これは古典落語だからアタシが考えたところは全々ないんで・・・」と言っていたのでぼくはオリジナルな部分はないと思いこんだのかも知れない。

2006年9月 9日 (土)

気軽に志ん輔

2006/9/9 土 気軽に志ん輔 お江戸日本橋亭

古今亭志ん公    「天狗裁き」
古今亭志ん輔    「千両みかん」
中入り
古今亭志ん輔    「唐茄子屋政談」

今日は、人形町の「今半」で鉄板焼きのランチを食べた後、マンダリンオリエンタルホテルの38Fのラウンジでビールを飲むという、ぼくにしては大豪遊のあとの落語会。

お江戸日本橋亭には、開演20分前に行ったがすでに椅子席はすでにほぼ満席、前の方の座敷席は後列が2列あいているだけの状態だった。わずかな空席も前座が上がっているうちに満席に。今日はビクターがDVD発売のために収録をしていた。

志ん公、「天狗裁き」。基本的にこの噺のストーリーは繰り返しなので演者に、よほど力量がないと楽しめない。残念ながら噺を楽しめる段階には達しなかった。

志ん輔、「千両みかん」。真夏にみかんを買ってくると請け合った番頭を旦那が、「倅が死んだらお前が殺したも同然。」と怒る場面では右手がプルプル震えていて感じがよくでていた。番頭がみかんを探しながらハリツケにされるイメージに囚われるシーンも面白かった。一方で、みかん3房を300両に換算してしまい、のれん分けしてもらう時にもらう50両と比較して、みかん3房を持ち逃げすることを選ぶ番頭のやむにやまれなさの表現は不十分に思えた。

落語に出てくる寝込んでしまう若旦那は、「崇徳院」の若旦那、「千両みかん」の若旦那、「擬宝珠」の若旦那、と3人いるが、ぼくは「擬宝珠」の若旦那のシュールなところが好きである。落語とはいえ、「千両みかん」の作者は若旦那のばかばかしいまでのひ弱さをよく思いついたと感心する。たぶん、サゲからこの落語を作っていったのだと思うが・・・。

志ん輔、「唐茄子屋政談」。リズムと間がとても良く気持ちよく聴けた。吉原田圃での回想シーンを、「えー唐茄子屋でござい。」という売り声の間に挟むことが、観客をシミジミとした気分にさせる演出効果を生んでいた。若旦那が唐茄子を売りにでるのを嫌がるのを伯父さんが説教する朝のシーン、田原町で親切な男が唐茄子を売ってくれるときのセリフ、因業な大家に若旦那が啖呵をきるところの表情等、見事な口演であった。

「唐茄子屋政談」は、7月の大銀座落語祭の志の輔のものも良かったが、今日の志ん輔のものもそれにひけをとらず素晴らしかった。

2006年9月 8日 (金)

五代目桂文枝追善公演

2006/9/8 金 五代目桂文枝追善公演 イイノホール

桂阿か枝    「子ほめ」
桂坊枝     「船弁慶」
桂文珍     「七度狐」
中入り
内海英華    女道楽
桂三枝     「ぼやき居酒屋」

久しぶりの落語。この会は「東京文枝の会」という贔屓筋の組織が主催したもの。

阿か枝「子ほめ」。前座噺をおもしろく聴かせた。

坊枝「船弁慶」。喜公が可愛らしいキャラで、そのおかみさんのカミナリのお松は、いかにも強気なオバはんキャラ。熱演で凄くおもしろかった。ぼくの評価では、本日の一番。坊枝は初めて観たが、是非また観てみたいと思った。

文珍「七度狐」。マクラで前に出た坊枝の熱演を「前菜」の後に「酢の物」がでるかと皆が思っているのに「ステーキ」が出たとして、全体構成をわきまえてない点につきチクリと批判。文珍の「七度狐」は場面転換が鮮やかで脳裏に情景がありありと浮かんだ。さすが。ぼくは文珍の落語は、新作より古典が好きである。

英華。東に小圓歌あれば、西に英華ありの感がある三味線漫談。

三枝「ぼやき居酒屋」。文枝の思い出話、早実、斉藤の青いハンカチのマクラから。居酒屋で、居酒屋の主人に対して、麦焼酎を飲みながら奥さんのこと等につきぼやく噺。会場の受けは本日一番だったが、ぼくの中では、坊枝、文珍、三枝の順。

2006年8月21日 (月)

SWAクリエイティブツアー

2006/8/20 SWAクリエイティブツアー 明治安田生命ホール

春風亭昇太     「罪な夏」
三遊亭白鳥     「明日に向かって開け」
林家彦いち     「かけ声指南」
柳家喬太郎     「八月下旬」

テーマは夏休み。客席はもちろん満席。落語会としては若い女性の比率が異常に高い。

昇太、「罪な夏」。
マクラで中学生のときに、台風の中で伊豆に旅行した思い出噺。映画の「スタンド・バイ・ミー」を想い出した。
落語の方は、夏休みの宿題の作文をやっていないマサルが、夏休みに何もやっていないので作文が書けないとボヤいているうちにいくつかの白日夢にふける噺。
最初の白日夢は、台風が接近して波の荒い海で同級生の女の子を助けるはなし。助けにゆくときに、しきりに、くらげに刺されてピリピリするところを演じていたのが面白かった。助けた女の子にマウスツーマウスで人工呼吸をしようとするとき母親に起こされる。ふたつ目は、作文を書くために図書館に行ったらクラスで一番可愛い女の子がいて、その子の家に誘われるが、これも夢。
昇太らしい噺で面白かった。

白鳥、「明日に向かって開け」。
冒頭で、「古典なのに新作で、くだらないけど人情噺」と紹介していた。ストーリーは、怪盗ブラックジョーカーが、配下のイエロージャックとともに三菱東京UFJ銀行の金庫破りをやる噺。イエロージャックは実は、40年間銀行で江戸時代に岩崎弥太郎が買ったその古い金庫を磨いたり、油を差したりして面倒をみたあと銀行を退職した男であった。金庫を開けるための音声パスワードが判らないが、イエロージャックがいろいろ金庫に話しかけていたら、金庫が突然、落語の人情噺のおかみさんの口調で話し出して、人情にほだされ金庫を開ける。確かに、「古典なのに新作で、くだらないけど人情噺」であった。
最後は、高座から降りて、座布団の上に座って座布団ごと転がりながら退場。これは金庫が転がって逃げていく様子を演技で描写したものとのこと。
このストーリーや仕草での発想の自由さが白鳥の魅力。今日の4つの演目のうち、これが一番面白かった。

彦いち、「かけ声指南」。
ボクシングジムで働くタイ人の青年が、セコンドとして、うまくかけ声がかけられない。これは、日本をよく知らないせいであるので街にでて日本を学ぶこととなった。果物屋、街角で座り込む覚醒剤中毒の男、占い師等と話をしたことを、セコンドのときのかけ声※に使ったらうまくできたという話。
※ シャブ、シャブ(覚醒剤中毒の男)、当たらない、当たらない(占い師)等
前半での伏線が後半で炸裂するきちんとした構成になっていた。

喬太郎、「八月下旬」。
マクラの中で、今年、落語業界からいなくなった友達の話あり。別の仕事について元気にやっているとのこと。ぼくは、その噺家が好きだったので、元気と聞いてひと安心。でも、なんとか戻ってきて欲しいと思う。
落語は、東京に住む少年が、お盆休み過ぎに神奈川の祖父の家に一人で電車に乗ってゆく噺。
前の演者が、予想外に時間を使わなかったようでマクラを長くやったがやや間延びしたマクラになってしまった。全体としてとりとめない噺の構成。

SWAとしての公演は初。新作落語のネタおろしの会なので、内心では噺の完成度や表現の練度が低いのではないかと思っていたが、両方とも予想を遙かに上回るきちんとしたものだった。次の国立演芸場の会が楽しみ。

2006年8月13日 (日)

立川談春 三遊亭白鳥 二人会

2006/8/13 日 立川談春 三遊亭白鳥 二人会 東京芸術劇場

立川談春・三遊亭白鳥  対談
三遊亭白鳥      「富Q」
中入り
立川談春       「文七元結」

僕はチケットが発売されたときに、夏休みの予定が決まってなかったので、ぐずぐずしていて最近になってやっとチケット買ったら2階席になってしまった。2階席の後ろの方は空席。今日の会がどちらの独演会でも満員になったと思うが、芸風が真逆の2人だけに少し空席が出た。1階席の中程に福田和也さん、前から2列目に堀井憲一郎さんの顔が見えた。

2人の対談。白鳥は、2人のコラボ「ネ」ーションと言っていた。談春は、白鳥がおかしいことを言ったのに気づいたようだが、ツッコまず流した。
白鳥をみて談春は、「じゃりんこチエの花井先生」に見えると描写。
白鳥は、談春の言うことを聞いておらず、次に自分が何を言おうか考えていると指摘されていた。談春の弟弟子の志らくは、白鳥と同じ日大芸術学部卒であるが、やはり人の話を聞かないらしく、「人の話を聞かないのは、日芸の芸風か?」とも。
談志と白鳥が共演したときの話。テレビ番組の「落語のピン」の収録で談志が客に受けず、白鳥が受けたとき、談志は、謝る白鳥に対し、「おまえが悪いんじゃない。おまえの芸に笑う客が悪い。」
談春と白鳥が、志ん朝と小三治の二人会に出たとき、白鳥は座布団でそば打ちを演る「トキそば」をやったら、客に完全に黙殺された話。その後に出た談春は困って「今のは落研の芸です。」といってその場を取り繕った。
対談でも談春は、カミシモを切っているが、白鳥曰く「カミシモはワカラナイ。好きな方をみて演る。」。白鳥は、志ん朝にカミシモの説明を30分もしてもらったのに、最後に「でも、好きなように演っていいんですよね」と言ったとのこと。約20分の爆笑対談。

白鳥「富Q」。「富久」と噺の骨格は同じ噺。二ツ目時代の白鳥が主人公の極貧の落語家金銀亭Q蔵。Q蔵は縁起の悪い番号の宝くじを300円で売りつけられる。300円あれば池袋のポンパドールでパンの耳を45リットルのゴミ袋にいっぱい詰めてくれるのに・・・・(実話らしい)。Q蔵は、宝くじを浅草で拾ってきたみやげもの用の雷門の提灯の中にしまっておく。池袋演芸場の近所の火事で、池袋演芸場に駆けつけるQ蔵。池袋演芸場は無事だつたが今度は池袋のびっくりガード近くのQ蔵のアパートが火事で焼けてしまう。その後、宝くじが2億円の大当たりだったことが判明。焼けたはずの宝くじは、隣室の北朝鮮人の老婆が火事場泥棒をして、Q蔵の黒紋付きを持って行ったときに提灯がひっかかったので提灯を一緒に持ち出したため、無事だった。細かい笑いどころが随所にあり、まずまず。

談春「文七元結」。ぼくは人情噺が苦手である。「文七元結」も、長兵衛が文七に50両やってしまうところが「ありえない」と思ってしまう。「それが江戸っ子の心意気」と言われるとそれまでだが。談春は「佐野鎚」の女将の長兵衛への説教、吾妻橋で長兵衛が文七にこの50両がどんな50両か泣きながら説明するところ等、見事に演じた。苦手な人情噺であったが十分楽しめた。さすがは談春である。

2006年8月 7日 (月)

林家たい平独演会 「天下たい平」

2006/8/6 日 林家たい平独演会 「天下たい平」 横浜にぎわい座

瀧川鯉斗      「道灌」
林家たい平     「お菊の皿」
中入り
神田京子      「源平盛衰記」(那須の与一のくだり)
林家たい平     「船徳」

チケットは完売で会場は満員。夏休み期間中であるせいか小学生や、もっと小さい子供を連れてきている人がいる。ふだん、落語会に来ない人が、テレビの笑点をみて足を運んできている印象。

瀧川鯉斗は、ジャニーズ系の風貌。

たい平の「お菊の皿」。「青山鉄山に言い寄られたお菊には、三平という思う人がいた。三平といいましても、・・・(林家三平のモノマネで小咄2、3種類)・・・・の三平ではございません。」と三平のものまねを織り込む。そういえば、5月の東京芸術劇場では、「たがや」を三平風に噺を脇道にそらしながらやる演り方をしていた。トキオの山口達也主演で、林家三平物語という映画(ドラマ?)があるらしいので、三平のモノマネを噺に取り込むのはタイムリーである。人気がでてからのお菊さんは、「井戸(江戸)前ずし」の店をやるようになる。店は、回転すし屋で、勘定のときは皿の枚数を数える。

講釈師の講談を聴くのは初。よって、当然、神田京子は初見。講談をめぐる漫談。講談というのは簡単なものだという例として、「森のくまさん」を講談でひとくさり。その後、「源平盛衰記」へ。講談は簡単というが、登場人物の服装等の描写は言葉が聴き取れても意味がわからないところが多い。最後に、カッポレを踊った。

たい平の「船徳」。噺の入りは、いきなり呼び集められた船頭たちが、なぜ、呼ばれたのかを話すシーンから。呼ばれたのは親方に小言を言われるために違いないという話になり、船頭のひとりが、近所の家の牛乳や、ヤクルトを飲んでしまったことを白状。その船頭によれば、牛乳が「飲んでくれ」と話しかけてきたので飲んだ。ここは、志ん朝がCDでやっていた、隣家に届いたてんぷらそばの出前を食べた話が牛乳、ヤクルトに変わっている。他にも、回想シーンで、若旦那と船頭のアニキ分が、海に向かって石を投げながら、若旦那が船頭になりたいことを打ち明けるシーンを盛り込む等、たい平らしいアレンジが入っていた。噺が終わってから、お得意のモノマネ「夜空を彩る大スターマイン」をやった。

いつも通り、たい平らしい工夫や、サービス精神満載の楽しい会となった。ただし、席が小学生たちに隣接した席で、かれらがじっとしておれずゴソゴソするので噺に集中できなかった。

2006年8月 6日 (日)

林家染丸一門会 夜の部

2006/8/5 土 林家染丸一門会 夜の部 横浜にぎわい座

林家染左    「江戸荒物」
林家花丸    「たぬき」
林家染二    「くしゃみ講釈」
林家小染    「遊山船」
中入り
林家染丸    「地獄八景亡者の戯れ」

染左の「江戸荒物」。江戸弁が、よく大阪の漫才師がやるミョーな江戸弁でなく、意外にもそれらしく聞こえた。

花丸の「たぬき」。恩返しにたぬきが化けたのは、10円札と、お祝い用の鯉。鯉に化けたたぬきが、刺身にされそうになって庭に逃げ、柿の木に登る、「鯉の柿(滝)昇り」。

染二の「くしゃみ講釈」。講釈はやっぱり、「真田三代記」の大阪の陣。くしゃみをしながら講釈を続けようとする染二の表情の変化はすごかった。主人公の男が、講釈師を罵倒するときに、弱気に「あかーん、あかーん」しか言えないところが可愛かった。この噺、最後あたりで「オケラ、毛虫・・・」というミョーな歌がついている。ストーリーの上でこの歌の存在の必然性は全くないが、今日の染二を含め、これまで聴いた4人の演者の全員がこの歌を歌っていた。どういうワケか僕はこの歌が大好きだ。

小染の「遊山船」は、暑い夏の日に、橋の上から川に浮かぶ船で遊ぶ人々の様子を眺めている情景の描写がきちんとしていて、僕の頭の中にありありとその様子がイメージできた。

染丸の「地獄八景」。染丸は、「地獄はっけい」でなく「地獄ばっけい」と発音していた。噺の導入は、軽業師が演技する情景から。扇子と指を使って綱渡りするところを描写。枝雀のDVDの導入部の鯖かなんかを食べて当たって死んだ男は登場せず。近日来演は、桂米朝ではなく、テポドンを発射したあのお方。米朝一門以外は、近日来演「桂米朝」はやりにくいのか?オチはオーソドックスに、「大黄(閻魔大王)呑んで下す。」(大黄は漢方の下剤)

染丸は1時間強の演目を一気に演じた。この演目は、上・下に分けて、間に中入りを入れて演じられることも多いと聞く。昼の部に、あれだけ体力を消耗する演目を演じて、これをやるのは驚異的である。もしかしたら、僕がこれを書いているこの瞬間は打ち上げで飲んでいるかもしれないが、向こう数日間はグッタリして何もできないのではないか?

全体として上方落語は、観て楽しむ要素が東京落語に比べて多いように思う。米朝・枝雀以外のDVDの発売が待たれる。

大満足の林家染丸一門会(昼・夜の部通し)であった。今回の落語会参加のきっかけは三浦屋権太郎さんのブログであった。たぶん、今日も三浦屋さんもいらしてたはずであるが、面識がなくご挨拶もできませんでした。この場を借りてお礼申し上げます。

2006年8月 5日 (土)

林家染丸一門会 昼の部

2006/8/5 土 林家染丸一門会 昼の部 横浜にぎわい座

林家染左    「ろくろ首」
林家花丸    「鉄砲勇助」
林家小染    「替わりめ」
林家染丸    「うかれの屑より」 
中入り
林家染二    「普請ほめ」 牛ほめ
林家染丸    「三十石」

染丸の噺家生活40周年記念の一門会。染丸は16歳で入門したとのことなので56歳。染二以外は、全員初見であった。演目は、終演後、張り出されてたと思うが見落とした。

染丸の「うかれの屑より」。「うかれ」は浮かれ者の「うかれ」、「より」は、選り分けるのより。居候が、紙屑を選り分ける仕事をするが、この居候が、紙屑の中にあった手紙を読んで妄想にふけったり、浄瑠璃や長唄の本をみては、隣家の稽古屋からの三味線の音を伴奏に踊る、踊る。途中からは、座らず中腰でずっと踊ったり、歩いたりしていた。じゃまになるので、座布団も脇に置いていた。東京の「紙屑屋」と元はおなじものと思うが、華やかな鳴り物が入り、染丸の踊りが見事で、東京の「紙屑屋」とは全く別物である。この演目は、10年後には染丸も体力的に不可能になるであろう。これはぜひ、DVDに残して欲しい。

染丸の「三十石」。これも、鳴り物、歌がふんだんに入る噺。途中からは船頭がずっと艪をこぐ所作を続け、今度は歌う、歌う。この艪をこぐ所作は決まっているし歌もすばらしい。ついでに、別の船から聞こえる歌というのを舞台袖で小染がやってたが、これもよかった。

2つの演目で師匠の染丸の、まさに脂の乗りきった大トロのような濃厚な芸をみせてもらった。終演後、良いものをみたという満足感にひたり、今、またこれを書きながら思い出して、満足感がよみがえっている。

2006年8月 4日 (金)

新宿末廣亭 8月上席 その2

2006/8/3 木 新宿末廣亭 8月上席 昼の部~夜の部

昼の部 途中入場
入船亭扇遊    「子ほめ」
柳家とし松     曲ごま
柳亭市馬     「寝床」

夜の部
柳家緑太     「小町」
三遊亭ぬう生   「鰻屋」
ぺぺ桜井      漫談
林家彦いち    題名不詳 葬儀屋のおかみさんが安売や通販をやりたがる噺
入船亭扇治    「幇間腹」
林家正楽     紙切り
夢月亭清麿    題名不詳 ハードボイルドにバーボンロックを飲む噺
春風亭一朝    「祇園祭」
笑組        漫才(昨日とはちがうネタ)
柳家小ゑん    題名不詳(昨日と同じネタ)
川柳川柳      漫談 
中入り
三遊亭白鳥    題名不詳 赤頭巾ちゃんが、最後に東京タワーの蝋人形館にゆく噺
伊藤夢葉      奇術
柳家喬太郎    題名不詳 夫婦の会話があることを変だと言われた男の噺
柳家さん喬     「初天神」
仙三郎社中    太神楽曲芸
三遊亭円丈    「遙かなるたぬきうどん」

昼の部に途中入場したら混んでいたため、2階席へ。2階席は畳敷きで、寝転んでいるおじいさんもいてゆる~い空気が漂っている。

市馬の「寝床」。旦那が声の調子を「あぁー、ぉおー」と確かめていたら店の者が洗面器を持ってくるところ、長屋の誰かがすしを食べたときに「ここの旦那は、義太夫で泣かせず、わさびで泣かす」と言ったところが志ん朝のCDには、なかったところ。一方で、かつて一人で旦那の義太夫に立ち向かった番頭の話は無し。僕はこの番頭が、土蔵に逃げても、明かり取りの窓から義太夫を語り込まれてしまうシーンが好きなのでちょっと残念。店の者が義太夫を聞けない言い訳も志ん朝のCDとは多少違った。この噺を聴くといつも、そんなに凄い騒音のような義太夫なのになぜ、みんながこれを聞きながら眠れるのかが不審に思う。それはさておき、市馬は、刺身を食べるときに、肘の方まで垂れてしまった醤油を舐める仕草を入れたりする等、細かいところまで考えて、練り上げていたと思う。

昼の部が終了したところで一階席に移る。

彦いちは、女子校に呼ばれて、落語をやったときに、彦いちの顔をみた女子高生に「こわ~い」といわれたので、得意な笑顔をして見せたら「ありえな~い」と言われた噺をマクラに、葬儀屋の奥さんが安売りや通販をやりたがる噺をやった。おもしろかった。

一朝の「祇園祭」は、江戸のお囃子の口三味線や、江戸っ子の啖呵が見事だった。

小ゑんは、昨日と同じネタ。2日連続で来る客の存在は想定されてない?

川柳も、前半の本の宣伝は昨日とおなじ。高校野球の話題から、かつて春の高校野球のテーマ曲になったパフィーの歌を歌ったのにはびっくり。

白鳥は、赤頭巾と白雪姫をごちゃごちやに混ぜて、白鳥独特の風味を振りかけたような噺。さっき、できたばかりの噺と言っていたのでネタおろしだったかもしれない。赤頭巾と言うべきところをシンデレラと言い違えたりしていたが、おもしろかった。白鳥はきのうより、乗って演っていたと思う。

喬太郎は、マクラで、花火大会にゆく若い男女がバカッぼく、「花火っていいよね」と語り合っているのをそれらしく再現してみせていた。おとといの横浜にぎわい座でもこれをやっていた。本人もお気に入りのようなのでしばらくの間のマクラではこれを演るのではないか?ネタは、会社で「結婚して3年半たつのに夫婦で会話があるのはおかしい」と言われてしまう男の噺。面白かった。本日で一番の聞き物だった。

さん喬の「初天神」。このネタをさん喬で聴くのは2回め。指についたあめの粉を舐める仕草、ダンゴのミツを吸う仕草も見事。ダンゴのみつを舐めた後、蜜壺にもう一度、つっこむところまで。

円丈の「遙かなるたぬきうどん」も2回目。するめを焼いたときのするめが丸くなる様子や、花かつおをきしめんに入れたときに、花かつおが踊る様子を演じたところはおもしろかった。たぶん、ネタの好き嫌いの問題だが、僕は昨日の方が良かったと思う。

2006年8月 3日 (木)

新宿末廣亭 8月上席 夜の部

2006/8/2 水 新宿末廣亭 8月上席 夜の部

途中から
春風亭一朝       「幇間腹」
笑組(えぐみ)      漫才
柳家小ゑん       題名不詳の新作
川柳川柳         「ガーゴン」
中入り
三遊亭白鳥        「アジアそば」
伊藤夢葉(むよう)    奇術
柳家喬太郎        「粗忽長屋」
入船亭扇治        「道具屋」
仙三郎社中        太神楽曲芸
三遊亭円丈        「悲しみは埼玉に向けて」

池袋演芸場を出て、新宿末廣亭へ。客の入りは半分程度。最前列が空いていたので一朝のネタが終わったところで最前列に移動。

小ゑんの噺は、タナバタに、織姫と牽牛がタナバタ飾りの短冊の願い事を査定する噺。織姫は、チャンスがあれば北極星と浮気したいと思っているようなキャラ。一方の牽牛は、貧乏でおとなしい。割と面白かった。

川柳は、最近出した本の宣伝から、「カーゴン」へ。本の宣伝の中では、ラ・マラゲーニァをひとくさり。軍歌の声のハリといい、ジャズを口三味線でやるときのリズム感といい75歳とはとても思えない若々しさ。「俺は、古典原理主義者の圓生の弟子なのに、ソンブレロをかぶってラ・マラゲーニャを歌ったため、圓生に疎まれて真打ちになるのが5-6年遅れた。弟弟子の圓丈は、アップリケなんか着物につけたのは圓生が死んでから。円丈なんざ、臆病者だ。」白鳥がよく川柳のことをネタにするが、その強烈なキャラの片鱗は伺えた。

白鳥は、二ツ目時代の貧乏話がマクラ。当時、同じアパートに住んでいた貧乏外人が獲ってきたニシキゴイを食べたら熱帯魚と同じ味がした、と言って置いて、想定通り客席の共感がないことに対して「今日はVIPなお客ばかり」と客をヨイショ。ニシキゴイの話はネタか、実話か判然としない。インド人のそば屋の噺だったから、「アジアそば」と思う。噺の途中で、インド人のセリフの中にアラーの神に言及するところがあり、そこをやった後、地に戻り、「インド人はヒンズー教徒だからアラーの神はおかしい、宗教の話はちゃんとやらないとメールがたくさんくる」とぼやいていたのがミョーに面白かった。

夢葉のマジックは、マギー司郎風味のボケながらのマジック。面白かった。

喬太郎は「粗忽長屋」。前日から2日で喬太郎を5席聴いているがネタは全くかぶらず。さきほどの池袋でも最前列に居たので、喬太郎は同じヤツがいることに気づいてネタをかぶらないようにしてくれたかもしれない。白鳥のことをネタにした噺をするかと思ったが珍しくそれは無かった。ネタの方は、噺のメリハリの付け方、間の取り方が絶妙でうまかった。

扇治は、白鳥と同期。白鳥の前座時代のエピソードをマクラに使い、ネタの中でも道具屋の売り物の中に、落語の速記本「三遊亭白鳥 古典落語名演集」が入っており、噺のネタとしての白鳥の人気は大したもの。喬太郎が今日の高座で白鳥について話さなかったのは扇治と白鳥ネタでかぶるのを避けたのではないか?

円丈のネタは、噺の内容から察するに「悲しみは埼玉に向けて」。北千住のことを「日本のピョンヤン」、「埼玉の隠し玄関」と言っていて可笑しかった。みつかんポン酢には、「す」がひとつも入っていないが、筑波エクスプレスには「す」がふたつも入っているという訳のわからないクスグリにも笑えた。噺の途中、途中で「19時43分発の新栃木行き準急のベルはまだ鳴っています。」というセリフをナレーション風に入れることで、話題の転換を違和感なく行うことと、噺にゆったりとしたリズムと哀愁感を与える効果を上げていた。彦いちが「長島の満月」で同じような手法を使っていたが、多分、本家は円丈の方であろうと思う。円丈のネタは、「ペタリコン」とか、ワケが判らない不思議なネタで格別好きではなかったが、今日のネタは爆笑できたし、不思議な哀愁感も味わえたし、大満足。

池袋演芸場 8月上席 夜の部

2006/8/2 水 池袋演芸場 8月上席 夜の部

春風亭一左      「真田小僧」
三遊亭窓輝      「題名不詳」 シャレが得意な番頭さんの噺。
三遊亭萬窓      「たらちね」
ホームラン       漫才
柳家喬太郎      「家見舞」

昼の部に引き続き、夜の部を喬太郎まで。小三治が終わり、観客席はさっきまでの超満員が嘘のようにかなり、まばらな状態になってしまった。

窓輝は、歌舞伎の染五郎系のルックスの円窓門下の二ツ目。番頭さんが、洒落の判らない主人にシャレを見せろと言われ、主人の出した題でシャレをつくり披露するが、主人はそれを理解せず怒る噺。シャレは、「庭蟹には(にわかには)洒落られません。」「鈴蹴っては(続けては)無理です。」ネタの題名は不詳。ご存知の方はご教示下さい。

喬太郎は、「江戸っ子は、皐月の空の鯉のぼり、口先ばかりで、はらわたはなし、と申しますが・・・・」と、昨日の独演会での「たらちね」に続き、典型的な古典落語の導入。金がない男2人が兄貴分が家を新築した祝いに、金がないので、汲み取り式便所の瓶を貰ってきて(相手がくれるというものを、無理矢理10銭で購入した形にした)、水瓶としてプレゼント。兄貴分の母親が、その水瓶の水を使って料理してくれたものをなんとか食わずに済ませようとして四苦八苦する噺。やっぱり、喬太郎はおもしろかった。いつもの、前に出た噺のパーツを自分の噺に取り込む技は今日は出ず。

喬太郎が終わったところで、新宿末廣亭の夜の部、川柳川柳以下の番組を見るために中座。

2006年8月 2日 (水)

池袋演芸場 8月上席 昼の部

2006/8/2 水 池袋演芸場 8月上席 昼の部

柳家太助      「転失気」
ロケット団      漫才(地震に対する備えの言い立て)
柳亭燕路      「金の大黒」
柳家はん治     「粗忽長屋」
三遊亭小円歌    三味線漫談(両国風景)+踊り(かっぼれ)
柳家さん喬     「浮世床」
柳家さん八     年金に関する漫談
花島世津子     奇術
桂南喬        「松竹梅」
中入り
柳家禽太夫     「蜘蛛駕籠」
桂文生        「桃太郎」
柳家紫文       粋曲 
柳家小三治     「金明竹」

夏休みを利用して、小三治がトリの池袋演芸場昼の部に。最前列を確保。小三治めあての客で入りは良く、最初から8-9割の席は埋まっている。平日の昼間だけあって客は高齢者の割合が高い。

太助は、権太楼門下の二ツ目。目鼻口が大きいのを利して表情豊かに演じていた。落語家として得な風貌だと思う。

小円歌は、三味線漫談の後、「かっぽれ」を踊った。「かっぽれ」というのは、よく耳にする踊りの名前だが観るのは初めて。結構動きがシャープかつダイナミックでピシ、ピシと動きが決まるものだった。お見事。

さん喬のネタは、多分、浮世床。太閤記のくだりはなかったが、寝ていて起こされた男が、女にもてた噺をするが夢だった、という噺だった。さん喬はいつもながら声は柔らかく、口調ははっきりとしていて聞き取りやすく耳に心地いい。噺を堪能できた。

禽太夫は初見。小三治門下の若手真打ち。目が輝いている好感の持てる高座だった。

紫文は、BS笑点で観たことがあるがナマで観るのは初めて。ナマでみたら思っていたよりずっと若い人だったので、びっくりした。帰宅後、落語協会のウェブサイトで生年を見て、またびっくり。実際の年齢はみかけより10歳くらい上だった。三味線のバチ代わりに団扇の柄を使用して弾いた。ネタは、BS笑点でやっていた鬼平を導入部に使用した小噺を3-4種ほど。

小三治。マクラは、小三治は、ずっと昔から、ミノルタの一眼レフカメラを愛用していた噺。同社のカメラ事業撤退により人員がソニーに移籍したので、ソニーから発売された一眼レフを買ったとのこと。「来るときに使用したスイカは、大阪ではイコカという。大阪はなんでもふざけてますナ」という噺を導入に使用して「金明竹」へ。ネタに入ってしばらくした所で会場から「声が小さくて聞こえないよ。」という声が飛ぶが、小三治は動じた様子はなく、声の調子を上げるでもなく淡々と噺を続けた。これが談志だったらひと悶着起こるところ。関西弁の口上は、昨日の喬太郎よりは聴き取れる部分が多かったがやはり全部は無理だった。速記本でなんといっているか確認してみようと思う。小三治の噺は、マクラにしても、ネタにしても慈味を感じる。しかし、本当に僕が小三治の慈味を味わい尽くすには、僕自身が年齢をとらないとダメかもしれない。

2006年8月 1日 (火)

柳家喬太郎独演会~前座噺特集

2006/8/1 火 柳家喬太郎独演会~前座噺特集 横浜にぎわい座

柳家喬太郎    「たらちね」
柳家さん作     「権助芝居」
柳家喬太郎    「道灌」
中入り
柳亭左龍      「風呂敷」
柳家喬太郎    「金明竹」

今日は、花火大会が開催され、桜木町駅は物凄い人波。花火大会に向かう人波を掻き分け逆方向のにぎわい座に向かう。

開口一番で喬太郎が登場。「縁は異なもの、味なもの。」と普通に古典の「たらちね」に入ったことに対して場内から笑いが出る。八つぁんが、嫁を待っているときに妄想をふくらませてゆくところが見事に演じられ大笑いした。座布団返し、メクリをめくるのも喬太郎がやっていた。

喬太郎の後、本物の前座のさん作は、「権助芝居」。田舎から出てきた飯炊きの権助が素人芝居の役者の欠員を埋める噺で、途中までは「一分茶番」と思っていたが、どうも違う噺らしいと気づいたあたりから、食事のとき飲んだビールが回り意識不明に。結局、どんな噺か判らなかった。

喬太郎の二席目は「道灌」。長いマクラ。今日は古典落語のCDのための録音するので固有名詞は出さないように言われていたようだが、このマクラでは固有名詞が頻出。高島町駅は控えめであるが代官山駅はチョコザイである噺、今日、来るときに桜木町駅でいか天そばを食べた噺(いか天を擬人化して、いか天を演じた)、今日は花火なのでセブンイレブンで、店の前で焼き鳥を売っていた噺(「当店の秘伝のタレ」を売り文句にしていた)等。マクラが長かったので、「道灌」の導入部で、ご隠居に「ずいぶん遅かったね」と言わせ、八つぁんに「花火で混んでたもので」と言い訳させたのはうまいと思った。

左龍の「風呂敷」は人物の演じ分けがきちんと出来ているし、噺を聞いていて頭の中に情景がきちんと浮かんだ。

喬太郎の三席目は「金明竹」。これまで、前座噺としてこれを聴いたときは、主人を出向かせることの断りを猫を貸すことの断り(さかりがついて帰ってこない、エビのしっぽかなんか食べておなかをこわして座敷を汚すので、またたびで眠らせて奥の座敷に放り込んである)でやってしまうところまでだった。今日は、その後の関西弁の口上を、マツ公も、おかみさんも聞き取れず、無茶苦茶な報告をするところまでのフルバージョン。僕も関西弁の口上を一生懸命聞き取ろうとしたが、聞き取れなかった。おかみさんの記憶の断片を無理矢理ふくらませた結果、無茶苦茶な報告になってしまう様子はとてもおもしろかった。

僕は、喬太郎が古典落語の制約を守りつつ、独自の工夫によって爆笑をとるところがとてもよいと思う。今月はSWAを初めてみる予定。SWAでの、自由な喬太郎も楽しみ。

2006年7月27日 (木)

立川談笑 真打ち披露

2006/7/27 木 立川談笑 真打ち披露 中日 ヤマハホール

立川志ら乃        「禁酒番屋」
立川談笑         「堀の内」
立川志らく         「青菜」
中入り
志ら乃、志らく、談笑   「口上」
立川談笑          「片棒」

1階席の後ろ1/4くらいは空席。真打ち披露としては淋しい客の入り。3夜連続で昨日は志の輔、明日は談志が登場。明日は完売、昨日は2階席に一部空席があった程度だった模様。

志ら乃は、駆け足で元気よく高座に上がる。「禁酒番屋」を表情豊かに演じる。将来が楽しみな「二つ目」である。

談笑の一席目は、「堀の内」。
マクラのところで、明日は談志がゲストであることから、「明日は、楽屋はピリビリするし、お客は居眠りできないし大変。のどかなムードでできるのは今日だけ」と言って笑いをとっていた。
息子を連れて湯屋にゆくところで、湯屋と思って入った店で、「ご指名はいつものマリリンでいいですか?」と言われるところが談笑らしいくすぐりだったが、談笑にしては、噺のくずしは少なかった。

志らくの「青菜」にはぼくの気持ちがうまく乗れなかった。声が高く金属的に聞こえたせいか?

談笑の二席目は、「片棒」。長男がおかまだったり、次男の描く葬式は、けち兵衛がゾンビとなってよみがえるのをミッキーを呼んで退治してもらう噺の壊しっぷり。談笑らしい噺と思った。客席にミッキーを呼ばせるところかがあり、ぼくも一緒に「ミッキー」と呼ばされてしまった。ちょっと恥ずかしかった。

談笑は、ブラックジョーク的な笑いに冴えをみせるが、マイナー感が漂っていた。月例会をやっている上野広小路亭ではよいが、銀座のヤマハホールは似つかわしくない感じがした。今日は、単に空席が多かったのでそう感じたに過ぎないのかもしれないが・・・。

2006年7月24日 (月)

立川談春独演会

2006/7/24 月 立川談春独演会~熱帯夜なんじゃねえか・・・? イイノホール

立川談春      「宮戸川」
立川談春      「景清」
中入り
立川談春      「不動坊」

これまで3月シアターアプル、4月にぎわい座、5月東京芸術劇場と談春の独演会に行っているが、今回は、観客に占める女性客の割合が妙に増えている感じがする。

イイノホールで開催されている「飛切落語会」の思い出話がマクラ(約15分)。談春はが飛切落語会に出ていたころ、昇太も出ていて昇太は初回に登場したとき、こんな大きなホールに出た証拠にするといっていきなり、高座から使い捨てカメラで客席の写真をとって、次に前列のお客さんにカメラを渡して高座の自分の写真に撮らせたととのこと。談春は飛切落語会に出た初年度に努力賞を貰ったが、2年目、3年目に賞をもらえなかったので、腹を立てて以後は出演を辞退したとのこと。

一席目は、「宮戸川」(約25分)。右手の指さす動きや、右手を縦にして床につける仕草が多いのが談春の手の動きの特徴。ハナちゃんのキャラが少しナマイキでかわいい。噺も終盤。カミナリが鳴り、「半ちゃんこわい。」といってハナちゃんがしがみつくシーンを「緋縮緬のじゅばんから白い足が出て、半ちゃんの足の間に入り・・」と濡れ場の描写に入り、僕がごくりと唾を飲み込んだところで、「こっから先はまた次回。」と切っておじぎ。鮮やかな終わり方。

二席目は、「景清」を40分間、たっぶり。初めて聴くネタ。少し暗くしていた場内の照明を、落雷の後、主人公のサダさんの眼が開いたところで、少し明るくしていた。熱心にお参りしたのに眼が開かず、赤坂円通寺の日朝様、上野清水寺の観音様にそれぞれ毒づくセリフは、鮮やかで談春の本領発揮。サゲを石田の旦那が、サダが奉納する観音像を褒め、「さすが俺が、江戸一と眼をつけた男だ」と言ったのに対し、「いや、眼をくれたのは観音様です。」としたところに談春の工夫があった模様。三席め終了後、景清のサゲは「お初にお目にかかります」よりこの方が良いと思ったと解説していたが、僕はもとのサゲをしらないのでなんだかワカラナかった。

三席目は「不動坊」。いきなり、「おタキさん、嫁に行くんだって」というセリフからネタに入る。おととい聴いた小文治の「不動坊」は、家主が利吉を呼んで、おタキさんを嫁に貰えと持ちかけるシーンから入っていたので、談春の入り方は斬新な印象を受けた。チンドン屋の万さんは、自分の悪口を言われていたのに納得しているぼぉーっとしたキャラであることをきちんと前半で説明していたので、万さんがアルコールを買ってこいといわれたのにアンコロを買ってきたり、ウスドロをやるべきところでチンドン屋のチンドンをやってしまうのが自然に受け止められた。万さんは、「おおうすばかやろう」と罵倒されたことに、「おおばかやろう」、でも「うすばかやろう」でも、がまんできるが「おおうすばかやろう」にはガマンできないと言って、拗ねるところが可愛いキャラで気に入りました。

今日の、目玉は一般的には、「景清」ですが、僕には、笑えた「不動坊」が一番でした。談春は、滑舌が良く、口調ははっきりして、リズムも良い。話芸が優れている上に、噺を消化した上で、自分で組み立て直している。まだ、談春は40歳。今後、どんなふうに成長するのか楽しみな落語家である。このところ、喬太郎の「擬宝珠」、福笑の「浪曲ヤクザ」とか濃い味の落語が続いたので、談春のさっぱり味の落語が聴けたのはよかった。次は、濃い味?の談笑を木曜日に聴く予定。

2006年7月22日 (土)

おもろい落語を聞きなはれ

2006/7/22 土 笑福亭福笑独演会 「おもろい落語を聞きなはれ」シアターX(カイ)

三遊亭天どん     題名不詳  民家がドライブスルーのマックと間違われる噺
笑福亭福笑      「浪曲やくざ」
中入り
モロ師岡        一人コント、ビールを飲みたい男のコント
笑福亭福笑      「入院」

転勤で東京に来ている関西人か、大阪から遠征してきている人なのかロビーでは、そこここから関西弁が聞こえる。配っている落語会のちらしに会場が大阪でのものが二種類含まれていた。中入りの時にロビーで以下の会話が聞こえた。
「今日は大阪からでっか~?」
「いや、四国からです。」
「大阪の会場でもお見かけしましたな。」
「大阪へもちょくちょく行ってます。」
福笑には、長距離の遠征を厭わない追っかけがいるようだ。

天どん初見。マックのドライブスルーに間違えられた民家のオヤジがマックに文句を言いに行くシーン。その前に、仕込みとして「マックの看板が一部木で隠れて見えなくなっているのでこの民家がマックと間違えられた」というくだりを演っておかなければならないのを失念。マックに文句をつけに行ってからこれを説明するハメになった。しっかりしてね、天どんくん。

福笑も初見。「浪曲ヤクザ」は、下部組織の会長に就任したヤクザが、なぜか、しゃべりが浪曲になるマサという子分をつれて、対立組織の組長宅に乗り込む噺。

「アニキ~、会長就任おめでとうございます。これでアニキも、宝塚で言ったらアンドレ、オスカルみたいなもんでんな」
「ヤクザが宝塚にたとえて、どないするねん。なんも関係あらへんやん。」
「そんなことおまへん。だって、ようゆうや、おまへんか。アンドレなにしてオスカルねん。」

「ワシ、ゴクドー嫌いでんねん。モスバーガーが好きでんねん。」
「それはマクドやろ。」

全編がこのような、強引な脱力系のボケの連続。思わず心の中で、一緒にツッコンでしまい、知らず知らずのうちに落語に参加している。福笑の落語は一人で演る漫才だと感じた。

モロ師岡も初見。おもしろいコントだった。

「入院」も一人、漫才。無理矢理な勘違い。「エボラ出血熱」→エバラ焼き肉のタレ、ドクターハラスメント、「ドクハラ」→浅草の近くのあの・・あの・・「吉原」、「中皮腫」→「チューリップ」。医者が「キューリ」「キューリ」と呼んでいて、ふと気づいて「ナース」「ナース」と呼び変える。浪曲ヤクザよりも更にストーリーはどうでもよく、ひたすら連発される無理矢理なボケを賞味すべき噺。僕は福笑が大好きになったが2席ともこの傾向の噺というのは正直、初心者にはきつかった。次は福笑の古典落語を聞いてみたい。

今朝、オセロ、ざこば、中尾彬が出ているテレビ番組で、大阪の6歳の男の子がお父さんを笑わすために、コンビを組んでコントを演る話をやっていた。何回やってもセリフがうまく言えず、泣きながらコントの練習をやっていた。どうやら大阪人は、小さい時から「人を笑わせることが人生で一番大切。そのためには努力を惜しんではならない。」という価値観を叩き込まれているようだ。今まで知らなかった日本のどこの地域とも違う「大阪の凄さ」に感心した。今朝、見たあの男の子ような子が大きくなると福笑さんみたいなおっちゃんになるのかしらん、と思った。

江戸東京博物館

福笑独演会のために両国にゆくので、ついでなので家を早く出て両国の江戸東京博物館を観てきた。江戸東京博物館は、館内に江戸時代の町並みや屋敷・商家の模型や、棟割長屋や中村座が原寸大で復元されていて面白かった。時代劇の「斬九郎」(渡辺謙、若村麻由美)のエンドロールの江戸時代の両国橋付近の模型がここにある。また、駕籠や人力車にも乗れるし(ただし動かない)、「纏」も振れるし「肥たご!のてんびん」も担げる体験型の博物館である。

中村座の前に高座をしつらえ、それに向かい椅子をならべてあり、何かなぁと思っていたら一番太鼓が鳴り始め、落語が始まった。

桂小文治   「不動坊火焔」

小文治は、きちんと演じる人だが、オリジナルなギャグやクスグリがなく、爆笑とはいかなかった。小文治では去年の年末に「芝浜」を聴いたが、小文治には、人情噺とか、怪談噺の方が良いような気がする。上野広小路亭の8月昼の部定席の料金2000円が800円になる割引チラシを配布していた。

江戸東京博物館を出て、福笑独演会の会場であるシアターX(カイ)に向かう。シアターX近くの丸玉ラーメンで、昼食にラーメンを食べる。アオサ(海藻)が入っているところが珍しい。食べる前にラーメンの写真をとっている人がいたのでもしかしたら有名店かもしれぬ。味はまずまず。何度か食べればクセになりそうな気もする。

2006年7月21日 (金)

にっかん飛切落語会 第306夜

2006/7/21 金 にっかん飛切落語会 第306夜 イイノホール

三遊亭きつつき    「手紙無筆」
古今亭菊朗      「兵庫船」
柳家喬太郎      「ちりとてちん」
三遊亭鳳楽      「唐茄子屋」
中入り
三遊亭好二郎     「一分茶番」
桂文珍         「包丁間男」

飛切落語会は、毎回2名の「二つ目」が登場して審査員の審査を受け年間の高座に対して「飛切大賞」他の賞を授与する。今回の「二つめ」は菊朗と好二郎。

菊朗の「兵庫船」は、、関西弁がなんか少し変な感じで、聴く立場として噺に乗り切れなかった。それでも、最後の講談のところとか十分楽しめた。講談は「真田三代記」の大阪の陣のところ。大銀座落語祭で聴いた銀瓶と雀々の「くっしゃみ講釈」と全く同じくだりであった。

喬太郎は、この落語会の全体構成での自分の役割というものを考えたのか、全体に抑制の効いた高座となった。噺の中で、「ちりとてちん」を食べたトメさんが、身をよじり、菊朗の講談で出てきたパパン、パパン、パパンパ、パンパンという張り扇のリズムでひざを叩きながら苦しんでみせる等、前に出た人の噺を臨機に自分の噺に取り込むという喬太郎らしさはでていた。今日、喬太郎を初見の観客は、喬太郎を普通に面白い落語家と思ったかもしれない。来月の横浜にぎわい座の独演会では、弾けた喬太郎が観られることを期待。

「唐茄子屋」は通常は、「唐茄子屋政談」として演られるもの。今回は、親切な人にカボチャを2個を残して全部売ってもらったところまで。マクラで、三遊亭の三遊とは「飲む」「打つ」「買う」の意味である、との蘊蓄が紹介された。へえ~。

「一分茶番」は、ある商家の素人芝居で、欠員を埋めるため急遽、飯炊きの権助が起用されるが舞台でドタバタ喜劇を演じてしまう噺。好二郎の権助は、とぼけた味があって、とても楽しめる噺だった。  

「包丁間男」のあらすじは、以下の通り。モテモテのタツ兄いは、新しい若い娘と出来たので、女房(情婦?)のお静と別れたい。弟分のトラに頼んで、自分の留守宅に入り込ませてお静の手を握らせたところに包丁をもって踏み込み、「間男を引きこんだ」とお静を責めて別れようと算段する。ところが弟分のタツは、お静にタツ兄いの算段を話してしまう・・・、というような噺。爆笑に次ぐ爆笑。

2人の二つめの菊朗と好二郎、今日のところは好二郎が良かったと思う。   

2006年7月20日 (木)

擬宝珠!

2006/7/20 木 第5回アイリス落語会 赤坂見附アイリスプラザ

古今亭ちよりん   「やかん」
立川志の吉     「桃太郎」
橘家圓太郎     「悋気の火の玉」
中入り
柳家喬太郎     「擬宝珠」

おにぎり2個の弁当とお茶がついた。自由席だが運良く最前列に座れた。狭い会場なので高座の落語家との距離は1.5メートルくらい。これまででもっとも至近距離で観る落語。

ちよりんは、目が輝いている前座。一所懸命さが伝わってきて好感を持った。噺も噛んだり、言い直したりがなく、十分楽しんで聞けた。ちよりんは、大銀座落語祭の最終日のヤマハホールで前座として働いていたが、トリの八方の時に、前に出たきん枝が使った見台と膝隠しを片付けるのに精一杯でメクリをかえすのを忘れるしくじりをしてしまった。すでに私服に着替えていた小米朝と雀々が出てきてメクリをかえすというハプニングがあったのを思い出した。怒られたろうなあ。がんばれ、ちよりん。

志の吉は、3回目。これまでの中では一番良かった。志の吉は、33歳という割には若々しさと勢いにやや欠けるところがある。一方、当たり前だが真打ちの師匠たちほどの技量はなし。まさに二つめ。立川流だけに、真打ちへの道程は半ば。

圓太郎は、昨夜のTBS落語研究会と同じ演目。昨夜は、トリをとった扇遊と2人で赤坂のカラオケボックスで朝方まで100曲くらい歌ったとのこと。本妻とお妾さんの演じ分けはきちんとしているしリズムもよいことを改めて確認。

トリは、お目当ての喬太郎。今日の会は有線放送用に録音しているとのこと。喬太郎はどういう訳か、有線放送をラブホテルで聴いている人のイメージに取り憑かれてしまい、何度もその人々に向けて話しかけていた。高座から窓越しに外から覗いている人や、通るタクシーが目に入るようでやりにくそうだった。枕は、ガチャガチャで取ったウルトラマンと帰ってきたウルトラマンのスペシウム光線のポーズの違いの実演や、直前にやったパチンコの噺等だが散漫で、できが悪かった。僕は、喬太郎の出来が悪いので、居心地が悪くなってきた。席の近さが居心地の悪さをより増していた。「こんな日もあるさ」と自らを慰め始めていた頃に、今日のネタに入った。最初は、崇徳院をやりはじめたのかと思って聴いていたが、病床の若旦那が消え入る声で「ニボシが食べたい」と聞こえる何かを言っていることから???と思っていたらそれが「ギボシをなめたたい」と言っていることが判り、これが噂の「擬宝珠」と判明。「擬宝珠」はマクラを聴いていたときのモヤモヤが吹き飛ぶおもしろさだった。若旦那のキャラは、喬太郎得意の傷つきやすい、少し壊れた変なキャラ。ヘンテコな噺だけど喬太郎にピッタリの噺だと思った。

今日、気づいたこと。①口の開き方が、ちよりん>志の吉>真打ちの2人、と3段階に明確に異なっていたこと。きっと最初は口を大きく開かないといけない、と教育されてだんだんに大きく口を開かなくても観客に伝わる声量や発語が身についてゆくのだろう。
②志の吉の手の基本ポジションは、ひざの上で座禅を組んでいる僧のような形で軽く組まれる形になっていた。

2006年7月19日 (水)

第457回 落語研究会

2006/7/19 水 TBS落語研究会 国立劇場小劇場

柳家三之助    「かぼちゃや」
古今亭菊之丞   「浮世床」
瀧川鯉昇      「船徳」
中入り
橘家圓太郎     「悋気の火の玉」
入船亭扇遊     「井戸の茶碗」

客の入りは60%程度か?この落語会の多くの座席は会員用になっているが、今日は会員用の席、当日券用の席とも空席がめだつ。大銀座落語祭疲れか?

菊之丞は、一度聞いたら忘れない独特な声質。先月聴いた「棒鱈」の方ができは良かったように思う。

「船徳」は、志ん朝のCDでしか聴いたことがなく、ライブでは初。鯉昇は、舟に乗ってからは、船頭が下手で舟が揺れているのを、ずっと身体を揺らしながら噺すことで表現していた。志ん朝はどのように演っていたのか?DVDは発売されないのか?
船宿の主人に呼び集められた時の船頭たちが、小言に備えて固く寄り集まっているところや、志ん朝のCDでは、隣家に出前されたそばを食べてしまった噺(僕はこの部分が好きなのだが)がなかった点等、かなり演出は違っていた。僕はなぜか、鯉昇をみるだけで笑ってしまう。満足しました。

扇遊は、トントンとリズム良く噺を進めていたが、全体に観客の笑いは薄かったように思う。

2006年7月18日 (火)

大銀座落語祭を振り返る

大銀座落語祭の3日間で7プログラムに通ってしまった。落語のお祭りだ!と調子に乗ってやりすぎたという感じもある。3日めの夜にはくたびれはててしまった。

今年の反省。

一般販売の前に売られていたのを知らずチケットの入手で出遅れて、観たいもので買えなかったものがある。
今年はチケットをたくさん買いすぎて疲労した。たぶん連日6時間くらい客席に居た。来年は5日間に拡大するらしいが観るプログラムは精選して4つくらいにすべきか。また、ハシゴする場合は、プログラムの時間延長や移動時間を考慮してチケットを購入すべし。
座席に置かれていたチラシの間に、寄席の無料招待券が入っていたものがあったようだ。それを知らず、2番目以降に観たプログラムのチラシはどーせ全部同じだと思って、そのまま見ずに捨ててしまった。

落語祭で悪かった点。

パンフレットの表紙の左下に「文化庁芸術団体人材育成支援事業」という文字があるのを発見した。僕は、「税金を払うのは最小限にしたい!」と考えるので、行政の領分はできるだけ小さくなって欲しいと思う。もし、大銀座落語祭に無料プログラムがあったり、各プログラムの入場料が異常に安いことが、文化庁の補助金によって達成されているのならば、納税者としてはNO!と言いたい。大好きな落語界が発展することを望みますが、それに税金を使われるのは嫌です。普通に、適正な料金を払って観ます。

最終日に銀瓶と雀々のネタが同じ「くしゃみ講釈」でかぶってしまったこと(プログラムに雀々の演目は記載されていたのでネタ出ししてなかった銀瓶の不注意か?)、八方のトリネタ「坊主茶屋」の内容は、コマツアミュゼの「珍品堂」に相応しい噺で、落語祭のフィナーレには相応しくなかったこと。特に八方のネタについて、小朝は、各演者にネタまで指定しているといううわさを聞いたが、本当だとすれば小朝の意図がわからない。八方が自分でこのネタを選んだとしたらその了見を聞いてみたい。

落語祭で良かった点。

上方落語家を中心に今まで観たことのなかった落語家の噺や演目がたくさん聞けたこと。今回、初めて観た落語家の中ですばらしかったのは、観た順で伯楽、ぜん馬、吉弥、小春團治、九雀。期待通りすばらしかったのは、志の輔、雀三郎、小米朝、雀々。一番良かったのは、小春團治「さわやか侍」、二番目は、九雀「メールの飛脚」でした。これらの高座が観られたのも、小朝プロデューサーのおかげと深く、深く感謝します。

来年の大銀座落語祭を楽しみに!

大銀座落語祭2006 第3日

2006/7/17 月祝 ヤマハホール

第1部 らくごのないらくご会 

露の団四郎   「百面相」
桂 米八     「独楽」
桂 朝太郎    「マジック落語」
桂 文福     「相撲甚句・河内音頭」
笑福亭猿笑   司会進行

帰ってきた鶴瓶チルドレン終了後、いったん帰宅して風呂に入ってから再度、銀座へ。
このプログラムは上方の色物をまとめてやったもの。司会の猿笑はきれいな本物の江戸弁を使う上方落語家。出演者は全員落語家であり色物の専業ではない。これらは、食事のコースで言えば「箸休め」のような演目で、落語と落語の間で観ればちょっと気分が変わってよいが、こればかり続けて見せられるのはキツイ。

第2部 上方の人気者

月亭八天   「開口一番」 演目失念
桂小米朝   「稽古屋」
桂雀々    「くしゃみ講釈」
中入り
桂きん枝   「孝行糖」
月亭八方   「坊主茶屋」

八天は、話芸の技術はかなり高かったと思う。演目は後続の演者の印象が強かったので忘れてしまった。

小米朝で以前、観たのは「七段目」で明るく華やかなものだった。稽古屋は、鳴り物付きの唄あり踊りありの演目であるが、小米朝はこれも明るく華やかに演じた。とても華のある落語家であり、東京で観る機会があればそれを逃がしたくない上方落語家のひとりである。

「くしゃみ講釈」は、今日だけで2回目の演目。それだけにかなり細かいところまで、次ぎに何を言うかは判っているのだが、それでも思わず笑ってしまう。雀々は、師匠枝雀を彷彿とさせる演じぶり。汗の飛び散る大熱演で観客の受けは、本日の一番。銀瓶のも悪くはなかったが、先に銀瓶、次に雀々という順番でよかった。今回の大銀座落語祭では、枝雀一門の雀三郎、雀々、九雀を観たがいずれも爆笑に次ぐ爆笑のすばらしい高座であった。枝雀師匠も天国(または、「地獄八景」の楽しい地獄)で弟子たちの成長をお喜びではなかろうか。

中入り後は、昔、「ヤングOh!Oh!」に出ていたきん枝と八方。

「孝行糖」は笑いところの少ない噺であったがきん枝はきちんと演ったと思う。

「坊主茶屋」は、酔って安女郎屋に登楼した2人が翌日、目が覚めてみて自分の相手を見たら思っていたよりひどい女郎だったので、はらいせにその女郎を丸坊主にしてしまうという噺。八方の語りの技術は期待以上に高いものであったが、ぼくにとっての大銀座落語祭の大トリが、こんな噺の内容とは・・・・。

2006年7月17日 (月)

大銀座落語祭2006 第3日

2006/7/17 月・祝 かえってきた鶴瓶チルドレン 十字屋ホール

笑福亭由瓶 「手水回し」
笑福亭銀瓶 「くしゃみ講釈」
笑福亭恭瓶 題名不詳
笑福亭鶴瓶 雑談 (サプライズゲスト)
笑福亭笑瓶 「横山大観」

由瓶は、冒頭、「サプライズゲストは誰だと思います?」と会場に尋ね、鶴瓶という声を上げさせた上で否定し、観客をがっかりさせた後、ネタへ。ネタのレベルは前座クラス。

銀瓶の「くしゃみ講釈」は、主人公の男が八百屋の店頭で「のぞきからくり」を1段やった後で、八百屋の主人に上手かった?と尋ねたら、八百屋の主人が上手かったと同意したところで八百屋の主人の暖かい人柄が表現されていた。まずまず面白かった。

恭瓶のネタは、題名不詳。「うちの人の働きやない、町内の若い人の働きです。」これもまずまず。

メクリが笑瓶になり、出囃子も笑瓶用の魔法使いサリーが流れる中、鶴瓶登場。鶴瓶いわく、この出るタイミングまで小朝の指示があった由。笑瓶が弟子になりにきたとき、「俺は落語を教えらへんぞ」という鶴瓶に対し、笑瓶は「そんなんと違います。」(落語家になりたい訳ではないの意か?)と答えたは噺。恭瓶は、鶴瓶が帰るのを待たず寝ていた、これを怒っていたら鶴瓶のパジャマを着ているのが判り、あきれて怒る気がなくなった噺。20分程度の話。

笑瓶の噺は、昔手に入れた絵に、横山大観のサインと落款があることが判り、この絵を巡る笑瓶とその妻の喜怒哀楽の30分程度の噺。高島政伸も登場。上下もきっていたし、人物の描き分けもできていた。前半で仕込んだ伏線も最後に生きたしオチもついていたし予想以上の上出来でした。

大銀座落語祭2006 第2日

2006/7/16 日 小佐田定雄の世界② 十字屋ホール

桂雀三郎・小佐田   対談
桂つく枝         「食通夜」
桂九雀          「メール飛脚」
桂雀三郎        「わいの悲劇」

小佐田さんの新作落語は、もとは疑似古典のみであったが、雀三郎のアルカリ落語会用に毎月台本を提供をしていたころに、朝日新聞に提供していた「明るい人生相談室」をベースに中島らもがつくった落語をみてふっきれてジャンルが広がったとのこと。対談中に、まず、こぶ平というか正蔵が乱入、後で文珍が乱入。銀座を文珍が歩いていたら、大銀座落語祭のうちわを持った人が通り過ぎたあと戻ってきて、うちわの似顔絵と文珍をみくらべて「やっぱり鶴瓶だ」と言われた由。こんな短い時間のトークでも客を笑わせる腕はさすが文珍というべきか。

つく枝の「食通夜」は、世話になったご隠居さんの通夜に行った主人公がひたすらいろんなものを食べる描写が続く噺。小佐田さんはつく枝にしかできない噺と言っていた。松村邦宏似のつく枝がおいしそうに食べること、食べること。まずは、太巻きを具材をこぼしながら食べ、次々に、巾着、このわた、てんぷら、とろろ、南瓜の炊いたの、羊羹、きんつば、くりまんじゅう、もなか、うどん2種・・・等を食す。食材の形態にあわせ、頬張ったり、すすったり、歯についた最中の皮をとったり、栗まんじゅうをのどに詰まらせたりと仕草も一通りではなく見る者を飽きさせない。噺の傾向としては「マキシムドゼンザイ」と同じで、ある意味では単一パターンでひたすら、どんどん押してくる傾向の噺。客は、「またそれで押してくるの?」とあきれているうちにいつしか噺のペースとリズムに乗せられて笑わされる。

丸顔で太ったつく枝のあとは、顔の細長い九雀の登場。噺の枕で「米朝事務所は、着物着たおっさんが五つ玉のそろばんをはじいているイメージ」と言い、大受け。「メールの飛脚」は電子メールを飛脚が運んでいたらこうなるという噺。中年のおっさんの携帯メールを運ぶハヤスケが主人公。ブロバイダが商家で、そこには番頭さんやおきよが居り、添付ファイルにデジカメの画像をつけられて重荷を運ぶのが大変な飛脚のノロスケや、ブログを整理するゲンスケ等が登場して相互に会話しながら物語が進行する。爆笑しました。

雀三郎「わいの悲劇」を聴くのは、ことし2度目。2度めなので落ち着いて聴けました。新喜劇好きの主人公、能好きの父、歌舞伎好きの母、浪曲好きの姉、宝塚好きの妹の一家がアメリカ人に日本文化としてそれぞれ自分の好きな芸能を紹介する噺。主人公の家族はそれぞれ自分の好きな芸能の模写で話すので演者は大変である。姉の「浪曲」が好きです。オチも秀逸。

2006年7月16日 (日)

大銀座落語祭2006 第2日

2006/7/16 日 小佐田定雄の世界① 十字屋ホール

桂小春團治・小佐田   対談
桂吉弥           「狐芝居」
桂雀松           「マキシムドゼンザイ」
桂小春團治        「さわやか侍」

上方落語の作家の小佐田さんは、1977年から枝雀に落語台本を提供して30年になるとのこと。小春團治は、他人の作った落語が客に受けないときは原作者のせい、受けたときは演者たる自分が一身に賞賛を受ける。自作の落語が受けないときはしりのもって行き場がないと言っていた。小佐田さんは、色んな演者を想定して噺をつくれるのが落語の原作者の良い点、演者が自ら原作するときは自分が言いたくないセリフは入れられないのが限界と言っていた。それぞれごもっとも。途中、小佐田さんが、落語台本に対して志の輔に「この落語がおもしろいのは判りましたがテーマはなんですか?」とあの悪声で言われたという話をしかけたところで志の輔が私服で乱入。乱入するもさしたる話もせず退場。

吉弥の枕は、今朝、東京についたらまずブロツサムの小朝に、次に新橋演舞場の文珍に挨拶に行った話。驚いたことにこの2人は、鶴瓶が酔っぱらって高田文夫に告げた「目障りな2人」。現在、東西の落語界を牛耳る2人ということであろう。抜け目ないぞ吉弥!ネタは、夜の山道をゆく役者が、狐たちが演じる「仮名手本忠臣蔵」をみているうちに由良の介役の狐がこないので、ついこの役者が由良の介役の役者として芝居に参加する噺。観客の狐が、「由良の介が吉右衛門狐にしては背が低く、顔が丸く、芝居がくさい。まるで猿之助だ。」というシーンでは大爆笑。サゲはネタバレになるので書けない。

雀松の顔は、大銀座落語祭のうちわの南伸坊作の花緑のイラストにそっくり。予備知識がなければ、雀松がイラストのモデルと思うほど。「マキシムドゼンザイ」は、グルメ本に紹介された「ゼンザイレストラン」とディナーコースを食べる噺。次々出てくる食べ物が「鯛焼きの甘酢あんかけ四川風」みたいな甘いものばかりで、聴いているだけで胸焼けがして気持ち悪くなりました。

小春團治の「さわやか侍」は、殿若様が長屋に住んで桃太郎侍みたいなえーかっこしいをしようとする噺。爆笑に次ぐ爆笑。登場人物の役柄別の演じ分けが実に見事でした。

大銀座落語祭2006 第2日

2006/7/16 日 世の中お金の落語会 十字屋ホール

笑福亭瓶太  「持参金」
柳家小団治  「星野屋」
金原亭伯楽  「猫の皿」
中入り
立川ぜん馬  「黄金餅」
三遊亭歌武蔵 「莨の火」

「持参金」は、あまりにおなべさんが気の毒で嫌いな噺であるが、去年の12月に聴いた三遊亭金也のそれに比較すると、瓶太のは後味の悪さが少なかった。なぜかは自分でも判らない。

小団治の「星野屋」は、なぜか笑えなかった。演じ方のリズムがぼくに遇わなかったのか?

伯楽の「猫の皿」は、たっぷりの枕。高座で噺をするのが楽しそうでみているこちらも楽しくなる。村上ファンドに関連して。中学校で講演を頼まれ以下の話をした由。仕事とは生きるために行うこと、たまたま現代では、それがお金を稼ぐことになっているが、本来は魚を捕ったり、貝を拾ったりして食べるものを得ることであった。このように考えると額に汗せず、大金を稼いでなお、「お金を稼いぐことは悪いことですか?」と居直る村上氏はいかがなものかという論調。

伯楽は金原亭馬生の弟子で、当時志ん生に前座の弟子がおらず不自由していたため志ん生に就いて内弟子修行をしたとのこと。志ん生は、骨董好きで道具屋で、ある「書」を5000円で買って、読めないながら伯楽に「これは小野の道風の書かもしれない」と悦にいってたが、後にそれが「今川焼き」と書いてあったことが判明した由(本当にあった話とのこと)。志ん生はそれを噺の枕に使っていたので、元はとれているとも。

ぜん馬の「黄金餅」では、この噺でのハイライトである下谷の長屋から麻布のもくれん寺までの順路の言い立てのあと、実際にこれを歩いてみた経験談として現在、この順路がどうなっているかを事細かく説明してくれたので、あそこを通ったのかという具体的な映像が眼に浮かび面白かった。

歌武蔵は、高座にのぼるとき天井にぶつかりそうで元力士のその巨体が強調されていた。いきなり、「ただいまの審議について申し上げます」という相撲の審判長で入りつかみはオーケー。「莨の火」は、無難に面白かった。

大銀座落語祭2006初日

2006/7/15 土 上方三都物語 十字屋ホール

二楽    「紙切り」
染二    「愛宕山」
都      「大仏の眼」
中入り
(小染    「遊山船」 )

いよいよ大銀座落語祭が始まった。
二楽の紙切りは、いつものように鋏試しの「桃太郎」の後、会場からお題をもらい、「大銀座落語祭」(=高座で紙切りをする二楽)、「朝顔市」等を鮮やかにこなす。

染二の「愛宕山」(京都)は上方落語らしく随所にお囃子が入る華やかなもの。舞妓さんのかんざしのびらびらが揺れる様子を手の動きによって描写する等、動きの多い熱演。

露の都の「大仏の眼」(奈良)は、枕25分、ネタ2分の時間配分。都さんは、小柄な大阪のおばちゃんなのだが、和服を着てちんまりと高座に座って話す姿がミョーにチャーミング。「鶴瓶噺」のようなスタイルで、都さんは旦那様から「入眠剤はおまえが飲めば俺に効く」といわれる話(都さんがおしゃべりなので旦那様は眠れない。都さんが入眠剤を飲んですぐ眠れば、旦那様はぐっすり眠れることを指してこのように言う)等の話を次々と行う。「大仏の眼」は「鹿政談」の枕の一部に使われる噺とのことであるが、今回、奈良の噺ということで「鹿政談をやりましょか」と都さんが言ったら、それよりは、今回の「鶴瓶噺」みたいなかたちのものをやるよう依頼されたとのこと。

ここまでで、中座して次の会場である銀座ブロッサムに移動。

2006/7/15 究極の東西寄席Bブロック 銀座ブロッサム

清水ミチコ    ソロライブ
花緑・杜夫    二人会  (杜夫 「火焔太鼓」 花緑 「たがや」)
志の輔      志の輔の会 (志の輔 「唐茄子屋政談)

会場で、妻と合流。

清水ミチコはピアノを弾きこなし、弾き語りでものまねをしたり、顔真似のスライドをみせたりのライブショー。明星メドレーは、山口百恵、桜田淳子、南沙織、天知真理等の歌真似。年代的に僕にぴったり懐かしい。

風間杜夫の「火焔太鼓」の演出等はCDで聴く、志ん朝のものとほぼ一致。プロの噺家ではないことを考えればうまいが、お金を払ってみる価値はないと思う。花緑の「たがや」は、終盤で会場のマイク機材トラブルの騒音が入り、花緑の集中力が途切れて残念であった。花緑は、風間杜夫の直後だげにプロの噺家の素人との腕の違いはみせたが、噺の技術は後から出てきた志の輔に遠く及ばない。

志の輔は、テポドンの話から、昔、北朝鮮を旅行した時の経験談を枕に「唐茄子屋政談」。独特の、ダミ声だが説得力のある話しぶりで満場の観客を惹き付けてそらさない噺の技術が素晴らしい。このうまさは、数多い落語家の中でも、やはりトップクラス。

各プログラムが約1時間で途中に休憩をはさんでいるので5時にはじまり9時前に終わるという長時間に渡るものとなったが全体として満足できた。終了後は、銀座4丁目の「天」で鉄板焼きのコースを食す。満腹して酩酊。

2006年7月 7日 (金)

柳家喬太郎 みっちりナイト~男と女

2006/7/7 金 喬太郎独演会 みっちりナイト~男と女 中野ZERO小ホール

喬之助   「寄合酒」
喬太郎   「純情日記渋谷編」
ペーソス  「ペーソスコンサート」
喬太郎   「心眼」

「純情日記渋谷編」は、主人公の38歳サラリーマンの壊れっぷりが見事でした。南京玉すだれの形態をして、「転勤玉すだれ」のツッコミを彼女に求める主人公には笑えました。

「心眼」は、円朝作の皮肉な物語。眼の見えない按摩の梅喜が、薬師さまに願をかけて満願の日に眼が見えるようになったら、不細工な女房と別れて美人の芸者と一緒になろうとするが・・・みんな夢だった。「めくらというものは不思議なもので、寝ている間はよく見える。」という落ち。何百人もの観客をこの物語に魅きこんで、そらさない語りの技術は見事なものでした。先日の練馬での白鳥との二人会での喬太郎の「牡丹灯籠」も見事で、見事な語りは喬太郎のひとつの側面ではあります。しかし、うまい語り、見事な語りの落語家は、喬太郎の師匠のさん喬をはじめとして、僕がまだ聞いたことのない落語家を含め何人もいるのではないかと思いますが、喬太郎ほど面白い噺をやる落語家はあまりいません。喬太郎には「見事な語り」路線は他の人に任せて、ぜひ「面白い噺」路線を歩んで欲しいと願います。

2006年7月 5日 (水)

2006年上半期に記憶に残った高座

2006年上半期(正確には落語を聞きに通い出した2005/12/14以降)に聞いた高座の中から特に記憶に残ったものを記します。

2005/12/14 飛切落語会 談笑 「蝦蟇の油」 
何気なく入った落語会で、このスペイン語の口上を聞き、落語でこういうこともやるんだという驚きが僕の落語通いのきっかけになった。

2005/12/24 談笑月例会 談笑 「シャブ浜(芝浜改)」
クリスマスイブに妻を伴い上野広小路亭へ。そこで聞いたのが「芝浜」の舞台を現代に変えて、アルコール中毒ならぬシャブ中毒の魚屋が主人公という怪作。シャブを射ったときの談笑の様子は、迫真の演技だった。

2005/12/27 TBS落語研究会 鯉昇 「二番煎じ」
夜回りの時の謡いや清元がうまく、猪鍋を熱がりながら食べるところの描写もすばらしかった。

2006/1/    飛切落語会 たい平 「明烏」
「明烏」の若旦那は好きになれないキャラクターなのだが、たい平の若旦那は嫌みがなく好ましく思えました。文楽の甘納豆を食べるところで、甘納豆を上手く食べられないので、とたい平がそばを食べてみせたのには爆笑した。

2006/2/3   内幸町ホール 雀三郎 「わいの悲劇」
能、浪曲、宝塚等を噺に取り込んでやってみせる雀三郎の演技力には感心した。

2006/2/23  白鳥・喬太郎 二人会 白鳥 「青春残酷物語」
前半で仕込んだ伏線が後半で次々に炸裂して、爆笑に次ぐ爆笑。

2006/2/26  EBIS亭 喬太郎 「花見の仇討ち」
仇に扮する男が朝からたばこをずっと吸っていたので口がイガイガになって、というときの表情が可笑しかった。耳の遠い伯父さんの声が田中角栄そっくりで笑えた。

2006/3/15  談春独演会 談春 「居残り佐平次」
談春の小悪党ぶりが見事。満場をひきつけた。本人も満足そうだった。

2006/4/1   天下たい平 たい平 「花見小僧」
目を大きく見開いた小僧の様子が可笑しくて、また、後ろに弁護士がいるつもりになって相談するふりをする小僧が国会でのヒューザー社長のパロディになっており笑えた。

2006/4/27  TBS落語研究会 志ん輔 「お若伊の助」
好きではない噺であるのに楽しく聞けた。なぜだろう。

2006/6/24  前進座 喬太郎 「お菊の皿」
怪談のような語りで聞かせる部分あり、爆笑できる部分もあり、喬太郎の色んな面がひとつの噺の中でみることができた。

2006/6/24  前進座 昇太 「時そば」
前日、兄貴がやったのと全く同じにやろうとする男の変なところと、気味悪がるそば屋の様子の描写がおもしろく大笑いした。

2006年7月 4日 (火)

はじめの一歩

いつもウェブでいろんな人の落語のブログを読んでいるうち自分でもプログを書いてみたくなりました。なにぶん小さな頃から無精な性分で、すぐにめんどくさくなり続かないことばかりなので、ブログを継続する意志と無精な自らへの戒めを込めて「落語万歩計」と題しました。(ちなみに本物の「万歩計」をつけて毎日1万歩以上をめざして歩いています。)落語に行ったら必ずこのブログに書くことにしたいと思います。

2006年7月の落語の予定は今のところ以下です。平日は仕事の問題がでないことを祈りつつということですが・・・。

7/7 金  喬太郎独演会
7/15土  上方三都物語
7/15土  清水みちこ/花緑・杜夫/志の輔
7/16日  小佐田定雄の世界①②
7/17月  らくごのないらくご会
7/20木  アイリス落語会
7/21金  飛切落語会
7/22土  笑福亭福笑独演会
7/24月  談春独演会
7/27木  談笑真打ち披露

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